【on this day in】4月23日──2012年
【写真】日本勢を除いたファイターが、こんな風に週に一度集まってくる。そりゃ、同じことをやろうとしても無理。無理だけど…… (C)MMAPLANET
Renzo Gracie Academy
@ニューヨーク州ニューヨーク・マンハッタン、ヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー
「漆谷康宏、伊藤健一、北岡悟、日沖発、水垣偉弥、久米鷹介の6人と、ホーボーケンのパーキングにレンタカーを置き、地下鉄でマンハッタンへ向かった。33RD Street駅で下り、目指したのはヘンゾ・グレイシー柔術アカデミー、月曜午後のジョン・ダナハー率いるグラップリング・クラスだ。なんでも、この月曜日のダナハー・クラスには近辺のヘンゾ系の選手たちが勢揃いするということで参加させてもらったわけだが……、いやぁ、その質&量に驚くしかなかった。フランキー・エドガーを始め、デイヴィッド・ブランチ、チャーリー・ブレネマン、ジョン・チョリッシュ、ハファエル・ナタウらUFCファイターにホーレス&グレゴーのグレイシー一族、日本人初ヘンゾの黒帯・山路大輔、ロンドン五輪出場が決まっていた柔道家トラヴィス・スティーブンス、名前は失念してしまったけどカレッジレスリングD-1王者でMMAデビューを控えていた選手。そうそう、今やWSOF副社長のアリ・イブラヒムもいたっけ。ここに挙げた写真は日本勢とプロファイターのみ。この数と同じぐらいの一般クラスの練習生が参加する。月曜日の午後1時のクラスに、だ。そして、そこで見られたグラップリングはノーギ柔術ではなかった。いや、ノーギ柔術も見られたが、それ一辺倒ではなくてノーストライキングMMAであり、サブミッション有りフォークスタイルレスリングであり、ノーギ柔道でもあった。とにかく、ありとあらゆる組み技が融合しており、首相撲を延々と繰り返す者も見られたほど。『あの練習環境は日本では作れない』、日沖が口にした言葉はごくごく真っ当だ。ただし、目を瞑っていない。その目で見て、体で知り、空気を感じ取って日本の練習に生かす。あれから、もう3年なのか、まだ3年なのか。みな、『もう』と感じているに違いない──濃密な人生を歩んでいるはずだ」
on this day in──記者生活20年を終えた当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。