【UFC186】オッズが何だ! 少ない勝機?? 堀口恭司の武器は勝利に直結する!!
【写真】日本人初のUFC世界王座になる確率は、決してオッズのような低いモノではない (C)MMAPLANET
25日(土・現地時間)、カナダはケベック州モントリオールのベルセンターで行われるUFC186「Johnson vs Horiguchi」。
2011年8月の岡見勇信以来、3年7カ月振りに日本人としてオクタゴンの頂点に挑戦することとなった堀口恭司。対するは既にフライ級の絶対王者と化しているデメトリウス・ジョンソンだ。2012年9月にジェセフ・ベナビデスを破ってフライ級世界王者となったDJは、その後、ジョン・ドッドソン、ジョン・モラガ、ベナビデス、アリ・バカウティノフ、クリス・カリアソを下し、それ以前に王座決定トーナメントでイアン・マッコールに勝利している。
現在のランキングに照らし合わせるとベナビデス=2位、ドッドソン=1位、モラガ=4位、バカウティノフ=ランク外(※出場停止中)、カリアソ=10位、マッコール=3位となる。つまり、カリアソ以外は堀口の7位よりも上位ランカー、そして岡見と並びUFCデビュー以来4連勝と負けなしの堀口だが、彼が勝利してきた相手にランカーは含まれていない。
今回の試合もジョン・リネケルが1月のマッコール戦で体重オーバーを¥していなければ、挑戦権は堀口には回ってこなかったことが予想されている。よって、この世界戦のオッズはDJの-1000×堀口の+650と大差がついている。賭け事は実績重視、そしてUFCのランキングも過去の戦績が大きくモノをいう。上位ランカーとの対戦経験がない堀口は、トップ5に顔を覗かせるべくもないのが実情だ。
つまり過去の実績の違いが、この賭け率の差になっているわけだが、当然、オクタゴンとは過去の実績で戦う場所ではない。現在の力を争う場所だ。DJは強い、スピード、距離感、手数にテイクダウン能力、組と打撃の融合、テイクダウン後の打撃+トランジッション、そして極め力、全てにおいて超一流であることをこれまでの戦いで見せてきた。
ただし、堀口のような蹴り技、ステップの持ち主と戦ったことは一度もない。DJは素早い踏み込みから蹴り込まれるロー、待ち受けて蹴り込まれるロー、体重移動の最中、ガードががら空きになったボディに中段回し蹴りを蹴り込まれたことがない。そして、拳の位置が腰にある空手特有の構えから繰り出される突きが、人間の骨格にあっており、ボクシングのようにアゴの前にある拳よりも、腕が伸びてくることを恐らくは理解していない。
勿論、堀口恭司の持つこれらの武器は、MMAという戦いの中で、その一面でしかない。DJの方が武器も多いのは確かだ。武器の数でいえば、9-1、良く見積もっても8-2でチャンピオンといえる。だが、堀口の持つ1と2という攻撃手段は、フィニッシュに直結する。このような武器を持っている日本人UFCファイターは五味隆典と菊野克紀、両者のパンチや突きのみといっても過言でない。そして、この拳の交換と上半身への打撃攻撃はMMAファイターが最も研究している部分だ。
対して、堀口の蹴りは違う。えてして北米のファイアー、メディアは堀口のことをユニーク、トリッキーなファイターだと評する。つまり、それだけ未知の部分も持っていることになる。堀口の下段&中段、DJの打撃を見せてからのテイクダウン──この2つの部分で、より相手の予想を上回るスピード&威力を示すことができるのはどちらか。
DJのテイクダウン狙いを切った堀口、パンチを見せて離れるような場面で、どてっぱらに中段回し蹴りが入れば……。オッズもランキングも関係ない。堀口が日本人初のUFC世界王者になる可能性は、前評判ほど低くない。
■ UFC186対戦カード
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] 堀口恭司(日本/7位)
<ライトヘビー級/5分3R>
ファビオ・マルドナド(ブラジル/12位)
ランペイジ・ジャクソン(米国)
<ミドル級/5分3R>
マイケル・ビスピン(英国/10位)
CB・ダラウェイ(米国/11位)
<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
シェーン・キャンベル(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
イーブ・ジャボウィン(カナダ)
トーマス・アルメイダ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
パトリック・コーテ(カナダ)
ジョー・リッグス(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
アレクシス・デイヴィス(カナダ/3位)
サラ・カフマン(カナダ/5位)
<ライト級/5分3R>
チャド・ラプリーズ(カナダ)
ブライアン・バルベレナ(米国)
<ライト級/5分3R>
オリヴィエ・オバメルシエ(カナダ)
デビッド・ミショー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ノーディン・テレブ(カナダ)
クリス・クレメンツ(カナダ)
<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ラコシー(カナダ)
ヴァラリー・レターノー(カナダ)
<女子ストロー級/5分3R>
ランダ・マルコス・トーマス(カナダ)
アシュリング・デイリー(アイルランド/10位)