【Metamoris07】IBJJF世界王者マルファシーニ、グローバーのヒールを凌ぎ──この試合もドロー
<ノーギ/20分1R>
ジェフ・グローバー(米国)
Draw.
ブルーノ・マルファシーニ(ブラジル)
一見、ジェフの大きさに驚かされる。後方回転、横回転、前転、お尻を向けるジェフ。ブルーノが背中に飛び乗ると前転して防いだ──と思われたジェフだがマウントを許す。ブレイク後、マット中央で再開すると足を戻したジェフにブルーノが足関節を仕掛ける。ヒールで切り返したジェフ、足を引き抜いたブルーノがスタンドへ。
立ちの状態から、何もせず足を延ばして寝転がったジェフ。スイープ・ガードとでも言ったところか。ニーインベリーのブルーノが、サイドに戻り枕で固める。離れたジェフは三点倒立。立ち上がってバックを譲りそうになり、前転からガード。足の取り合いでトップを取ったブルーノが一気に頭をこえて腕十字へ。
背中をマットにつけたジェフが、足を差し入れて防ぐことに成功する。三点倒立から仰向けに寝そべったジェフのサイドを取り、バックから頭を刈って腕十字を狙うブルーノ。これも逃げたジェフはブルーノのシッティングに飛び込み、スイープを仕掛けられるとギロチンへ。ブルーノは苦も無く防ぐ。
ジェフの側転パスは、もはやパスでなくただ側転をしているような感じだが、とにかくサブミットされない点に集約しているだけに、攻めの選択肢はいくらでも広がる。スタンドで背中を向けて歩くジェフ、シッティングを取ったブルーノにも尻を見せる。ブルーノは起き上がって一気に背中に飛び乗る。前転したジェフに足を入れようとするブルーノが、ワンフックでバックに。そのままトップに移行してサイドから腕十字。
体を並行にしたジェフが右腕を引き抜く。ダブルガードでなく、ダブルシッティングでお見合いをする両者。ブルーノが立ち上がり、シザースを狙うジェフとの距離を取る。ジェフはデラヒーバフック、横回転で抜いたブルーノにヒザ十字を狙うが、この攻防で足関節が一気に極まるとは考えられない。
ジェフのヒールをロールして防いだブルーノ。両者スタンドに戻ると、ブルーノが座ってシントゥシン・ガードからヒールフック。足を抜いたジェフが立ち上がる。足関節狙いで飛び込んだジェフ、ブルーノは50/50。すかさずヒールを仕掛けたジェフが、これまでよりもタイトにフックしたか。
これも防いだブルーノがデラヒーバから回転して、ヒールへ。立ちがったジェフはストレートフットロックからヒール。ブルーノもヒールを仕掛ける。IBJJFで8度の世界王者が、ノーギで普通にヒールを掛け合う──これこそ世界最高峰の柔術家の姿だ。
立ちの展開からジャンピングガードを見せたジェフ、すぐにガードを割ったブルーノ。ジェフは50/50&ヒール、バックを狙ったブルーノにトゥホールドを仕掛ける。試合はこのまま両者譲らず、タイムアップ。ブルーノは「ジェフが何をやってくるかは分かっていた。一本を取れなくて、申し訳ない。2度、アームバーが良い感じで入ったけど……。ヒールにしても、とにかく防御が固くて難しいよ」とヒザに手をやりながら語った。対してジェフは「ブルーノは過去5年、道着柔術のベストファイター。レッグロックを狙った。彼はIBJJFガイだから、ディーン・リスターのスタイルで戦ったんだけど……深く入ったこともあったけど、彼は笑っていたよ。最初の10分はよく動けたけど、最後の5分はしんどかった。ヒーロン・グレイシー、キープ・イット・プレイフルでいたいけど時にはリアルにも向かい合わないとな」と語った。