【Grand Slam BJJ】69キロ級準優勝、杉江アマゾン大輔 「我慢をする──試合って人生に似ている」
【写真】チアゴ・ブラボ戦を前に入場ゲートで精神を集中する杉江(C)MMAPLANET
10月23日に埼玉県深谷市のビッグタートル深谷で開催されたUAE Jiu Jitsu Federation主催Abu Dhabi Grand Slam Jiu-Jitsu World Tour TOKYOで、69キロ級準優勝となった杉江アマゾン大輔。
8月にワールド・マスター3位、9月にはアジア選手権フェザー級で優勝している杉江は今大会、決勝でチアゴ・ブラボにレフェリー判定1-2で敗れ準優勝という結果だった。
試合タイム6分、前日計量の同大会に岐阜より泊りがけでやってきて、表彰式後は一目散に帰路につく。盟友・細川顕はソウル・オープンのライト級を制した同じ週末にグランドスラム柔術に出場した意図、そして得たモノとは何だったのかを杉江に尋ねた。
──決勝はレフェリー判定2-1で敗れ2位。この結果に関しては、どのような気持ちですか。
「やはり悔しいという気持ちはあります。ただし、明確にパスガードにいけなかったしガードに捕まったということもあり、判定に関して不服はないです。自分がどれだけできるかという部分があって出場したので、ワールドプロ3位の相手と戦えて出場した甲斐がありました。
結果は結果で受け止めています。2-1ということは1人は僕の勝ちにしてくれたので、そういう風に見てもらえる試合ができて良かったです」
──序盤はハーフから足を抜こうとするところで、スイープを合わされそうになるという展開があり、そのあとはなかなかパスを狙えなくなったような感じでしょうか。
「ちょっと一筋縄ではいかなかったです。でも、何度も繰り返してトライし、点を取らないといけないとは思っていました。それでもラペルガードに捕まってしまって打破できなかったですね」
──UAEの柔術クラブ所属のブラジル人選手は、相手の動きを止めるのに長けているように感じました。
「途中から捕まってしまって、そこからは難しかったですね」
──初戦は送り襟絞め、2回戦のチャールズ・ガスパー戦は腕十字で一本とアジアに続きタップを奪いました。
「せっかくの大きな大会なので、自分がどれだけできるかを試してみました。細川が韓国で優勝しているし、勝ちたかったけど終わってから、『勝っていた』と言ってもらえたりして満足感はあります。成果的にもソコソコ得ることはありました。
淡々とこなしてはいても、試合はやはり大変なので。ああいう強い選手とレフェリー判定までいって、最後まで諦めずに戦えたことも良かったと思います。6分間というのも、柔術を深く掘り下げていくときに、この時間で戦うのも大切だと思います。
僕の場合はIBJJFルールのトーナメントに出ることが多かったので、アブダビのルールでああいう相手と競ることが重要だと思って出場しました」
──10分の戦いのために6分の戦いを経験しておくということは?
「う~ん、柔術は全て柔術なので。10分でも6本でも一緒です」
──6月のムンジアルから7月は全日本、8月のワールド・マスター、9月のアジア選手権と毎月のように試合に出てきました。
「後悔しないように。やるからには本道を突き進みたいので。ただ、少し休みたいです(笑)。でも、すぐに戦いたくなるんですよね。我慢をする──試合って思い通りにいかないのが人生に似ていて……」
──深いですね。
「もちろん努力したことが叶うこともありますし、今日のような結果もある。そこも含めて悔いなく戦う。それが僕が皆に見てもらえることだと思っています。
試合に出ると勉強になりますし。今日の試合も、勝利は狙っても経験を積むという狙いもありました。本当に勝ちにいった結果、差も理解できました。ブラボーのような強いに勝ちにいく姿勢を持ち続けることができたし、これからの自分を奮い立たせることができる試合になりました」
──それこそ、アマゾン選手の柔術人生なのですね。
「変わらずに頑張る──というか、まぁ好きなコトをやっているわけですし。それでも自分を追い込み過ぎずに……楽しんで突き進もうと思います」