【ONE41】意地を見せたV.V meiだが終盤を落とし、アンジェラ・リーが初代ONE女子アトム級王者に
<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)王座決定戦/5分5R>
アンジェラ・リー(シンガポール)
Def.3-0
V.V Mei(日本)
間合いを測る両者、まずはリーが左ローを蹴り込む。V.V Meiの左ローにワンツーを軽く合わせたリーの左フックは空振りに。V.V Meiは右ロー、リーのミドルをキャッチしてボディロックに持ち込むもリーがケージに押し込む。左腕を差したV.V Meiはボディへヒザ蹴り。続いて右腕を差して左ヒザをボディに入れる。離れたリーの右ハイをキャッチしたV.V Mei。ここでリーがジャンピングガードからスイープ、そのままマウントを取ってパンチを落とす。
スクランブルから立ち上がったV.V Meiだが、リーはギロチンに捉え引き込んでボディトライアングル。V.V Meiは時間を賭けて頭を抜きに掛かる。ヒジが上がり過ぎてルーズになったギロチン、V.V Meiが足を一本抜いてハーフからパンチを落とし、頭を抜く。そのままパウンドを落としたV.V Meiは、リーの腕十字を防ぐ。蹴り上げに立ち上がったV.V Meiがサッカーボールキックを狙ったところで初回が終わった。
2R、ワンツーを放つリー。V.V Meiは左ミドルハイを返す。続いて右オーバーハンドを振るったV.V Meiが組みつく。がぶったリーが小外掛けも、倒されたV.V Meiがそのままリバーサルを決めてトップへ。左のパウンドを落としたV.V Meiが、思い切り右の拳を落とす。リーのラバーガード狙いも余裕を持って防いだV.V Meiは左パンチ、続いて肘をボディに押し付け、上体を起こすとパンチを落としていく。
それでもリーは腰を切って腕十字へ。V.V Meiが左の鉄槌を落として立ち上がる。十字を解いたリーの草刈スイープに尻餅をついたV.V Meiはすぐに立ち上がり、クリンチからテイクダウンに成功する。残り80秒、左右のパウンドを落とすV.V Meiに対し、リーはガードからエルボーを見せる。起き上がって左右のパンチを落とすV.V Meiが、続く腕十字にも対応し勢いのある左パウンドを顔面に打ち込む。リーが上体を起こしてダブルレッグ、V.V Meiはギロチンで受け止めて後方回転からスイープ、そのまま絞め続け流れを変える2Rとした。
3R、リーにとって未知のラウンド。開始直後にV.V Meiの右フックがモロにリーの顔面を捉えダウンを奪う。懸命にガードを取り、起き上がろうとしたリーを潰したV.V Meiが右のパンチの連打から、マウントを奪取する。そのままパンチを落としたV.V Meiは、腕十字へ。起き上がったリーは左腕が伸び掛けながら引き抜くと、バックに回ってRNCを狙う。仰向けになったV.V Meiからマウントを取ったリー。V.V Meiは腰を押してマウントを解除する。リーがガードの中からエルボーを入れるが、V.V Meiが再び腕十字からスイープに成功する。
ガードに戻したリーが腕十字。ヒジを張って防いだV.V Meiはヒザ十字へ。起き上がったリーが右のパンチを落とす。V.V Meiは蹴り上げからスクランブルに盛り込む。しかし、リーはここでダースチョークの態勢に入り、ヒザを頭部に蹴り込んでいく。残り1分、ロールし足を入れたリーがトップへ。そのままマウントを取り、起き上がって来たV.V Meiをギロチンに捉える。V.V Meiも足を取って立ち上がると、ニンジャチョークに対しボディにパンチを見舞っていく。ここでタイムアップ。後半盛り返したリーだが、ダメージという観点から試合を見るとV.V Meiが取っておかしくない5分間だった。
4R、サウスポーに構えたV.V Meiがオーソに戻して組みつくが、リーが逆にテイクダウンを奪う。ガードの中からエルボーを入れたリーは起き上がってアキレス腱固めへ。内ヒールに切り替えようとしたリー、途中でトップ狙いに切り替えマウント&肩固めへ。腰を押したV.V Meiは、足を戻していくがリーも左に体をスライドさせ絞め続ける。右のパンチを見せるV.V Meiは、何とギロチンに捉えられたままでブリッジでリバーサルに成功する。するとリーは三角狙い。ここを足首を持って耐えていたV.V Meiに対して、リーは素早く足を組み替えて三角をセットアップ。
右に回ったV.V Meiは担ぎから頭を引き抜くが、リーが同時に立ち上がりダブルレッグを決める。すぐに上体を起こしてシングルに出たV.V Mei、リーはここでもギロチンへ。V.V Meiはサイドを取って防御。ここでラウンド終了となり、リーが再び攻勢点を取り返した。
最終回、判定を考えると絶対に下になりたくなくV.V Meiはどのように試合をマネージメントするか。連打を見せ左を入れたV.V Mei。リーは左フックを返す。左を再び決めたV.V Meiに対し、左ミドルを蹴り込んだリーが組みつく。離れたリーがワンツー、V.V Meiの左に対し、ハイキックを狙う。V.V Meiも右を振るうが、スタミナ的に厳しいか軸が乱れそうになっている。ここでボディロックからテイクダウンを許したV.V Mei、リバーサル狙いも潰されパスを許す。
右腕を差したV.V Meiに対し、足で頭を越したリーは横三角へ。残り90秒、アームロック狙いを防ぐV.V Meiは頭を抜きに掛かるも、リーはトップキープを選択。そのまま逆サイドに回り肩固めへ。耐えるV.V Meiだが、リーは極めよりも抑え込み重視。結果、このまま試合を終えたリーが判定勝ちを収め、初代ONE世界アトム級王座に就いた。
新チャンピオンは涙を見せ、「この勝利を両親に捧げます。2人がいたから私は今、ここにいることができる。チーム・ユナイテッド、イヴォルブMMAの皆に感謝している。そして、メイに感謝している。攻めて、攻められる凄い試合だった」と語った。
アンダードッグとしてシンガポールに乗り込んだV.V Mei、意地のファイトを展開したが、4Rと5Rを押し切られ王座奪取に失敗。リーは無敗の勢いを一度は止められながら、勝負を持ちなおした。その素性の良さと英才教育によりテクニックが身についている強さが彼女をチャンピオンに導いた。