【UFC173】菊野克紀 「戦いは勇気と覚悟と自信に集約される」
【写真】スケールの上でも泰然として構える菊野克紀(C)MMAPLANET
24日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスMGMグランドガーテン・アリーナで開催されるUFC173「Barao vs Dillashaw」。1月のUFCデビューから5カ月と3週間、菊野克紀がオクタゴン2戦目を初めて米国で戦うこととなった。
トニー・ファーガソン、TUFシーズン13ウィナー、UFC戦績は3勝1敗という実績で上回る相手との試合を翌日に控えてなお、非常に落ち着き払った菊野に、計量終了後にインタビューを試みた。
──計量直後の菊野選手ですが、随分と余裕が感じられます。
「年の功ですね、僕は」
──初めての米国での試合でも問題ない?
「時差ボケも感じなかったですし、ビュッフェが充実しているので食事も気にならないです」
──公開計量の時の様子もシンガポール大会より、余裕が感じられました。
「そうかもしれないですね。2回目というのもありますし、自信もありますしね」
──自信がついたというのは、大きいですね。
「自信と考え方です。考えた方という部分も成長できていると思うので、ハイ」
──前回のMMAPLANETのインタビューから2カ月弱、さらに自信がついたということでしょうか。
「そうですね。ハイ」
──ところで計量時のトニー・ファーガソンですが、かなり体重が戻りそうな体つきではありました。
「そうでしょうね。そう思います。今日はそれほど大きく見えなかったです。クィン・マルハーンもそうでしたけど、計量の時と試合では全然違いました。それも一度経験したので、あまり驚かないと思います」
──本当に落ち着いていますね。
「ハイ、集中できていると思います。明日、その5分×3Rに集中するだけ――です」
──菊野選手には現代MMA論で対戦相手のことを伺っても、あまり意味がないかと思っています。沖縄拳法空手を私どもがしっかりと理解しないと、対戦相手の特徴や過去の戦い方を引き合いに出しても、戦いの展望などを尋ねることができない。そんななか、この試合に関して気を付けないといけないと思っている点はありますか。
「(沖縄拳法空手を菊野に指導している)山城(美智)先生から言われた言葉で、凄く身に染みている言葉が3つほどあります。試合の時にまず『ビビったら負け』、そして『無傷で勝とうと思うな』、最後に『ドンと来い』という言葉なんです」
──ドンと来い?
「ビビったら負け――勇気と、無傷で勝とうと思うな――覚悟と、ドンと来い――自信という3つになります。負けた時は、このうちのどれかが欠けていました。勝っている時は腹が据わっている。戦いって、この3つ、勇気と覚悟と自信に集約されていると思います」
──最初は3つとも持っていても、試合中に欠けてしまったことはありますか。
「あります。ありますよね。やっぱり浮ついた自信とか、浮ついた覚悟じゃ剥がれてしまうんです。試合の時のプレッシャーだとか怖さ、疲れ、痛みなどでペロッと剥がれてしまいます。今はそうでなくなったと思います。積み上げて来ている。まぁ、大丈夫だと思います」
【写真】菊野の後に計量を済ませたトニー・ファーガソンは、このようなポーズを取った(C)MMAPLANET
──ファーガソンがフェイスオフで、あのような低い構えを見せたのは、菊野選手が空手の構えを見せることを想定した上だったと思います。つまり、その真理を理解できているかは別にして、菊野選手のスタイルを研究してきている。
「それはそうでしょうね。相手も一流ですからね。ただ、映像を見ても僕がやっていることは分からないと思います。それが僕の強みです。51×49を目指します。無傷で勝てるとは思っていないです」
■ UFC173計量結果
<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ヘナン・バラォン:135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者] TJ・ディラショー:135ポンド(61.24キロ)
<ライトヘビー級/5分3R>
ダン・ヘンダーソン:199ポンド(90.27キロ)
ダニエル・コーミエー:205ポンド(92.99キロ)
<ウェルター級/5分3R>
ロビー・ローラー:171ポンド(77.57キロ)
ジェイク・エレンバーガー:171ポンド(77.57キロ)
<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥:135ポンド(61.24キロ)
フランシスコ・リベラ:135ポンド(61.24キロ)
<ライト級/5分3R>
ジェイミー・ヴァーナー:155ポンド(70.31キロ)
ジェイムス・クラウス:156ポンド(70.76キロ)
<ライト級/5分3R>
マイケル・キエーザ:156ポンド(70.76キロ)
フランシスコ・トリナルド:155ポンド(70.31キロ)
<ライト級/5分3R>
トニー・ファーガソン:155ポンド(70.31キロ)
菊野克紀:155ポンド(70.31キロ)
<バンタム級/5分3R>
クリス・ホールズワース:135ポンド(61.24キロ)
チコ・カムス:135ポンド(61.24キロ)
<ライト級/5分3R>
アル・イアキンタ:155ポンド(70.31キロ)
ミッチ・クラーク:155ポンド(70.31キロ)
<ライト級/5分3R>
アンソニー・ンジョグアーニ:155ポンド(70.31キロ)
ビンチ・ピチェル:155ポンド(70.31キロ)
<フェザー級/5分3R>
サム・シシリア:146ポンド(66.23キロ)
アーロン・フィリップス:145ポンド(65.77キロ)
<ウェルター級/5分3R>
デビッド・ミショー:171ポンド(77.57キロ)
リー・ジンリャン:170ポンド(77.11キロ)