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【Grandslam03】10年前から燻銀、グランドスラム初見参・大石真丈「50歳までやろうかなって」

Oishi & Katsumura【写真】後輩の勝村周一朗がプロデュースするGrandslam出場を前に10年前から燻銀が何を語ったか(C)MOOZine

12日(土)に東京都江東区ディファ有明で開催されるGrandslam03に大も大、大ベテランの大石真丈が出場する。

プロ修斗デビューは何と1993年の11月。今や現役最後の一人となった修斗ノーパウンド時代を知る総合格闘家だ。今年47歳を迎えるジャッカル大石が、名古屋の若手=竹本啓哉戦を前にMMAで現役生活を続ける理由を語ってくれた。

──修斗からZST、Cage Force、そしてパンクラス、Grachan、さらにはDEEP、そしてHEATという国内のMMAプロモーションのほとんどに出場してきたといっても過言でないジャッカルさんが、ここにきてGrandslamに出場。その理由を教えてもらえますか。

「いや、特には……。最近は試合をするたびにケガをしてしまって長い間お休みになっちゃうんですよね(笑)。また試合ができるコンディションになったので。正直、他からも声はかけてもらったのですが、ボスキャラを用意されたので……。

それとやっぱりGrandslamは勝村が頑張っているから。K’z Factoryの後輩が懸命に業界のために開いている大会で、俺も協力できないかと思って」

──そのK’z勢、今や後輩選手が現役を退き、ジムを開くようになりました。

「それこそ勝村もそうだし、ルミナも秋本も和道もそう、もっと下の世代の植松も五味もジムをやるようになっちゃいましたね(笑)。それかもう格闘技を離れたか。早く見切りをつけた人間の方が出世していますよ。西山っていたじゃないですか?」

──ハイ、西山典男選手ですよね。柔術家の渡辺直由さんの従妹で修斗フェザー級黎明期に活躍した。負けた試合ですが、四王塾の吉信選手にコーナーで絞め落とされたシーンが今も強く印象に残っています。

「そうそう、あの西山ですよ。今、北海道のNHKで記者やっていますよ。朝のニュースとかでもレポートとかしていますから。『○○警察署から西山がお送りしました』とかって(笑)」

──本当ですか。今度からNHKのニュース、目を凝らして見るようにします。

「アイツは新聞記者をしていたのにTVの方に行って、やりたいことをやっている偉いヤツですよ。TVといえば勝田(哲夫)は静岡県警で、何とか警察24時間密着に出ていました(笑)」

──ハハハハ。自分が格闘技の記事を書き始めた頃だと、雫(崇宏)君とか。

「うわぁ、めっちゃ古いっすね。でも、まだ横浜のどっかで柔術やっていると思いますよ」

──では、後輩でも現役を続けている選手は誰になりますか。

「カンチョルがいますよ(笑)」

──そうか、朴光哲選手も元K’zでしたね。でも10歳若いですよ。他はもういないのでは、最強時代のK’zメンバーは?

「何いっているんですか(笑)。五味だって、UFCで頑張っているのに……。怒られますよ」

──アッ、五味選手はK’zというか木口のイメージが強かったです。それとアマチュアでは本田(壮一)君がいますね。大石さんは本田君のプロ版ということになりませんか。

「いやいや、それは辛いなぁ(笑)。ヤツは出世しない。いくら早く辞めていたとしても、出世しない」

──ところでジャッカルさん、46歳ですよね?

「11月で47歳ですよ(笑)」

──いやぁ……話題はここにしか行き着かないのですが、なぜ現役を続けているのでしょうか。

「それねぇ……、言い方は悪いけどこれで世界一になろうとか、強さ示そうとか、そういう本気でやる気はないんで。もう趣味」

──趣味で、パウンド有りの試合に出場すると?

「一緒に練習している若い連中が、試合前で追い込みとか入るとね。何もないのに、練習するのは詰まらないなって思ってしまって。で戦わせてくれるなら、試合に出たいなって。これがプロでやっている選手たちには全く歯が立たなくなって、趣味でやっている人たちとしか練習できないようだと、それこそ趣味として練習だけをしていれば良くなると思います。

ただ、もうちょっと自分はできる。練習していると、そう思うんですよね。でもね、もうちょっとというのをどこでやるかって話なんですけど」

──その先に何が待っているのかと……。

「自分が納得すれば良いんじゃないですか。俺が始めたのは、もう25年近く昔で。修斗しかなくて。金なんて全然もらえなくてもやっていた人達ばかり。好きで、コレやっていた。コレで生活しようと思っている人もいなくて、俺もその口なんで」

──多くの選手は競技を続けるとしても、先ほどの雫選手の話ではないですけど、柔術やグラップリングの方に移行していきますが……。

「俺も引退したら、組み技に行きますよ」

──引退したというか、その大きな舞台で大金が入るから、ケン・シャムロックのように現役に戻ってくるようなファイターも海外にはいますが、大石さんはそうでなくコツコツと試合出場を続けている選手は見られないです。

「デビューは93年の11月だから」

──UFCと同じじゃないですか。

「そうなんですよ。UFCの方が2週間ぐらい前(笑)。俺もシャムロックのように50歳まではやろうかなって。このまま勝って、修斗やパンクラス、DEEPで戦おうっていう気持ちでいますからね。自分の場合、試合をするとケガをして、時間を掛けて治して試合に挑むという形ですけどね」

<この項、続く>

■ Grandslam03 対戦決定カード

<フェザー級/5分3R>
小見川道大(日本)
中村Jr(日本)

<無差別級/5分3R>
桜木裕司(日本)
アラン・ボドウ(フランス)

<ストロー級/5分3R>
江泉卓哉(日本)
マッチョ〝ザ”バタフライ(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
大石真丈(日本)
竹本啓哉(日本)

<フェザー級/5分2R+EX>
杉本悠樹(日本)
幕大輔(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
ジョン・ダウン(韓国)
木暮聡(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
ナム・ギヨン(韓国)
吉田哲之(日本)

<ライト級/3分2R>
小口欽也(日本)
ホームラン73あきら(日本)

<BJJミドル級/8分1R>
岡澤弘太(日本)
坂井圭介(日本)

■GRAND SLAM SURVIVOR対戦カード

<54 .4キロ契約/5分2R>
石綱テツオ(日本)
カン・ジェグ(韓国)

<ミドル級/5分2R>
ジョシュア・ロビンソン(米国)
市川公貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐藤ヒデキ(日本)
武田雪魔(日本)

<フェザー級/5分2R>
平山学(日本)
村津孝徳(日本)

<フライ級/5分2R>
加マーク納(日本)
藤田成保(日本)

<フライ級/5分2R>
権田駿輔(日本)
松場貴志(日本)

<ライト級/5分2R>
霧狼(日本)
高橋了介(日本)

<ライト級/5分2R>
永井好明(日本)
新谷直人(日本)

■GRAND ROYAL 対戦カード

<ライト級/5分1R>
関幸一(日本)
福田大和(日本)

<ウェルター級/5分1R>
和久裕治(日本)
ハレー・バッハン(──)

<フェザー級/5分1R>
高城光弘(日本)
サブロー(日本)

<フェザー級/5分1R>
上杉祐太朗(日本)
山内雄輔(日本)

<フェザー級/5分1R>
萩原一貴(日本)
外山貴彦(日本)

<バンタム級/5分1R>
川辺侑也(日本)
小林裕(日本)

<フライ級/5分1R>
伊藤夏海(日本)
黒須信嗣(日本)

<女子ストロー級/5分1R>
久保聖子(日本)
高尾櫻子(日本)

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