【出稽古紀行US】01:水垣偉弥@アリアンシ柔術アカデミー
水垣偉弥、日沖発、漆谷康宏、久米鷹介、伊藤健一の5人のMMAファイターがUFC145の行われるアトランタを訪れ、現地で出稽古を行う出稽古紀行US、第一弾は19日(木・現地時間)正午から、柔術界の実力ナンバーワン・アカデミー、アリアンシ柔術アカデミー総本部を訪れた。
【写真】ホメロ・ジャカレ・カバウカンチ、競技柔術最強軍団総帥の指導を受ける水垣偉弥。ジャカレは御年60歳とは思えない、スマートさを誇る (C) MMAPLANET
アリアンシの総帥はホーウス・グレイシーの弟子だったジャカレこと、ホメロ・カバウカンチ。ファービオ・グージェウ、レオナルド・ヴィエイラ、マルセリーニョ・ガウシア、フーベン・シャーレス・コブリーニャなど、数々の柔術界の強豪を育て上げた名伯楽の下で、2時間に渡り、5人は汗を流した。
ルーカス・レプリとジャカレのテクニックは、デラヒーバ・ガードに対して、パス、バックを取る動きを3例。道着に慣れていない漆谷や水垣は当然として、柔術紫帯の久米と伊藤も細かい部分で戸惑う様子もしばしば見られた。
テクニックが終わると、8分×2R、そして10分×2Rと、実に36分に渡るスパーリングへ。そんなハードかつ不慣れな道着のトレーニングを終えた水垣に出稽古第一弾の印象を尋ねた。
――出稽古ツアー、最初のクラスが終りました。
「そうですね、一発目が柔術っていう苦手分野で滅茶苦茶疲れましたね。スパーリングも、普段は8分とか10分とか長いものはやっていないので。前半、技術に動きで対抗しようと思っていたら、後半はもうバテバテになりました。疲れると厳しいですね。
相手は体格のあった人を選んでもらって、紫帯が2人、青帯が1人、この日、青帯になった人が1人でした。最後の紫帯の人だけ僕より大きいですかね。パワーは感じなかったのですが、良いところを取られてしまって。その辺りの防御ができないので、先に良いところを掴まれてしまい、そこからスパーが始まる形なので厳しかったです」
――練習を拝見していて、水垣選手にとっては道着を着た練習は体力トレーニングになるように見えました。
「とにかく疲れましたね。でも、面白かったです。普段ノーギのグラップリングは頭を使うより、体で覚えたことを瞬発力でなるべく正確に仕掛けていくような感じなのですが、柔術はある程度止っている時間があり、考える時間もありました。
10分も同じ人とスパーリングをしていると、後半は向こうのやってくることも読めてきて。掴ませないところが見えてきたり、格闘技を始めたばかりの頃の楽しさを思い出しました」
――スパーは最初の方はフィジカルで、かなり攻め込んでいました。
【写真】じっくり動く攻防に持ち込まれないと、やはりトップMMAファイターのフィジカルは強い。スパーになると、技術練習のぎこちなさは随分と見られなくなる (C) MMAPLANET
「MMA的に有利なポジションは取れました。ただ、疲れてくると、もう無理でした。とにかく疲れました……。なんで、あんなに疲れたのか……。無酸素にはなっていないんですけど、無駄な力を使っているんでしょうね。
テクニックの指導に関していえば、本当に細かかったです。自分が普段やっているグラップリングと比べると丁寧なので、普段からそういう部分を詰めていきたいと思いました」
――ジャカレ・カバウカンチという柔術界の大家から、指導を受けたことで、何か感じたことはありましたか。
「とにかく、分かりやすいです。ポイントを押さえて、その一点を修正してもらうと、動きがスムーズになります。普通のことなんですけど、足の潰し方一つとっても、できていなかった点が何なのか理解できました。その細かさが自分には足りないと感じます」
――まだ、始まったばかりの米国トレーニング紀行ですが、今後はどのような練習をしていきたいですか。
「こっちで練習した、そのことで力が一気につくとかは考えていません。どんな練習をしているのか、訪れるジムで見て、良いものを取りいれていきたいです」