【ONE32】アスクレンの鉄壁のTD復活なるか。サッポのおっつけ防御は??
【写真】今回の試合でもテイクダウンディフェンスの強さをサッポが見せれば、非常に興味深い戦いになりそうだ (C)ONE
明日13日(金・現地時間)、シンガポール・カランのシンガポール・インドアスタジアムで開かれるONE 32「Pride of Lions」。日本から朴光哲が出場する同大会では2つの世界戦が行われる。
セミで王者デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョークにヤゴ・ブライアンが挑戦するONE世界ストロー級選手権試合、メインでは世界ウェルター級選手権試合=王者ベン・アスクレン×挑戦者ルイス・サッポ戦が組まれている。奇しくも2試合ともイヴォルブ所属のチャンピオンがブラジル人の挑戦を受ける形となっている。
アスクレンとサッポは4月のONE26で対戦しており、この時はアスクレンの指がサッポの目に入り初回でノーコンテストという結果に終わっている。そんなアクシデントで唐突に終了したことよりも、それまでの試合内容に誰もが驚いた。鉄壁のテイクダウンを持ち、指が一本触れると相手を倒すことができるといわれているアスクレンが、実に6度もテイクダウンに失敗している。
最初のダブルレッグをスプロールされ、続いてボディロックから小外掛けを内股で切り返される。その後もローシングル、組んでもいなされて下になるなど、鉄壁のテイクダウンが決まらない状態が続いたアスクレン。ばかりかローでバランスを崩され、首相撲からヒザ蹴りも被弾。テイクダウンを失敗する姿を想像することすら困難だったアスクレンが、7度目のトライでようやく上を取ることに成功したが、その前に右手の親指がサッポの右目を突き刺し、そのまま試合続行は不可能となった。
ユニファイド・ルールと違い、ONEのアジアンMMAルールではテイクダウンの失敗はサッカーボールキックや四点ヒザの餌食になる恐れがあり、非常に危険だ。現に当たりはしなったが、サッポがアスクレンの立ち上がり際に顔面を蹴り抜こうとするシーンも何度か見られた。
なぜ、アスクレンのテイクダウンが決まらなかったのか。その一つにサッポが右ワキを差されるとすぐに右手をおっつけ、同時に右の腰を前に押し出して跳ね返しつつ、自分の組みに持ちこんだ点が挙げられる。
ただし、差してきた相手への対処として、常套手段といえる防御&カウンター・アタックを何度もアスクレンが引っ掛かった要因は分からない。同時にアスクレンはファンクロールに代表されるリバーサルを有しており、下になっても焦ることはないのも事実だ。失敗しても仕掛け続けて上を取ると割り切っていたかもしれない。実際サッポのテイクダウン&カウンターは見事だったが、3分間その対応をするだけで、既に肩で息をするようになっていた。
5Rの長丁場、サッポがあの動きを続けられる体力があったようには思えない。ただし、ディフェンスを繰り返す間、際の打撃が入る可能性も十分にある。今回の再戦、アスクレンには慎重にならず、テイクダウン一本槍の姿勢を貫いてほしい。そのうえで、どのような攻防が繰り広げられるか。前回の対戦におけるサッポの善戦が、この決着戦を非常に興味深いモノにしたことは間違いない。
■ ONE32対戦カード
<ONE世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者] ベン・アスクレン(米国)
[挑戦者] ルイス・サッポ(ブラジル)
<ONE世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] デェダムロン・ソー・アミュアイシルチョーク(タイ)
[挑戦者] ヤゴ・ブライアン(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
メイジャー・オーバーオール(米国)
朴光哲(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
ナタリー・ヒルズ(豪州)
アンジェラ・リー(シンガポール)
<フェザー級/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
ジミー・ヤーボ(フィリピン)
<フェザー級/5分3R>
マーチン・ヌグエン(豪州)
エドゥアルド・ケリー(フィリピン)
<バンタム級/5分3R>
ベネディクト・アン(シンガポール)
ヨハン・ムリア・レゴウオ(インドネシア)
<フェザー級/5分3R>
リー・カイウェン(中国)
ネイサン・アン(シンガポール)
<ヘビー級/5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
イゴール・スボラ(ウクライナ)