【UFC FOX24】勢い落ち気味のステーリング×再評価されつつあるタンキーニョ
【写真】MMAでは寝技のみという展開はほとんど見られなくなったが、やはりタンキーニョの強さは組み技にある(C)Gelidson Venga
15日(土・現地時間)、米国ミズーリ州カンザスシティのスプリント・センターで行われるUFC on FOX24「Johnson vs Reis」のアーリープレリム・メインでアルジャメイン・ステーリング×アウグスト・メンデス・タンキーニョのバンタム級戦が組まれている。
2013年のムンジアル王者、ノーギワールズも2012年と2015年に優勝しているタンキーニョはキャリア5連勝中の昨年2月にLegacy FCでヒカルド・ラモス戦が決まっていたが、急遽代役出場が決まりUFCと契約。初戦でコディー・ガーブラントと対戦しKOを負けを喫している。この時はまだガーブランドの強さが浸透しておらず、打撃に脆くテイクダウンも取れないという評価が下されたタンキーニョだった。
知っての通りガーブランドはその後、トーマス・アルメイダ&水垣偉弥に連続KO勝ちし、ついにはドミニク・クルーズの牙城を崩しバンタム級の頂点に立っている。そんな近未来のチャンピオンに完敗を喫したことで、MMAファイターとしての評価は地に落ちたタンキーニョだったが、今年の1月にはフランキー・サエンツをスプリットで破り、UFC初勝利を挙げた。
この試合では力強いパンチから組んでテイクダウンという場面を3度作り、2Rにはエルボーを効かされ、その後も打ち負けるシーンもあったものの特別打撃を嫌がる様子もなく、正面突破で判定勝ちを手にした。
ガーブラントによって過小評価を受けることとなったが、サエンツ戦で普通に力強いMMAを展開したタンキーニョの相手は、キャリア12連勝から2連敗中のステーリングだ。
全ての打撃がテイクダウンのため、組みつくとバックコントロールにも長けたステーリングだが、昨年5月のブライアン・キャラウェイ戦の2Rからまるでガソリンの切れた車のように動きが落ち、そのまま低速運転で今年の1月にハファエル・アスンソンに完敗を喫している。
この2試合では以前のような打撃を散らしておいて、組んでテイクダウンかバック奪取という良さを見せることなく、12連勝中の強さ、巧妙さは微塵も感じられなくなっていた。
ステーリングの前蹴りやジャブが、以前のような突き放す力を持たないようであれば、タンキーニョの素早い踏み込みから、逆にテイクダウンを奪われる可能性もある。ここでスクランブルでなく、ステーリングがガードを取った状態で寝技を選択すると、タンキーニョが世界を制したグラップリングでステーリングを圧倒することもありえるマッチアップだ。
■UFC FOX24対戦カード
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者]ウィルソン・ヘイス(ブラジル/1位)
<女子ストロー級/5分3R>
ローズ・ナマジュナス(米国/4位)
ミッシャレ・ウォーターソン(米国/6位)
<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ・ソウザ(ブラジル/3位)
ロバート・ウィティカー(ニュージーランド/6位)
<フェザー級/5分3R>
ジャレミー・スティーブンス(米国/5位)
ヘナト・モイカノ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
トム・デュケノワ(フランス)
パトリック・ウィリアムス(米国)
<ライト級/5分3R>
ラシッド・マゴメドフ(ロシア)
ボビー・グリーン(米国)
<フライ級/5分3R>
ルイス・スモルカ(米国/12位)
ティム・エリオット(米国/9位)
<ライトヘビー級/5分3R>
デビン・クラーク(米国)
ジェイク・コーラー(米国)
<ミドル級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
アンドリュー・サンチェス(米国)
<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国/8位)
アウグスト・メンデス・タンキーニョ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ネイサン・コイ(米国)
ザク・カミングス(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)
アシュリー・エヴァンズスミス(米国/13位)