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【OFC26】地下から世界へ。渋谷莉孔がアドリアーノ・モライシュに挑戦

Shibuya in Hearts【写真】昨年9月ユライア・フェイバーや日沖発がHeartsで出稽古を行った際、渋谷も一緒に汗を流した。大沢さんがお腹を少し見せているのがチョット嫌な集合写真から、前列右から2番目が渋谷だ(C)MMAPLANET

19日(月・現地時間)、ONE FCが3月13日(金・同)にマレーシア・クアラルンプールのスタジアム・プトラでOFC26「Age of Champions」を開催することを発表した。そして、同大会で新たに契約を結んだ日本人ファイターが世界王座に挑戦するという話も伝わってきた。

2月6日に予定されていた北京大会第2弾の情報がホームページから消えているなど、中国進出で苦労している様子もうかがる窺えるOFC、2015年の活動開始は2月14日のインドネシア・ジャカルタ大会となる模様だ。

中国の旧正月の時期にドバイ大会を行うというプランもあったようだが、今回発表されたのは3月のKL大会だ。そして、この年に2度ルーチンで行われているKL大会で渋谷莉孔の参戦が決まり、さらにOFC初陣ながら世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュに挑戦するという。

MMA戦績12勝1敗、修斗南米王者からOFC世界王座に就いたモライシュは今や、フライ級非UFCファイターのなかで最強の実力者という評価を得ている強豪中の強豪だ。昨年3月に漆谷康宏、6月にランボー宏輔から連続で一本勝ち、9月にゲヘ・エウスタキーオをギロチンで倒しOFCフライ級の頂点に立っている。

リアル刃牙の異名を持ち、アウトサイダーの主力選手だった渋谷は、ビクター・クイOFC代表が昨年8月に来日し首都圏と大阪のジムを訪ねて回った際にお眼鏡に適ったそうだ。戦績は12勝2敗2分、昨年9月にTTFでパンクラス・フライ級トップコンテンダーの古賀靖隆に勝利している。HEATとCAGE FORCEで金網も経験し、2009年8月から負け知らずの10連勝(※2分)とレコード的にはモライシュと遜色ない。とはいっても、漆谷&ランボーという渋谷よりも評価の高いファイターを圧倒してきた世界王者との対戦は、厳しいという一言で言い表すことができる。

ただし、日本に踏み留まり結果を残し続けることで、世界への扉が開くという状況でなくなっているのも事実。この状況をモライシュという起爆剤をもって打開したい渋谷陣営の気持ちも理解できる。HEARTSで渋谷の指導をする大沢ケンジも、今回の契約&挑戦に関して「日本でまともな成績も残してない中で、OFCと契約できるだけでもビックリなのに、タイトルマッチということで渋谷は何か持っているなという感じですね。彼の長所は打撃と寝技でのエスケープ。なのですが……、今回ばかりは寝たら逃げられそうにないです」と、その現状と現実を踏まえた発言をしている。なお、OFC世界フライ級王座挑戦が決まった渋谷のコメントは以下の通りだ。

渋谷莉孔
「地下格のアウトサイダーでずっと試合をしてきたこともあり、日本の主要団体で戦った経験がないなかで今回、世界のメジャー団体の一つであるOFCで世界挑戦が決まりました。自分の周りからも心配の声が凄いのですが、俺としてはこういう場にいつ立てるのかと思い続けてきたので、少し時期が早まっただけだと捉えています。最近の試合では、緊張しなくなってきていたので、今回はチョットは緊張しそうなので楽しみです」

またOFCでは今回、渋谷だけでなく、豪州のブレイス・フォー・ウォーのバンタム級王者ジョーダン・ルカス、韓国のウェルター級ファイターでグラジエイターに来日経験があり、KAMA王者、そして──あのRevolutionに出場していたキム・デリョンとも契約を果たしている。ルカスは7勝0敗、キムは5勝0敗という戦績を残しており、国内で地力をつけるのか、戦績を残すのか。海外進出を考える選手、そして指導者の手腕が問われる時代が日本のMMA界にも本格的に到来したようだ。

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