【ADWP2017】システム変更、ブラジル人2人まで。表彰台ゲットのチャンス、56キロ級に戸所誠哲が出場
【写真】ジョアオ・ミヤオの出場がない62キロ級の本命はマイキー・ムスメシか (C)MMAPLANET
18日(現地時間・火)から22日(同・土)にかけて、アラブ首長国連邦アブダビのザイード・スポーツシティ内のIPICアリーナにて、アブダビ・ワールド・プロフェッショナル柔術チャンピオンシップ2017が開催されている。
アブダビ王族から出資を受け、09年より毎年開催されているこの大会。特筆すべきは各帯各階級の入賞者に賞金が出されることだ。今年は男子アダルト黒帯各階級の優勝者には10000ドルが授与される(青帯各階級の優勝者には2000ドル、紫帯には4000ドル、茶帯には6000ドル)。
それを狙って世界の強豪達が参加してくるわけだが、特筆すべきは、本年度から独自のポイント制度に基づく新たなトーナメント・システムが採用されたことだ。この新システム下では、各階級でトーナメント本戦に参加できるのは一国につき2選手のみ。それも、それぞれの国の中でそれまでの取得ポイントが1位の選手は自動的に本戦にエントリーされるが、2位以下の選手は、残るもう一つのスポットを手に入れるために前日の国別予選を勝ち抜かなければならないというもの。
これによって、これまでのようにトーナメント本戦の参加者の大半がブラジル人だという状況がなくなることになる。必然的に非ブラジル人が決勝の舞台に上がる確率も増えるわけだ。この試みは、ブラジル勢が圧倒的な強さを誇るこの競技における国際性、多国籍性を高める目的をもったものといえよう。
そんなワールドプロ大会の見どころを、まずは男子黒帯の軽量2階級から紹介したい。
【56キロ以下級】
今年から新設された最軽量級。世界的超強豪の名前は見られないが、ブラジル人として本戦への第一スポットを得ているのは、今年のヨーロピアン決勝を芝本幸司と争い敗れたホドネイ・バルボーザ(ズィニス)だ。さらにここに、前日の予選を勝ち抜いたもう一人のブラジル人選手が加わることとなる。そして、日本人の本戦スポットを持つのは、戸所誠哲(パレストラ岐阜)。今年のヨーロピアンではバルボーザにチョークで完敗しているだけに、雪辱を期待したいところだ。
【62キロ以下級】
この階級の象徴的存在とも言うべきジョアオ・ミヤオの名が見当たらない本年度。ここでブラジル人1位として本戦出場が決まっているのが、昨年決勝を同門のミヤオに譲られて優勝を果たしたイアゴ・ジョルジ・シウバ(PSLPBシセロ・コスタ)だ。
そして、今年のヨーロピアン準決勝でそのシウバを倒し、そのまま優勝を飾った新鋭マイキー・ムスメシ(RG-CT)も米国人枠で本戦出場が決定している。ミヤオをはじめとするシセロ・コスタ勢に対して天敵として君臨するムスメシ。そのポイントゲームを妥当する術をシウバは繰り出せるのか。
また、本戦の前日にもう一つのブラジル人スポットを賭けた予選が行われるが、そこにはムスメシを今年のパン選手権にてレフェリー判定で下して世界を驚かせた新黒帯、クレバー・ソウザ(アルメイダBJJ)の名があることに注目。この62キロ級は、世界選手権の前哨戦として有望な若手たちによる見逃せない戦いが繰り広げられそうだ。