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【UFN34】菊野克紀 「シンプルにただ近づいて、殴るだけ」

2014.01.04

Katunori Kikuno

【写真】計量直後、フルーツやオレンジジュースなどをまずは胃に入れた菊野克紀。マリナベイ・サンズの一室からの眺めも今は目にも入らない!? (C)Susumu POOR-MAN Nagao

4日(土・現地時間)、UFC Fight Night34「Ellenberger vs Saffiedine」でクイーン・マルハーンとUFC初陣を戦う菊野克紀。沖縄拳法空手という武器を手に、オクタゴンに足を踏み入れる菊野は、試合前夜に何を思っていたのか。昨夜、宿泊先のホテルの自室で試みたインタビューをお伝えしたい。

――UFCデビュー戦前日、計量を終えられて今の心境を教えていただけますか。

「凄くリラックスして、減量も凄く順調でしたしコンディションも良いです。リラックスしたムードも作ってもらえているので、明日は自然に試合に臨めると思います」

――宿泊先のマリナベイ・サンズは、このホテル自体が観光地のようになっていて凄く人が多いところですが、落ち着いて試合前の数日を過ごすことはできましたか。

「どうせ来るなら観光で家族と来たいなぁと思いました(笑)。だから、周囲には色んなモノがあるのですが、出歩きたいと思わなかったです。上のプールにも行っていないです」

――試合後も?

「男同士でプールに行っても……(苦笑)」

face off――なるほど。仰る通りかもしれないですね。改めて計量でクイーン・マルハーンをこの目にすると、やはり背が高かったです。

「そうですか?  190センチっていうことで凄く大きなイメージを持っていたのですが、減量で痩せてしまっていたのか思ったほど大きくは感じなかったです。全然、届くなって思いました」

【写真】計量後、フェイスオフでは顔を合わせた両者。菊野の右手の指の開き方……、MMAグローブをつけていてもこのような握り(開き)になっているのか、非常に興味深い。菊野のMMAには浪漫が溢れている(C)MMAPLANET

――おお、それは力強い言葉です。あのリーチを使って前に出てくるのではなく、距離を取られた場合は菊野選手がどのように戦うのか、もの凄く興味があります。

「正直、僕も分からないですね。UFCも初めてだし、190センチの選手と戦ったこともない。分からないのであればシンプルに考えたいです。向こうの方が、手足が長いので僕は近づいて殴る(笑)。それだけを考えています。

まぁ、リーチの長さは違うんですが、そこって意外とどうにでもなるんです。例えば、僕が半歩踏み込めば当たるんですよ。だから、そういう意味ではリーチの差っていうのは気にならないです」

――距離を取られても気にはならない?

「どこかで必ず衝突はあるので。これは格闘技ですから、勝つためには攻撃を仕掛けなければならない。向こうが攻撃を仕掛けてきた時、僕が半歩近づけば僕の距離になります。そこにだけ集中していれば良いと思います」

――あの長いリーチを生かして、テイクダウンから柔術的な動きを仕掛けてきた場合の対処も考えられていますか。

「う~ん、近づいて殴って、組んだら投げて。下になったら立つ。それぐらいの感じです(笑)」

――マルハーンから近づいてくる、菊野選手から近づく。どちらの方が戦い易いでしょうか。

「どちらも一緒ですね。必ず接点はできるので。勝つためには彼も攻めてこないといけない。その瞬間に集中さえしておけば、別に前で出てこようが下ろうが同じです。気にしないです」

――今のMMAにあって、菊野選手の独特なスタイルがプロとしてセールス・ポイントになるという気持ちをもって戦いに臨みますか。

「そうですね、僕はそこを目的としてこの戦い方になったわけではなくて、勝つために空手スタイルを選びました。その結果、興味を持ってもらえることは嬉しいですし、良かったなって思います。これで勝てば、色々と開けて来るでしょうし」

――明日は明らかに大きくなっている相手に、地面を踏まず、腰を回さないパンチで倒す。私の格闘技に関する理解力では、まだまだ理解しきれない……本当に不思議な菊野選手のパンチが炸裂することを期待しています。

「ありがとうございます。僕もこの空手に出会うまでは分からなかった世界なので、この感動を少しでも皆さんと共有できたら凄く嬉しいです。近づいて、殴ります(笑)」

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