【Breakthrough Combat03】ガーダム戦決定後、一旦NTTから離れた竹本啓哉「ALIVEでやっていることを」
【写真】ジャージで示すグラジ愛。「僕はグラジで育ててもらった選手です」と竹本は断言する(C)SHOJIRO KAMEIKE
26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03で、竹本啓哉がトレント・ガーダムと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
竹本にとってMMAの試合は、昨年7月に竹中大地の挑戦を受け、ベルトを失ったGladiatorバンタム級タイトルマッチ以来となる。以降、試合のオファーがあるも対戦相手の問題で成立せず――という話が伝わってきていた。
今年1月はグラジでシンバートル・バットエルデネと対戦予定であった竹本。しかし吉田開威がベルトを賭けて対戦する予定であった南友之輔が負傷欠場となり、竹本はNTT=寒天練習の仲間である吉田とは対戦する意志はなく、シンバートル戦を吉田に譲った形となっている。
そんな竹本の復帰戦となったのが、豪州出身で現在は名古屋に滞在し、志村道場で練習しているガーダムだ。ガーダムは現在NTTでも練習しており、竹本とも手合わせしたことがあったという。しかし竹本がこの名古屋対決に応じた理由とは――
――昨年7月の竹中戦から約7カ月、ようやく復帰戦が行われます。グラジのシンバートル戦がバラシになった後、今回のガーダム戦はいつ頃オファーがあったのでしょうか。
「まずBTC03のオファーがあったのは年始ですね。グラジが1月12日で、その少し前でした。試合が決まらず、正直しんどい気持ちもありましたけど、幸い柔術の大会に出て、茶帯で優勝して社長(鈴木陽一ALIVE代表)から黒帯を頂きました」
――それはおめでとうございます!
「ありがとうございます。本当ならMMAの試合が飛んだことで、多少は怒っていいのかもしれないけど、ちょうど良い時間が取れたと考えています。もともと1月の試合に関しては、僕の意志でシンバートル戦を吉田君に譲ったので、特に何も思っていないですし」
――吉田選手と対戦予定であった南選手が欠場となり、本来は元正規王者である竹本選手にも暫定王座決定戦に出場する権利はあったと思います。しかし吉田選手とはNTTの練習仲間でもあり……。とはいえNTTのメンバー同士が戦えないという意識を持っていると、プロモーターもマッチメイクに困るかもしれません。
「あぁ、そういうことですね。今、NTTに参加している選手が活躍していて――それでマッチメイクに困っているということであれば、申し訳ないです(苦笑)」
――いえ、その点には所属ジムの異なる選手が集まる練習会という性質も関わってきます。強くなるために皆が一堂に会して練習する。それは悪いことではないし、強くなるためには必要なことだと思います。ただ、参加者が強くなっていくと戦うことになるのも必然であって。現在、NTTにも転機が訪れているのでしょう。
「なるほど。確かに、そろそろ考えないかん時期には来ていると思います。それこそグラジの同じ階級で試合をしている吉田君は、寒天練習の中でも一番よく喋っているぐらいで(苦笑)。正直、その練習仲間たちと対戦するとかは考えたことがなかったですね。
寒天練習には『とにかく強い人と練習したい』という気持ちで参加していました。その気持ちは今も変わっていないです。週1回、練習の日に向けて用意してきた技術を実践する良い機会なんですよ。次の試合で使うつもりの技を、強い人たちが集まっている場所で試す。おかげで技の精度は高まっていて」
――そんななかで、名古屋在住で寒天練習に参加しているトレント・ガーダム選手との対戦が決まりました。
「対戦相手がトレントさんに決まったのは今から1カ月ほど前で、そこから寒天練習には行っていません。トレントさんは志村道場の選手だから、仕方ないです」
――ガーダム選手は「タケモトと初めて練習した時、彼のコーチもいた。これから一緒に練習する仲間なんだと思っていたら、対戦が決まった」と苦笑いしていました。
「僕もオファーがあった時は『キツいなぁ』と思いました(苦笑)。トレントさんとはまだ会って日が浅いので、自分の感情も試合ができるレベルではありますけど……。これが吉田君であれば、やっぱり試合はできなかった気はします。
でもトレントさんも陽気で、すごくフレンドリーな人なんです。一度練習した後、仲良くなりたいから『英語を勉強しようかな』と思っていました。英語の勉強は、次の試合が終わってからにします」
――アハハハ。ガーダム選手の認識では、竹本選手と練習で組んだのは1回だけということですが……。
「そうです、そうです。トレントさんと初めて練習で一緒になった時、僕はオーソドックスの選手との対戦オファーが来ていて。トレントさんはサウスポーだから、何回もは組まなかったんですよ。僕としては『とにかく新しい人が来たから1回組んでおくか』というぐらいの意識でした」
――1回だけ組んだ時の印象を教えてください。
「NTTって、どちらかといえば組みが強い選手が多いじゃないですか。そのなかで『打撃をちゃんとやる人だな』という印象ですね。ボディ打ちとか、丁寧な打撃をする人です」
――一方で練習仲間ではなく、対戦するMMAファイターとしての印象は?
「まず僕と比較すると、やはり『打撃が強い』という印象はあります。でも練習したことは忘れて試合映像を視ると――組みを完全に切って打撃をするとか、打撃を切って組みをやるということではない。しっかり両方ともこなす、バランスが良い選手ですよね」
――「自分と比較すると……」なのですね。
「僕はMMAファイターとして、バランスが良くないですからね(笑)」
――にも関わらず、ベルトを失った竹中戦は相手がアウトボクシングに徹しているとはいえ、なぜ竹本選手のほうからもっと距離を詰めなかったのか。
「あの試合は、それほど組みにこだわっていなかったんですよ。竹中選手は組みが強いから、僕から組みに行っても、ちゃんと対応してくるはず。だから意表を突きたい――と、メチャクチャ打撃を準備していました。今考えると、もっとしっかり組んでいったほうが良かったかもしれないです」
――なるほど。その竹本選手に対して、ガーダム選手は組んでくるでしょうか。
「どうなんだろう……、『チャンスがあれば組んでくるだろうな』とは思います。組んでくる場合と全く組んでこない場合、どちらも想定していますね。僕も前回は組まない試合をして、いろんな方から『なぜ組まなかったんだ!?』というお言葉を頂きました。僕は組みを期待されていると思ったので、今回はしっかり極めに行きます」
――おぉっ!! ガーダム戦は寒天練習に参加していない状態で臨む試合となります。気持ちや仕上がり方の面で、これまでと違いますか。
「それが……自分の中で楽しみなんです。これまで週に1回、ジムで練習していることを試す場があったわけじゃないですか。それが今はジムで、ワタナベ(関羽マサノリ)とか若い子に打ち込みとかを手伝ってもらっていて。自分の中ではジムの練習の中で、試合で出すムーブを決めることができる状態まで仕上げてきました。果たして試合で、そのムーブが通用するのか。それが楽しみです」
――ジム内で新しい技を試すことができるのは、ALIVEに若い選手が増えてきたことも大きいのではないですか。しかも、しっかり体が出来つつある選手ばかりで。
「はい。やっぱり体が出来ていない相手に新しい技を試す時は、どうしても『相手を壊しちゃわないか』という心配も出て来きますね。社長もそういう意識で、若い選手に体をつくらせているのでしょうし。
皆、そうやって僕のために協力してくれている。だから今回のテーマは『ALIVE内でやっていることで試合に勝つことができるかどうか』ですね。もちろん、勝てると思っています」
■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat03対戦カード
<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)
<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)
<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)
<バンタム級/5分3R>
チェ・ハンギ(韓国)
寒天マン(日本)
<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)
<Progress60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)
<Progressフェザー級/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)
<Progress87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二宮寛斗(日本)