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【UFN82】元祖カラテキッド=トンプソンが、不安の多い前世界王者ヘンドリックス戦へ

Stephen Thompson【写真】ド派手な蹴りとは対照的に地道に白星を積み重ね、前世界王者との対戦に辿り着いたスティーブン・トンプソン(C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナでUFC Fight Night 82「Hendricks vs Thompson」開催される。

ご存じのように同大会は本来UFC196として、メインでUFC世界ヘビー級選手権試合=ファブリシオ・ヴェウドゥム×ケイン・ベラスケス戦が組まれていたPPVイベントだった。しかし、ベラスケスの負傷欠場で挑戦者はスタイプ・ミオシッチに変更され、王者もならば──負傷をおして出場できないと申し入れたことで、UFC史上初PPV大会が直前でFight Night大会に変更され、FOX Sports1での中継に切り替わってしまった。

代替メインはウェルター級5回戦、ジョニー・ヘンドリックス×スティーブン・トンプソンの一戦だ。前UFC世界ウェルター級王者ヘンドリックスは、昨年10月にタイロン・ウッドリーと対戦予定だったが、尿路結石と腸閉塞で計量直前に病院に担ぎ込まれ欠場しており、どうしても普段の体重が重すぎるという見方がされている。

加えて5Rの長丁場を戦うスタミナを現行レギュレーションで備えているのか──も危惧されているヘンドリックスだ。対してトンプソンはアメリカン空手の第一人者からキックボクシング──20戦20勝0敗──を経て、MMAへ転向。現時点で11勝1敗という好成績を残している。UFCではマット・ブラウンに敗れたものの評価急上昇のロバート・ワイタッカー&パトリック・コーテ、そしてジェイク・エレンバーガーらを破っており、6勝1敗。現在5連勝中だ。

今やUFCのカラテキッドはセイジ・ノースカットのイメージが強いが、打撃自体の実績でいえばトンプソンがずっと上だ。サイドキックや回転系の蹴りが主武器のトンプソンは、独特の間合いの持ち主であのGSPをして、「打撃だけなら世界イチ」と言わしめたほどのストライカー。当然、この一戦はヘンドリックスのテイクダウンとトンプソンのアメリカン空手の勝負、つまりいかに倒すか、倒されないかという戦いになる。

加えてテイクダウンが軸にあるヘンドリックスの打撃とトンプソンが倒された時にスクランブルにすぐに持ち込むことができるかという点も勝負の鍵を握ってくる。そして、スクランブルだけでなくスタンドでのプレッシャーの掛け方、相手のプレッシャーのそらし方で、如何に削られていくのか。つまりスタミナ勝負という見方もできるメインイベントとなろう。

■ UFN82対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ジョニー・ヘンドリックス(米国/2位)
スティーブン・トンプソン(米国/8位)

<ヘビー級/5分3R>
ロイ・ネルソン(米国/11位)
ジャレッド・ロショルト(米国/12位)

<ライトヘビー級/5分3R>
オヴァンス・サンプレー(ハイチ/6位)
ハファエル・フェイジャオン(ブラジル/13位)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国/1位)
ザック・マコウスキー(米国/8位)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミシャ・サークノフ(ラトビア)
アレックス・ニコルソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・パイル(米国)
ショーン・スペンサー(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョシュ・バークマン(米国)
KJ・ヌーン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国)
ダミアン・グラボウスキ(ポーランド)

<フライ級/5分3R>
レイ・ボーグ(米国/11位)
ジャスティン・スコッギンス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ノード・ラハット(イスラエル)
ディエゴ・リヴァス(チリ)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガウ(米国)
マイク・ジャクソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレックス・ホワイト(米国)
アルテム・ロボフ(ロシア)

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