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【VTJ Osaka】春日井たけし 「少しは志村道場の名前が日本のMMA界の中で上がってくれれば嬉しい」

Kasugai Takeshi【写真】志村民雄館長、祖根寿麻とともに試合後の撮影に収まる春日井。HEATでは見られない光景だ (C)MMAPLANET

6月21日、大阪市大阪府立体育館第2競技場で開催されたVTJ in OSAKAで、清水清隆戦で激闘の末スプリットで勝利した春日井たけし。

2月にROAD FC暫定フライ級王座決定戦で敗れた春日井が、国内フライ級の精鋭が揃った同大会でパンクラス王者を破った。この勝利の意義、そして今後について春日井に尋ねた。

──激闘の末、判定勝ち。お疲れ様でした。

「危なかったです……。1Rにパンチを右目にもらって、もう見えなくなった状態で。片目で戦っていた状態でした。それでちょっと焦ってしまいました。危なかったです。本当に紙一重でした」

──判定を待つ間はどのような気持ちでしたか。

「負けてはいないとは思っていましたが、見様によっては危ないかという気もあって。完全な勝利ではなかったですから。不安はあったのですが、セコンドが『胸を張れ。お前が勝った』と言ってくれていたので、そういう気持ちで判定を聞いていました」

──3Rは打撃こそ当たっていましたが、テイクダウンを取られました。これはもうジャッジの見方次第と思えるほど接戦に見えました。

「ドローもあるなら、ドローだったかもしれないです。そのなかでもプレッシャーを掛けて、気持ちも最後まで切れなかったので、そういう精神的な面で成長はあったかと思いました。1Rに気持ちが途切れてもおかしくないぐらい追い込まれていたので」

──2Rに右が当たってダウンを奪いました。

「感触はそこまでなかったです。ただ、尻餅をついてくれたのでパウンドをまとめることができました。それでも倒せるパンチではなかった。案の定、リカバリーされて逃げられましたから。印象点は稼げたと思いました」

──その打撃に成長のあとが見えました。

「打撃は相当、練習を積んできました。でも良かったかといえば、そうではなかったです。身長とリーチが僕の方があったので。そういう風に見えたのかもしれないです。試合展開として、清水選手は組んでくることはないと思っていて、その通りの試合展開でした。組み付いても離れると予想していたので、打撃でいったんです。

でも、前蹴りとかテイクダウン狙いだとか、自分からもっと動きたかったです。あと、組みの展開を避ける対戦相手からも、ちゃんと組んでバックに回れないといけなかったです。そのチャンスもあったので。そこが僕の課題ですね。自分の得意なところに持ち込み、一本が取れるようになりたいです」

──それを可能にするのが、また打撃です。今日はジャブがよく当たっていました。

「ハイ。少しは打撃も自信を持てるようになったのかなぁ?」

──なったのかなぁ?(笑)。

「まだまだなので」

──パンクラス王者に勝った勝利、この意味は?

「次につながったと思います。負けていればドンと落ちていました。今日は他にも軽量級の選手が出ていたので、今後は覚悟をしていかないといけないです。またさらに強い相手も出てくるでしょうし」

──中村優作選手、前田吉朗選手が文字通り勝ち残りました。

「前田選手の試合しか見ることができなかったのですが、打撃が鋭かったです。観客もわいていました。今、僕が戦うと相当厳しい試合になります。でも前田選手、渡辺健太郎選手、中村選手と戦うことを想定して練習しないといけないです。その段階になりつつあると思っているので、覚悟はしています」

──HEATだと主催者なので、試合後に一緒に喜ぶことはできない志村館長と喜びを分かち合うことができました。

「そうですね。祖根(寿麻)君も勝ったし。VTJという大きな舞台で志村道場の選手が2人とも勝てたことで、少しは志村道場の名前が日本のMMA界の中で上がってくれれば嬉しいです。だからこそ、負けなくて良かったです」

──次はいつ、どのような舞台で戦いたいですか。

「僕は戦う場所を選ぶことはないです。強い選手と戦いたいですし、やはり肩書きが欲しいのでチャンピオンに勝ったということで、パンクラスからオファーが掛からないかという気持ちは持っています。HEATの方も館長と話をして、決めていきたいです」

──日本大会を控えているROAD FCから話は?

「韓国はないです。これから……、これからが大切なので頑張って駆け抜けます」

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