【UFN111】ポテンシャルは環太平洋ナンバーワン?! フランク・カマチョがついにオクタゴンへ!!
【写真】ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ、フランク・カマチョがUFCで戦う機会を手にした(C)MMAPLANET
17日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるUFC Fight Night111「Holm vs Correia」。同大会を前にして地団駄を踏んだ日本人選手がウェルター級とフェザー級に存在した。
今大会では既報の通り、アレックス・カサレスと対戦予定だったワン・グァンの欠場よりにロランド・ディがUFC初出場を果たす。またリー・ジンリャンと戦うことが決まっていたカナダのジョナサン・メニエも同様に欠場となり、5月の最終週頃に日本の各所にこの両階級で戦える選手がいないか、選手を物色中だったUFCから連絡が入っていた。
喉から手が出るほどUFCとの契約書が欲しい日本のトップファイターたちにも、当然のようにその報は届いた。しかし、その多くは次戦が既に決まっていたり、現在主戦場とするプロモーションとの取り決め等によってオクタゴン出陣がならなかった。
そんな彼らに代わり3週間のショートノーティスでUFCで戦うチャンスを手にしたのが、フィリピンでのイベントが休止中で以前のようにスケジュールが埋まっていないPXCからフェザー級でディ、そしてウェルター級ではフランク・カマチョだった。
北マリアナ諸島サイパン出身のカマチョは、現地のローカルショーからPXCが協力していてフィリピンのURCCを経て、PXCに進出し、12勝2敗でTUF16出場を掛けてイリミネーションマッチへ。ここでニール・マグニーに敗れると、ライト級に階級を落としPXCに戻ってきた。
ここからカマチョと日本人選手、そして減量との戦いが始まる。減量がスムーズに行った時のカマチョは、アジア太平洋地域で最もポテンシャルの高いファイターの一人といえる。それが2013年8月の松本光史戦であり、翌年2月の中村K太郎戦、2015年8月の宇良健吾戦における彼の戦いぶりであった。
一発のKOパワーを誇るボクシングに、柔術とレスリングを融合させた壁際の強さ。日本でベルトを巻いた選手たちに対して、カマチョは強さを見せて勝利を手にしてきた。その一方で、2013年11月にバン・テヒョンと揃って計量に失敗し試合がキャンセル。2014年6月には加藤忠治とタイトル挑戦権が掛かった一戦でも、体重を落とせず試合が成立しなかった。
そんな精神的弱さか、ムラがあるのか2015年3月の粕谷優介戦ではパンチを効かせてKO勝ち間近という展開から、バックを許すと即RNCを取られ一本負け。同年12月には再び体重オーバーでライト級王座決定戦をキャッチウェイトのノンタイトル戦としてしまい、ついにはウェルター級再転向を余儀なくされた。
減量苦から解放された後は戦績が2勝1敗のカマチョ、試合時の体調はライト級時代よりも良好だと予想されるが、やはり対戦相手のサイズが違ってくることは懸念材料だ。今回の対戦相手リー・ジンリャンとの身長差は8センチ、リーチの差もある。何かの拍子に顔を覗かせる弱気を封じ込め、晴れ舞台で精神的に強く戦うことができれば、カマチョはUFCでもトップ10の実力をもつといっても過言でない。盟友ジョン・タックも五味隆典と戦うためにSpike22勢も大挙現地入りするという利点もあるが果たして──。初めてのUFC、今後のキャリアの行方までが明らかとなる──そんな真価が問われる一戦だ。
■ UFN111対戦カード
<女子バンタム級/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国)
ベチ・コヘイア(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルチン・ティブラ(ポーランド)
<ウェルター級/5分3R>
キム・ドンヒョン(韓国)
コルビー・コビントン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)
タレック・サフィジーヌ(ベルギー)
<ライト級/5分3R>
五味隆典(日本)
ジョン・タック(グアム)
<ヘビー級/5分3R>
マット・ハリス(米国)
シリル・アスケア(フランス)
<フェザー級/5分3R>
アレックス・カサレス(米国)
ロランド・ディ(フィリピン)
<フライ級/5分3R>
佐々木憂流迦(日本)
ジャスティン・スコッギンス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
リー・ジンリャン(中国)
フランク・カマチョ(北マリアナ諸島)
<バンタム級/5分3R>
クァク・グァンホ(フランス)
ラッセル・ドーン(米国)
<フライ級/5分3R>
ジョン・デ・トーマス(フィリピン)
井上直樹(日本)
<女子バンタム級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
ルシエ・プシオワ(チェコ)