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【Grandslam03】MMA界の鉄人ならぬ仙人、大石真丈<02>「年上と戦った記憶はないです」

Oishi san【写真】頭に白いモノも目立ってきたが、本人はケガと手術の影響だと言う(C)MMAPLANET

12日(土)に東京都江東区ディファ有明で開催されるGrandslam03で竹本哲哉と対戦する大石真丈インタビュー後編。

以前からそうだったが、それにも増して肩の力が抜けた数々の言葉。燻銀どころかMMA界の仙人というべき、ジャッカルさんの話に耳を傾けてほしい。

<大石真丈インタビューPart.01はコチラから>

──さきほども言いましたが、シャムロックは大金を手にできますからね。

「俺もくれるならいただきたいですけど、金じゃない」

──正直、大石さんと知り合って20年になりますが、顔の輪郭も違ってきてしまっています。会うたびにどこかケガをしているという印象(苦笑)。

「ハハハ。それは全部、40歳過ぎてからなんです。40歳になるまでは一回だけ、腱が切れたことがあったけど」

──ケガが増えた40歳以降と、それ以前で戦いに対する想いというのは違ってきましたか。

「いやぁ変わんないですよ。何も考えてないから同じ。戦うからには失礼のないように──という気持ちも変わっていないです。ただ、練習量はどうしても落ちますよね。あまりやると壊れる」

──今日はGrandslamでの取材となっていますが、練習は夜のクラスで朝のプロ練習には参加されていないのでしょうか。

「朝はお勤めしているから。木口関係の社長さんにお世話になって、試合前になると融通をきかせてもらっています。本当に有り難い、感謝していますよ。ここだけは声を大にして言わせてもらいます。ここでは夜の上級者グラップリングクラスに参加させてもらって。あとはパラエストラ八王子、リバーサルのスタンドアウトで練習させてもらっています。

まぁ、周囲も逆に『もうええやろ』とは言えない年齢になって、満足するまでやれば──って風になっていますね(笑)。辞め時もあったんですけど。修斗時代もそうだし、最後はCAGE FORCEのバンタム級トーナメント決勝でタケゾーに負けた時かな。あそこが一番の辞め時でしたね。かつての教え子に殴られて負けて……(笑)。まぁ、なんで続けているかは自分でも分からないです」

──対戦相手の竹本哲哉選手は、1990年生まれ。大石さんが木口道場で練習を始めた頃に赤ん坊だったことになります。

「あぁ、良いんじゃないですか。どんな選手かも分からないし、シャードッグで戦績を見ただけで。海外で戦うのと同じ、最近はそんな感じの試合が増えてきていますよ。多少は情報はあっても見たことがなくて、力量が分からないという相手が。

まぁ、相手がこんなオッサンに負けられないとかかってくるのは10年前から変わらない。それこそタケゾーだって、そうだったに違いないし」

──なるほど。今回の試合はエルボー有りですが。

「普通じゃないですか。皆、やっていますよ(微笑)」

──皆は年齢が違いますから……。

「でもね、自分が30歳の時から年上の相手なんていなかったですよ。それと同じです。デビューが遅かったし、年上と戦った記憶はないです。35歳でもそう、40歳になっても同じ」

──ですよね、先ほどの話に戻ると後輩達の多くが引退しているわけですからね。

「そこを納得して、やっているわけだから。で、呼ばれなくなったら終わり。でも、コロコロ倒れるようになっちゃったら辞めないといけない。そういう選手もいるし。俺はそんなバチバチの試合をやってきたわけじゃないし、ケガが増えても頭系はないから」

──鉄人と称される選手は多いですが、ずっと見させていただいてきたジャッカルさんだけが傷だらけになっていて、鉄人という称号も何だか無責任で。

「いやいやいや、趣味だから。そんな心配してもらっても(笑)。全ては自分のためだから。年齢のことを気にされるのは当たり前ですよ。どのスポーツでも、この歳になって続けていると。ただ、修斗のタイトルを失ってからは気楽に戦っています。ケガはしょうがない、格闘技だから。それでも自分の力が落ちたとは思っていなくて、練習相手が強くなってきたと思うだけで(笑)。

勝負は勝つか負けるしかない。だからケガなく、回りが許してくれたら50歳まではね。今回は実戦から1年以上離れてしまったので、自分と合うぐらいの選手としかできない。トップの選手、ボスキャラとやるのは無理。そういう感じで戦っているので」

──……。

「そりゃ試合は勝ちたいと思っています。勝つ気満々でいきます。でね、ケガなく試合を重ね、勝っていけばボスキャラとも戦えます」

──そうくると思いました(笑)。

「面白いじゃないですか。そんな相手と戦えるなんて。骨が折れたとか、そんなんじゃ大丈夫だし。ドキドキじゃなくて、ヒヤヒヤされる選手もなかなかいない(笑)。ただ、『アイツ、やるな』って思ってもらえるよう戦います」

■ Grandslam03 対戦決定カード

<フェザー級/5分3R>
小見川道大(日本)
中村Jr(日本)

<無差別級/5分3R>
桜木裕司(日本)
アラン・ボドウ(フランス)

<ストロー級/5分3R>
江泉卓哉(日本)
マッチョ〝ザ”バタフライ(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
大石真丈(日本)
竹本哲哉(日本)

<フェザー級/5分2R+EX>
杉本悠樹(日本)
幕大輔(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
ジョン・ダウン(韓国)
木暮聡(日本)

<バンタム級/5分2R+EX>
ナム・ギヨン(韓国)
吉田哲之(日本)

<ライト級/3分2R>
小口欽也(日本)
ホームラン73あきら(日本)

<BJJミドル級/8分1R>
岡澤弘太(日本)
坂井圭介(日本)

■GRAND SLAM SURVIVOR対戦カード

<54 .4キロ契約/5分2R>
石綱テツオ(日本)
カン・ジェグ(韓国)

<ミドル級/5分2R>
ジョシュア・ロビンソン(米国)
市川公貴(日本)

<バンタム級/5分2R>
佐藤ヒデキ(日本)
武田雪魔(日本)

<フェザー級/5分2R>
平山学(日本)
村津孝徳(日本)

<フライ級/5分2R>
加マーク納(日本)
藤田成保(日本)

<フライ級/5分2R>
権田駿輔(日本)
松場貴志(日本)

<ライト級/5分2R>
霧狼(日本)
高橋了介(日本)

<ライト級/5分2R>
永井好明(日本)
新谷直人(日本)

■GRAND ROYAL 対戦カード

<ライト級/5分1R>
関幸一(日本)
福田大和(日本)

<ウェルター級/5分1R>
和久裕治(日本)
ハレー・バッハン(──)

<フェザー級/5分1R>
高城光弘(日本)
サブロー(日本)

<フェザー級/5分1R>
上杉祐太朗(日本)
山内雄輔(日本)

<フェザー級/5分1R>
萩原一貴(日本)
外山貴彦(日本)

<バンタム級/5分1R>
川辺侑也(日本)
小林裕(日本)

<フライ級/5分1R>
伊藤夏海(日本)
黒須信嗣(日本)

<女子ストロー級/5分1R>
久保聖子(日本)
高尾櫻子(日本)

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