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【Shooto】環太平洋ライト級王座決定戦。高橋遼伍のローに対し、平川智也の選択は?

takahashi-vs-hirakawa【写真】ともに初めてのタイトル戦となる高橋と平川。MMAにおいてテイクダウンのあるなかの打撃、打撃のなかのあるテイクダウンでいかに優位を保つかに注目したい (C)GONGKAKUTOGI

12日(土)、東京都文京区・後楽園ホールで開催されるプロフェッショナル修斗公式戦「環太平洋ダブルチャンピオンシップ」。今大会では2階級の環太平洋王座決定戦としてチャンピオンシップが組まれ、ライト級(65.8キロ)では平川智也と高橋遼伍が対戦する。


斎藤裕の世界王座獲得に伴い、空位になった環太平洋王座を争うことになった平川と高橋。両者ともに今回が初のチャンピオンシップ出場となる。ランキング3位の平川は五味隆典が代表を務める久我山ラスカルジムで格闘家の道を志し、キャリア初期はパンクラスで活躍。2014年からは修斗を主戦場とし、VTJを含めて5連勝を記録してチャンピオンシップの切符を掴んだ。

対する高橋はランキング6位。この数字だけを見れば平川よりも下位になるが、土屋大喜に勝利した実績があり、西浦“ウィッキー”聡生や高谷裕之といったトップファイターたちとも拳を交えた経験が光る。こちらも連勝中でチャンピオンシップまで勝ち進んだ。

平川・高橋どちらも打撃に比重を置いたファイトスタイルながら、そのタイプは異なる。平川は師匠・五味を思わせるサウスポー&ワイドスタンスでパンチとテイクダウンのプレッシャーをかけていくことでペースを掴む。一方の高橋はテイクダウンを織り交ぜるというよりも、テイクダウンディフェンスやスクランブルを軸にストライキングの強さで相手を削っていくスタイルだ。

なかでも注目してもらいたいのがローキックを巡る攻防だ。高橋の打撃の中で最も目を引くのが相手の太ももではなく、相手のふくらはぎを狙う独特のローキック。元UFC世界ライト級王者のベンソン・ヘンダーソンが王座戴冠時に多用していた技で、高橋曰く「太ももよりも膝下の方が筋肉が小さいから、そこを蹴った方が効くと思って始めた。絶対にベンソンよりも俺の方が先にやっていました(笑)」とのこと。

ローで相手の前足を削ってパンチで仕留めるのが高橋の必勝パターンで、今回も「いつも通りローキックで削ってパンチで倒す」と宣言している。このローをどう対処するかが平川にとっては重要となるが、ダブルレッグなどのテイクダウンを意識した広いスタンスの構えでは膝を上げて蹴りをカットすることは難しい。

しかし、それは立ち技に限ってのことで、テイクダウンがあるMMAとなれば、テイクダウンのプレッシャーをかけることで間接的に相手にローをディフェンス=蹴らせないことも出来る。さらにいえば平川の師匠・五味はワイドスタンスの構えで相手にローを狙われることもあったが、そこにパンチを合わせる技術にも長けていた。この試合に向けて平川に策を授けているに違いない。

高橋のローキックを巡る攻防がどちらにとって試合を有利に進めるものになるのか。両陣営がどんな対策を練っているのかにも注目したい王座戦だ。

■Shooto 対戦カード

<環太平洋フェザー級(61.2キロ)王座決定戦/5分3R>
岡田遼(日本)
石橋佳大(日本)

<環太平洋ライト級(65.8キロ)王座決定戦/5分3R>
平川智也(日本)
高橋遼伍(日本)

<57.6キロ契約/5分3R>
漆谷康宏(日本)
田丸匠(日本)

<フェザー級/5分2R>
藤原敬典(日本)
じゅん(日本)

<フェザー級/5分3R>
猿丸ジュンジ(日本)
小堀貴広(日本)

<フェザー級/5分3R>
安藤達也(日本)
ケビン・クルーム(米国)

<ウェルター級/5分3R>
岡野裕城(日本)
児玉京大(日本)

<ライト級/5分2R>
齋藤翼(日本)
ハンセン玲雄(日本)

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