【Shooto】宇野薫は青木真也の個人クラスを受けていた!! <01>「宇野さんに良い服を提供します」(青木)
【写真】淡々と動く。会話もそれほどあるわけではない。そこに2人の結びつきが伺えた (C)MMAPLANET
23日(日)に浦安市の舞浜アンフィシアター大会で修斗世界フェザー級チャンピオン斎藤裕に挑む、宇野薫。41歳、実に16年4カ月振りに修斗のベルトに挑む彼は今、青木真也のプライベートレッスンを受けている。
今回のタイトル挑戦に向けて宇野を追ったAbema TVのドキュメンタリーシリーズ=ONE DAYで彼自身がその必要性を語っている。斎藤戦ではセコンドにも就くという──宇野の秘密兵器、青木に宇野とのプライベートクラスについて尋ねた。
──最初に宇野選手からプライベートクラスを請われたのはいつ頃ですか。
「12月の終わり頃ですかね。実際に始まったのは1月からで。ロータス世田谷のYBT終わりで毎週金曜日に一緒にやらせてもらうようになりました」
──その時、宇野選手は斎藤選手への挑戦を見据えていたのでしょうか。
「いえ、単純に僕が考えるコントロールするMMAにシンパシーを感じてくれて、『教えてほしい』という話でした」
──率直にどのように思われましたか。
「どうなんだろうなぁ……。面倒くせぇなって思いました(笑)。チームに入るみたいな話になると、僕は主張が強いですし、なかなか周りとのバランスを取ることが面倒くさいので」
──青木選手は教えるのは好きですけど、自分のペースや感覚を大切にしていますよね。
「そうですね。相手に合わせることはないッ!! 基本的に僕は自分のトレンドや、自分に対して信じているモノがあって──それを伝えているだけなんです。だから、教えているという言い方をすると、話が違うのかもしれないです」
──今回、コントロールするMMAという部分……今も多くの人が素通りすることが多いところを宇野選手が着目して、教えを請うてきたわけですね。YBTのスパーリングを続けてきた仲から一歩踏み込んで。
「そこは協力させてもらいたいと思いましたよね。ただ、そういうことに関して特別な感情はないです。そして、宇野薫に指導することで、自分をブランディングするつもりもない。
だから、このことが公になるのはこのインタビューが初めてだと思います。僕が仕事を受けるのに当たって『好きだから』、『金が良いから』、『後に続くから』という3点を気にかけています。そのうち、どれか一つ当てはまると受けさせてもらうんですが、今回は好きだからやった感じです」
──その好きの対象は?
「宇野選手の取り組む姿勢です。誰でも教えるもんじゃなんいし。認めるものがある……、一生懸命やっているんだなって感じるので。一生懸命、僕が認めるところの一生懸命であるんです。
ちゃんと取り組んでいる。宇野さんは別に格闘技に人生を賭けていないと思います。でも自分で目標を持って、そこに到達するために必死にやっている。そこに嘘がない。それだけで十分じゃないですか」
──なるほどぉ。宇野選手の練習を見ていると、決して覚えが早い方でないと感じます。
「うん、そうですね。何を難しいことをやっているわけでないです。ちゃんとした形、ちゃんと組んで入りましょうと、特別なことをやっているわけじゃない。基本的なことを繰り返しているだけです。
突拍子もないことや、最先端のことをやっているわけじゃない。上手にはなっていると思いますけど、だからといって飛躍的に実力をアップさせるものでもないです。
僕は秘策を与えているわけじゃない。秘策を与えていないことが秘策であって。斎藤戦に関しても、どう攻めましょうだとか、どういう戦略でいきましょうとかは……与えていません。全く」
──タイトル戦が決まる前なら分かるのですが、決まってからも同じようなことを続けてきたのですか。
「そこはまぁ、自分が思うことは伝えています。大まかなことですけど。あくまでも僕は一部であって、コーディネイトをするのは彼なので。
僕、宇野さんのことで見誤っていたことがあるんです」
──エッ、それは?
「宇野さんってゼロからイチを創る人じゃない。これは皆が勘違いしている。見つけてきたモノを自分でコーディネイトして着る人なんですよ」
──おぉ。
「だから僕が必要なんですよ。技術、フィジカル、打撃をやってきて、自分のファッションにする」
──コーディネイト力があるということですか。
「そこが不安なんだと思います。それでも自分で選択していく人なので。クリエイターだと思っていたけど、そうじゃなかった。そこを強く感じました。2月ぐらいに発見したんです。
だから僕は良い服、良いモノを提供する。『どう攻めたらよい?』という問いは当然のようにあります。でも、それはもう宇野さんの感性なんですよ。その感性を僕は信じているし、宇野さん自身がここまでやってきたんだから、信じましょうよってことなんです。
あと2週間(※取材は4月7日)、どう組み合わせるのか凄く楽しみです」
<この項、続く>