【UFN34】川尻達也 「アルドとの世界戦のつもりで仕上げてきた」
【写真】盟友・桜井隆多と、ダブルマッソーで決める川尻達也(C)Susumu POOR-MAN Nagao
4日(土・現地時間)、UFC Fight Night34「Ellenberger vs Saffiedine」でオクタゴン・デビューを果たす川尻達也。公開計量を終えたばかりの川尻に、試合前日の心境を語ってもらった。
――計量を終えて、今の心境はいかがですか。少し、疲れていたようにも見えましたが。
「いえ、今までで計量も一番楽でした。ホテルにバスタブがなくて、ちょっと焦っていつもより落していたのと、1ポンド・オーバーまで大丈夫だから、これまでより1.2キロ重くても良かったので。代謝を上げていたので、風呂に30分入るぐらいで1.5キロとか落ちていましたし。これまでで一番汗が出やすくて、水抜きもしやすかったです」
――現地入りは大晦日?
「ハイ、午後6時ぐらいですね。その夜は、バンバン花火が上がっていたみたいですけど、疲れて寝てしまって。着いた時は調子は悪かったんですけど、次の日に(桜井)隆多さんと練習して汗をかいたら、体も気持ちも軽くなり、いつも通りのコンディションに戻りました」
――2011年4月に米国で試合をしたときは、心身ともに違うと?
「全然、レベルが違います(笑)。あの時は米国とかっていうことでなく、心が参っていたんで。あの時と比較すると、東京でやるのと変わりないです」
――ハクラン・ディアスからショーン・ソリアーノに対戦相手が代わったことで、何か影響はありましたか。
「あんまり関係ないですね。僕は対戦相手によって作戦は変えなくて、自分のやりたいように攻め続けるだけなので。ハクラン・ディアスだろうと、ソリアーノだろうと自分のやりたいことをやるだけで、作戦は全く変わりないです。ただ、相手によって注意すべき点が変わってくるということだけです」
――ソリアーノに対して、気をつけるべき点とは?
「ハクラン・ディアスならスクランブルの展開だったのが、ソリアーノだとヒザとかロー、ミドルとか鋭い蹴りがあることですね。飛びヒザとか、一発を気をつけて戦わないといけないです」
――最短距離で世界王座を目指すうえで、UFCデビュー戦のソリアーノに対戦相手が代わったことで、勝ち方などで拘る部分はありますか。
「王座がどうこうっていうことよりも、ボーナスが欲しいので勝ち方は拘ります。ファイト・オブ・ザ・ナイトもとりたいですけど、競り合わないともらえないので、そういう試合はしたくないし、ノックアウトかサブミッション、最低でもボーナス一つは貰いたいと思っています。そのためには圧倒的というか、アッと驚かせる勝ち方をしないといけないと思っています」
――打撃をきかして、サブミッションという方法がボーナスの競争率を考えると、有効になってきますね(笑)。
「そうですね。川ちゃん固めを極めたいです」
――ソリアーノと計量の席で対面して、何か感じられるものはありましたか。
「若いですし、勢いがありますね。怖さを知らないから、怯まないです。それはトップ選手が若い頃、誰もが通ってきた道ですし、僕にもそういう時期があった。ただ、向かいあっただけで強いということは分かりました。強いか、強くないかぐらいは計量で向かい合うと分かります。
キャリアが10戦に満たないといっても、どれだけ強い選手もそういう時を経て来ているわけですから。ここから昇っていくか、落ちていくかという違いだけなので、全く油断はしていないです。ジョゼ・アルドとタイトルマッチをやるつもりで仕上げてきたので、絶対に負けるつもりはないです」
――ソリアーノからすると、UFCデビューと川尻戦と、千載一遇のチャンスを手にしたことになります。
「本当に失うモノは何もないから、全てを僕にぶつけてくるでしょう。そこを受け流すつもりはなく、全て潰して、自分が飲みこんでやります。っていうか、それしかできない。僕は器用なことはできないので」
――ところで、モールという場所での公開計量は如何でしたか。
「DREAMの新宿スクエアと変わりないですよね(笑)。米国本土の大会は計量から凄い雰囲気だと聞いているので、勝ってしっかりと本土に乗り込みたいと思います」
――では、公式行事を終えてもUFCに来たという実感は?
「今のところは、それほどないです。OFCの時とそれほど変わりない。ただし、得るモノはデカいです。裏で『ボーナスがいくらだっ』とか話がでると、もうテンションもメチャクチャ上がります。ガンマとオクトパス、他にも新必殺技があるので狙っています。3つ用意しているので、どれか出せれば良いと思っています。
戦うだけでなく、UFCに必要とされる人間になりたい。そうでないと負けて切られるだけ。こっちがUFCに求めるだけでなく、UFCに求められるようにならないといけない。それは日本人ファイターとして、UFCに対して思っていることです」