【PJJC2022】まさにプレ・ムンジアル。フェザー級=嶋田裕太を待ち受ける、超難関・棘の道
【写真】ここまで実戦経験を積んで、パン~ムンジアルに向かうのは紫帯以来か(C)SATOSHI NARITA
パン柔術選手権が6日(水・現地時間)から、フロリダ州キシミーのシルバー・スパーズ・アリーナでスタートを切り、10日(日・同)まで開催されている。
世界の強豪が集結し、6月の世界大会の行方を占う上でもきわめて重要なこのパン柔術。プレビュー第2回はフェザー級と嶋田裕太に焦点を当てたい。
橋本知之と並ぶ日本のもう一人の雄、嶋田裕太もまた以前より一階級上げてフェザー級にエントリーしている。NYのマルセロ・ガウッシア道場で長期修行中の嶋田は、今年に入って精力的にローカル大会に参戦しているが、いずれもフェザー級での出場だった。オクラホマ・オープンでは優勝、続くアトランタ・ウィンターオープンでは決勝でケネディ・マシエルに敗れて準優勝、インディアナポリス・オープンで優勝し、チャールストン・オープンでは、決勝において前大会で辛勝したマティアス・エステヴァンにレフェリー判定で惜敗するも、常に表彰台に上がる好成績を収めてパン大会を迎える。
そんな嶋田が挑む今回のフェザー級だが、ライトフェザー級にも増して超強豪がズラリと顔を揃え、世界大会にも劣らないほどの超激戦区となっている。
嶋田の初戦の相手は、黒帯になって日の浅いGFチームのティエリー・ファリア。まだ目立った実績は挙げていない選手だけに、ここは落としたくないところだ。
次のベスト16での相手が、アレクサンドロ・ソドレ。19年のブラジレイロと世界大会の両方で嶋田に連勝した天敵だ。特に世界大会では4度のスイープを決めて8-2での完勝。当時はライトフェザー級だったが、近年は階級を上げフェザー級、さらにはライト級でも戦うソドレは、今大会嶋田が挑む最初の大きな壁となりそうだ。
この難敵ソドレにリベンジを果たした場合、準々決勝で嶋田を待っているのは、色帯時代のライバルでもあるアイザック・ドーダーラインになる可能性が高い。黒帯としても19年ブラジレイロや20年のヨーロピアン制覇という大きな実績を挙げており、世界大会では常に優勝候補の一人として数えられる超強豪だ。
嶋田がここもクリアできたとして、おそらく準決勝で待っているのは昨年のライトフェザー級世界王者パトことジエゴ・オリヴェイラだ。その世界大会の2回戦では嶋田と対戦し、変幻自在のガードゲームで終始ペースを握って4-2で完勝している。このパトこそは現時点における真の世界最高峰、嶋田にとっては恐るべき厚い壁だ。
もう片方のブロックを制するのは、18年世界王者シェーン・ヒルテイラーか、19ADCC準優勝のケネディ・マシエルか。あるいは今年のヨーロピアンでドーダーラインを倒して優勝した新星ディエゴ・ソドレ(アレクサンドロの弟)か。いずれにせよ嶋田が優勝するためには、1回戦後に超強豪との4連戦を勝ち抜く必要があるわけだ。これ以上ないほどの過酷極まる修羅の道──とはいえ、これぞプレ・ムンジアルという戦いが嶋田裕太を待っている。