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【UFC202】ガーブラントの勢いを受け止める経験値で、勝負。水垣偉弥、大逆転へのシナリオ

Mizugaki【写真】一発貰っても、こんな余裕綽綽な顔ができるに違いない。怖さを感じない──それが水垣の最大の武器であること、ガーブラントとショーン・シェルビーに見せつけてやりたい(C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催するUFC202「Diaz vs McGregor 2」。既に計量を終え、明日を待つばかりとなった我らが日本のエース=水垣偉弥だが、UFC大プッシュのコディー・ガーブラント戦は本人も認めるように厳しい試合が予想される。

現地入りしてからの水垣のインタビューにある通り、ガーブラントはKOパンチを持つうえに、打撃からテイクダウンをも得意としているウェルラウンダーだ。遠距離というよりも中間距離で上体を振って、対戦相手に的を絞らせない。左のフックもKOパワーを秘めているが、この左を使って対戦相手の視界を塞いで、右ストレート。あるいは一気に踏み込んでアッパーなども得意としている。

さらにいえば、リズムが取れないと見ると高い位置への蹴りを使って相手との距離を作り直し、上体を反らせて重心を高くするとテイクダウンを狙ってくる。あるいは相手が下がると、さらに踏み込んでオーバーフックを振っていくのも彼の常套手段だ。

つまり中間距離からの攻撃で相手を倒す、今のUFCで最も求められている華のあるファイターといえる。そんなガーブラントに対し、絶体絶命に水垣は何をすべきか。これはもうパンチ勝負しかない。水垣のフックを見る眼は確かだ。なので気を付けたいのは、右ストレートとオーバーハンド、さらにアッパーという中間、遠距離、そして接近戦での右の三重奏。ただし、上体を振って頭を揺らしている点ではこれらの攻撃はない。そして、ここから距離を詰めてきた時──そこで前に出るとガーブラントの思うつぼ。

もちろん、真っ直ぐ下がるわけにはいかない。右にやや回って、ガーブラントがそこに対応した時、一気に距離を詰めたい。水垣はWECとUFCで挙げた10勝でTKO勝ちは1試合のみ。パンチャーだがフィニッシュ率は低い。そこをガーブラントは侮って来るに違いない。KO勝ちがなくても、水垣のパンチは痛い。そして、見ている距離でのパンチなら水垣が打撃に怯むこともない。

さらにいえば、自分のパンチ一発で試合が終わるとも考えていない。当ててもガーブラントが前に出てくることを承知で、この局面をチャンスとして受け入れることができる。ガーブラントは過去に頭をあげて打撃戦に応じた相手はヘンリー・ブリオネスぐらいだった。そうキャリア10連勝中の彼が唯一フィニッシュできず、判定に持ち込まれた一戦だ。

あの試合での勝因はテイクダウンから疲弊させたこと。純粋に打撃戦を見れば左ジャブを何度も被弾している。そこでテイクダウンを織り交ぜる巧さをガーブランドは有しているが、水垣はドミニク・クルーズに虚をつかれた過去がある。全盛期のユライア・フェイバーと真正面から対峙している。経験などという数値に表れない部分に頼ってもしょうがないという向きもあるだろう。

ただし、水垣はガーブランドが経験したことのないプレッシャーや、スピードを既に何度も経験している。ここ一番、キャリアの大逆転を賭けた一戦でその強みが生きない──などと誰も断言できまい。


■UFC202 対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ネイト・ディアス(米国/※ライト級4位)
コナー・マクレガー(アイルランド/※フェザー級王者)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・ジョンソン(米国/1位)
グローバー・テイシェイラ(ブラジル/2位)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/※ライト級6位)
リック・ストーリー(米国/9位)

<ウェルター級/5分3R>
イム・ヒュンギュ(韓国)
マイク・ペリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
サバウ・ホマシ(米国)
ティム・ミーンズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント(米国/8位)
水垣偉弥(日本/11位)

<女子バンタム級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国/8位)
エリザベス・フィリップス(米国)

<フェザー級/5分3R>
クリス・アヴィラ(米国)
アルテム・ロボフ(ロシア)

<女子ストロー級/5分3R>
コートニー・ケイシー(米国)
ランダ・マルコス(カナダ/13位)

<ウェルター級/5分3R>
ロレンツ・ラーキン(米国)
ニール・マグニー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
コルビー・コビントン(米国)
マックス・グリフィン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アルベウト・ウダ(ブラジル)
マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)

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