【European Open 2016】嶋田裕太 「ムンジアルで勝つためにヨーロピアンに出場します」
【写真】世界柔術茶帯ライトフェザー級の挑戦を目指す、嶋田の1年が始まった(C)MMAPLANET
ポルトガルのリスボン、パヴィラォン・ムルチウソス・ジ・オジヴェラスで20日(水・現地時間)から24日(日・同)まで開催されるヨーロピアン・オープン柔術選手権。
ワールド、パンに次ぐ規模の国際式トーナメントには世界を目指す密度の大会柔術家が日本から参加することで知られている大会だ。
芝本浩司、岩崎正寛ら黒帯柔術家だけでなく、茶帯でも3年連続ワールドで表彰台に乗っている嶋田裕太が出場する。世界を取るためのヨーロピアンに挑む嶋田の意気込みを訊いた。
──RIZINのグラップリングトーナメントで優勝し、その賞金でヨーロピアン出場を決めたと伺いました。
「い、いえ、その前から出ることは決めていました。去年のムンジアルが終わった直後から、今年は積極的に海外で試合がしたいと思っていたんです。これまでは1年に1度、ムンジアルという最高の舞台に、その1年間やってきたことをぶつける──挑戦するという感覚でした」
──その挑戦方法を今年は改める?
「ハイ、今年はムンジアルという最高の舞台に出る前にレベルの高いトーナメントで自分の現状を見極めたいと思います。ヨーロピアンだけでなくパン柔術も出るつもりです。そこには必ずムンジアルに出てくる強豪が出場してくるので。もちろん、ムンジアルには欧州やパンに出てこなくて強い選手がパッと出てくることがありますが、ムンジアル一発という緊張感がこれまでにはあったと思います。
その緊張感が良い方向に出ていたかもしれないですが、今年のムンジアルは自信をもって挑みたいんです。その自信を得るためにまずヨーロピアンに出ます」
──ヨーロピアンの茶帯にも、それだけ強い柔術家が出場してくるものなのですか。
「僕個人のヨーロピアンの印象は、平均的なレベルはパン柔術よりも低いというものです。ただ、ムンジアル王者のような強い柔術家がポッと出ています。今回もなかなかの面子が揃っていますし」
──気になる選手は?
「去年のヨーロピアンを取ったスペイン人のマニ・タバネスというアリアンシの選手がアリアンシ・インターナショナルから出場しています」
──おぉ、同門じゃないですか。目指すは決勝でクローズドですか(笑)。
「するわけないじゃないですかッ(笑)。僕はネクサセンスですから」
──ハハハ、いずれにせよヨーロピアンに出場するのは、今年のワールドで頂点を目指すという強い気持ちの表われなのですね。
「ハイ。そうです。去年は茶帯で初挑戦。紫帯の時はブラジレイロで結果を残してムンジアルだったので、何となく掴めていました。でも、去年のムンジアルでは大半の選手が分からないし、全てにおいて挑戦でした」
──マイキー・ムシメシもいないので、逆にいえば取らないといけないというぐらいの意気込みでは?
「時は来たって感じです」
──ヨーロピアンのあとにNYへ行くとも聞いています。
「ハイ。去年の6月にマルセリーニョのところで練習させてもらってから、以前はあれだけ見ていた柔術の動画ももうマルセリーニョ、MG in Actionしか見なくなりました。やはり僕のなかでは、自分に合っていると思います」
──もうマルセリーニョにしか教わりたくないと?
「そんなことは一言も言っていないです!! 」
──ネクサセンスの練習もTeam OTOKOGIのグラップルも、トライフォースのコンペティション練習も何でもない?(笑)
「いえいえいえ、日本で一番の練習をさせてもらっていると思っています。本当に(苦笑)。全ての練習でそれぞれのテーマをもって臨んでいるので。全ての練習後に日記もつけていますし。そういう意味で、この間やってきたことをぶつけるのがNYでの出稽古です。ただ、その前にヨーロピアンで戦って、何を持ち込めるかでNYでの練習も変ってくると思います。
この夏から試合スタイルも変えてきました。日本でノーギの試合を戦ってきてですが、手応えは感じています。アジアの時はまだ、そこまででなかったので今回、道着有りだと初めてスタイル変化した自分をぶつけることができるので」
──ちなみにスタイルはどのように?
「マルセリーニョのように……」
──なるほど(笑)。ムンジアルのためのヨーロピアン、結果とともに充実した内容になることを期待しています。
「ハイ。結果も大切ですが、ムンジアルのためなので1回戦からでも優勝するような強い選手と戦ってきたいです。1人でも多く強い人と戦うヨーロピアンにしたいです」