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【RIZIN LANDMARK13】ズールー戦→王座挑戦、神龍誠「僕がベルトを取らないと、RIZIN的にもしんどい」

【写真】ATTでの練習の成果が見られるのは、これからだ (C)TAKUMI NAKAMURA

12日(日)に福岡市博多区のマリンメッセ福岡A館で開催されるRIZIN LANDMARK13で、神龍誠エンカジムーロ・ズールーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年のRIZINフライ級GPでは元谷友貴に敗れて準決勝敗退に終わった神龍。この敗戦を機に練習の拠点をATTに移すと、大晦日のヒロヤ戦ではテイクダウン&グラウンドコントロールで試合を支配し、判定勝利を収めた。

今回のズールー戦に向けたATTでのトレーニングでは、元UFCファイターでもあるスティーブ・ブルーノのコーチングのもと、より内容の濃い練習を続けることが出来たという。ズールーをフィニッシュし、6月のRIZIN仙台大会で扇久保博正との王座戦へ。神龍がATTでの練習、そして王座挑戦について語ってくれた。


しっかりダメ出ししてもらえることはすごくいい

──今回は米国滞在中のインタビューありがとうございます(※取材は3月18日に行われた)。ATTでの練習や生活はいかがですか。

「今回で2回目なんで、練習や生活のスケジュールには慣れてきたなと思います」

──初めてATTに来た時は練習に慣れることが最優先だったと思うのですが、2回目になると練習の理解度も上がっていますか。

「今回で言うと自分のことを見てくれるコーチがついてくれたんですよ。スティーブ(・ブルーノ)というコーチで、UFCにも出たことがある人で。正直前回は初めてATTに練習にきて、所属選手でもないので『なんだ、こいつ?』みたいな感じもあったと思うんですけど、今回の練習(トレーニングキャンプ)の真ん中ぐらいから、スティーブがスパーリングの時に僕の動きを見てアドバイスしてくれるようになりました」

──前回は他の選手たちと同じように全体練習に混じる形だったのですか。

「そこは今も変わらないんですけど、スパーリングの時は各コーチが気になる選手の動きを見て、その選手にアドバイスするような感じなんですね。その中でスティーブが結構色んなアドバイスをくれるようになって。わざわざスマホの翻訳アプリを使って、英語から日本語に翻訳して伝えてくれたりするんですよ。僕がスパーリングでしている時も翻訳アプリを使って日本語で声をアドバイスしてくれて、すごくいい練習が出来ています」

スティーブ・ブルーノは2008年から2009年にかけてUFCで戦っていた元ウェルター級ファイターだ(C)SHINRYU MAKOTO

──そうなのですね。

以前、ATTで練習した野村駿太選手にインタビューした時に「ジムの中でもダラダラしている選手としっかり練習している選手が分かれていて、真面目にやっている選手にはコーチが声をかけてくれる」と話していましたが、きっと神龍選手の勤勉な練習姿勢がコーチにも伝わったのでしょうね。

「最初はスティーブの方から翻訳アプリで『困ったことがあったらいつでも連絡してくれ』と言われて、それで僕から『こういう時はどうすればいいですか?』とDMを送らせてもらって、それからコミュニケーションを取るようになって…ですね。それからはスティーブが担当するクラスにも出たりして、少しずつ練習を見てくれるようになりました」

──実際にスティーブ・コーチのアドバイスは的確だと感じますか。

「そうですね。最近は僕が『こうすればよかったですよね?』と聞いたら『その通りだよ』みたいになってきて。あとはスパーリングで見合っている場面で、僕が集中しすぎて自分の動きが分からなくなる時があるんです。特にガチスパーの時は。そういう時にスティーブが『ステップを使って横に動け!』や『こういうコンビネーションを使え!』とコーチングしてくれて。基本的なことではあるんですけど、そういうアドバイスを一言もらうだけでも、全然動きが変わりますね。僕がいい動きをした時はスパーリングが終わったあとに『今の動きはよかったぞ!』と言ってくれるので、いい練習につながっています」

――新しい技術やテクニックを習得するだけでなく、そういったコーチングのもとでスパーリングすることで練習内容もより濃いものになりそうですね。

「そう思います。日本のジムでスパーリングしていても、ずっと自分のことを見てくれて声をかけてもらえることってなかなかないじゃないですか。良いところだけじゃなく、悪いところもしっかりダメ出ししてもらえることはすごくいいなと思いました」

──米国での生活そのものはいかがですか。

「自分はATTの寮で生活しているんですけど、生活に必要なものが全部揃っているんですよ。洗濯機も調理器具もあるし。練習に行くのもエレベーターを降りたらすぐジムなんで、練習漬けの毎日ですね」

――ザ・合宿所という感じですね。

「そんな感じですね。僕高校に行ってないんで分からないですけど、高校で寮に住んで部活をやっているとこんな感じなのかなと思います」

──まさに格闘技に集中できる環境が揃っているわけですね。

「そうですね……というか格闘技以外にやることがないです(笑)」

──さて今大会で対戦するズールーにはどんな印象を持っていますか。

「普通に強いんじゃないですかね。僕はしっかり強い選手だと思っているし、前回の試合(伊藤裕樹に判定負け)は調子が悪かったんだろうなと。過去の映像と見比べても明らかに動きが悪かったんで。スタイル的には手足が長いストライカーなんですけど、戦績を見ると一本勝ちも多くて、KO勝ちと一本勝ちが半々なんですよ。ストライカーのイメージが強いですが、極めも強いオールラウンダーなんだなと思います」

──確かにズールーの戦績を見るとギロチンの一本勝ちが多いです。

「自分の得意なパターンを持っているんじゃないですかね。あとはKO負けが一つあるだけで、一本負けしたことがないんですよ。それだけ極められてないということはディフェンス能力も高いと思うので、フィニッシュするのが大変な相手だと思っています」

ここでベルトを取ることが1番僕のストーリー的にもいい

──今後のフライ級戦線を考えると勝ちはマストですし、勝ち方も重要になってくると思います。そこは神龍選手も意識していますか。

「記者会見でも話した通り、ここでしっかり一本取って、6月に仙台大会が発表されたじゃないですか。自分はそこで扇久保(博正)とタイトルマッチをやろうと思っています。今のRIZINフライ級の順位的にも僕が挑戦者として行くべきだと思っているんで」

──ズールー戦はタイトルマッチにつなげるための試合になる、と。3月の有明大会ではフライ級の選手たちの試合が3試合組まれ、いずれも好勝負が続きました。そこも含めても自分が一番インパクトを残したいですか。

「そうですね。僕は絶対ここでタイトルマッチをやりたいと思っているし、3月はフライ級の選手がみんながいい試合をしていたじゃないですか。しかも3試合ともフィニッシュで終わったんで、僕もそれに続いてフィニッシュしなきゃダメですよね。そのうえで僕が挑戦者として間違いないというところを見せたいです」

──やはり神龍選手も3月大会を見て刺激を受けましたか。

「刺激にはなりますよね。周りがいい試合をして、僕が守りに入った試合をしちゃったら『ちょっと神龍がタイトルマッチは……』となっちゃうと思うんで。そういう意味でも、しっかり俺がタイトルに挑戦するんだぞという試合を見せたいです」

──扇久保選手への挑戦が実現すれば2年ぶりの再戦になります。神龍選手はこの2年間で米国での練習をスタートし、新しいことも取り入れて、今の自分をぶつけて扇久保選手からベルトを獲りたいですか。

「あれから自分が強くなるために練習環境や考え方も変わったんで、ここでベルトを取ることが1番僕のストーリー的にもいいんじゃないですかね。というか僕がベルトを取らないと、逆にRIZIN的にもしんどいと思うんですよ。ずっとあの人がフライ級のベルトを持っていても面白くないんで。僕がベルトを巻いてRIZINフライ級の顔にならなきゃいけないなって思っています」

──自分がフライ級の顔になるという気持ちは段々と強くなっていますか。

「それはあるかもしれないですね。わざわざ米国まで来て、孤独な生活をしながら練習をして、やっぱりメンタル的にしんどいんですよ。こっちではずっと練習漬けで、朝練して、昼寝して、午後練して、休んで…の繰り返しで。食事も自炊しているから、たまに自分で歩いてスーパーに行くかレストランに行くくらいしか息抜き出来ないんです。日本とも時差があるから、日本のみんなが寝ている時間に僕は起きて練習に行く感じなので、日本にいる人たちと連絡は出来てもリアルタイムでのやりとりが出来ないです。そういう想いもしながら必死に練習しているから、絶対に勝ちたいし、絶対にベルトを巻きたいです」

──神龍選手がどれだけの覚悟を持って米国で練習しているかが分かりました。今日はありがとうございました!

■視聴方法(予定)
4月12日(日)
午後12時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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