この星の格闘技を追いかける

【on this day in】3月06日──2011年

06 03 11【写真】今やUFCファイターのハム・ソヒは、4年前のあの会場のことを覚えているだろうか(C)MMAPLANET

GLADIATOR G Series 15
@川崎市川崎区、川崎市体育館
「会場に足を踏み入れるまでもなく、駐車場に車を止めて昨年末に閉鎖された川崎市体育館へ歩を進める内に苦笑してしまった。ダン・ヘンダーソンがStrikeforce世界ライトヘビー級王者になったのを見届け、家族揃って川崎に向かった。グラジエイターをけっこう大きな会場でやるから、見に来てよ──という諸岡秀克社長の誘いを受け、大会後に外食でもして日曜日の夜を過ごそうと軽い気持ちだった。以前はリング職人のイメージが強かった諸岡さんと僕の格闘技観は全く別物だ。自分達が笑顔で話しているだけでも、業界の七不思議のように言われることもあった。諸岡さんとの付き合いが始まったのは、グラジエイターが韓国で初めて開催された時のこと。出場選手も含め、PRIDE色の強い大会を現地のプロモーターと共同開催していた諸岡さんに、当時PRIDEから取材拒否を受けていた僕が取材することで、迷惑にならないかを尋ねた。あの時に掛けてもらった言葉の温かさを、僕は忘れることは決してない。そんな諸岡さんの誘いを応じた形だったけど、子供たちが館内の客層がどういうモノか理解できない年齢で良かった。ホント、多摩川を越えるとヤクザは、あんなにヤクザ然とした風体でいることに驚かされた。自分が生まれ育った時代の神戸の暴力団員ですら、もっとスマートな身なりをしていた。そして、地方巡りやプロレス興行を知る人が格闘技イベントをすると、ああいう風になるんだと改めて(自分なりに)理解した次第だ。まるでCage Force米子大会を思い起こさせる館内で、野地竜太やハム・ソヒが戦っていた。大口スポンサーもTV放映料もないなか、格闘技イベントを開催することは随分と難しくなっている。だから、色々なやり方が存在するのだろう。リングの上、ケージの中が真剣勝負であることが一番。ただし、地下格のこともあるし目を瞑ることを増やすのではなく、メディア戦略、マネタイズの両面から、業界の外に向け、目を見開く必要に迫られていることは確かだ」

on this day in──記者生活20年を終えようという当サイト主管・髙島学がいわゆる、今日、何が起こったのか的に過去を振り返るコラム。自ら足を運んだ取材、アンカーとして執筆したレポートから思い出のワンシーンを抜粋してお届けします。

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