【DEEP JEWELS41】伊澤星花✖アム・ザ・ロケット。ミクロ、ストロー、スーパーアトム。計3冠対決
【写真】一瞬か、15分間か。とにかく気の抜けない、緊張感のある戦いになりそうだ (C)MMAPLANET
11日(火)、DEEPより5月28日(日)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS41の追加カードが発表されている。
既に49キロ契約マッチ=須田萌里✖パク・ジョンウン、ストロー級=万智✖キム・ユジョンというが国際戦が組まれている同大会だが、そこに伊澤星花とアム・ザ・ロケットの49キロ契約3回戦が追加された。
2020年10月デビュー、キャリア2年半という事実が忘れがちになる伊澤の活躍。キャリア2戦目で本野美樹を下し、3戦目でDEEP JEWELSストロー級のベルトを巻くと、RIZINに進出して女子スーパーアトム級GPを制し2本目のベルトを手にした。
本来は5月6日のRIZIN42で山本美憂のラストファイトの相手と務める予定だったが、山本の負傷で延期となり──2021年10月のパク・シウ以来のDEEP JEWELS凱旋。1年7カ月振りのケージでの試合となる。
とはいっても今回の伊澤の試合は顔見せでも、チューニングアップファイトでもない。対戦相手のアム・ザ・ロケットはDEEP JEWELSミクロ級王者だ。そのアムはコロナ禍前の2020年2月以来の実戦復帰、つまりは伊澤のデビュー後は一度もケージやリングで戦っていないことになる。
アムはミクロ級=44キロのチャンピオンだが、8試合のMMAキャリアで50キロ契約、アトム級✖2、48キロ契約✖2、49キロ契約✖2と大半を49キロ前後で戦ってきた。ムエタイでもWMCとWPMFの女子ミニフライ級(47.6キロ)でベルと巻いており、ナチュラル・ストローからフィジカル強化をはかる伊澤とは、ミクロ級王者という響きほどパワーの違いはないかもしれない。
とはいえスタイルマッチアップ的には伊澤が圧倒的に有利という見方は成り立つ。特に足を取って倒す、レスリングテイクダウンに長けた伊澤に対し、ナムの立ち技がどこまで有効か。打撃の圧で伊澤の組みの圧が落ちるとは、過去の試合からも考えられない。逆に立ち技の習得にも余念のない伊澤だからこそ、アムの一瞬の崩し、こかしというムエタイ流のテイクダウンを交えての打撃が有効になる可能性がある。
寝技のコントロール術も伊澤が上回ることは明白だが、ここでも柔術を習得しているアムの一瞬の切り返しは注意が必要だろう。日本人選手とは違う力とバネ、タイ人特有のフィジカル特性を生かした一瞬の腰切りからの腕十字。さらには寝技の首相撲的なニーシールドに通じるオーバーハンド、頭を解てからのヒザやスネの使い方も、伊澤も未体験ゾーンかもしれない。
まだまだ成熟期でなく成長期の2冠王に対し、アムのコンディション、試合勘も勝敗を左右するファクターとなるだろう──楽しみな顔合わせだ。