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【UFC173】水垣偉弥「日本人が越えられない壁を越えて」

Takeya Mizugaki

【写真】大沢ケンジ率いる和術慧舟會HEARTSでも練習を始めたという水垣偉弥。目を細めているのではなく、練習で目の周囲をこすり、やや腫れていたのでそう見える (C)MMAPLANET

5月24日(土・現地時間)、UFC173で、フランシスコ・リベラと対戦する水垣偉弥インタビュー後編。

TJ・ディラショー戦を失い、リベラと戦うようになった水垣は今年に入って、やむを得ない事情でプロ練習を行う場所の変更を強いられた。そんな現実を受け止め、「練習を見直す機会」と捉えるようになった水垣の現在の練習環境と改めてリベラ戦への意気込みを尋ねた。
<水垣偉弥インタビューPart.01はコチラから>

――これまでフィジカルも含め、週に3日はグランドスラムへ足を運んでいたと思うのですが、この機会に練習内容を見直したことで、新しく目が届くようになったことはありますか。

「そうですね、違ったメンバーと横浜ジムでスパーリングをするようになったので、新しい刺激を受けるようになりました。違うことをやってくる人との練習もあるので。そういう意味では、一つ幅が広がったかなというのはあります」

――常にBJ選手や田中選手と行動を共にしているのですか。

「そうではないです」

――では、シューティングジム横浜以外にも新しく練習するようになった場所はありますか。

「基本は変えていないです。新しく始まったプロ練習と、前から増やしたかったレスリング。なかなかスケジュールを考えると難しかったのですがレスリングの練習は、週1回から2回になった程度ですが、増やせました。ボクシングはこれまでも、色々なところで練習させてもらっていたのですが、今は横浜光ジムで金子大樹選手(※昨年の大晦日にWBA世界スーパーフェザー級チャンピオンの内山高志に挑戦、ダウンを奪うも判定負け)と練習させてもらっています。

今回は相手(※フランシスコ・リベラ)もパンチャーなので、レベルの高い打撃に慣れておくという意味で凄く助かっています。あとは八景ジムの練習もこれまで通りですね」

――では、この機に特に新しい場所で練習をするようになったというのはない。

「一カ所……大沢(ケンジ)さんのHEARTSで行われているプロ練習に参加させてもらっています。大沢さんを始め、北岡(悟)さん、大石幸史さん、内村(洋次郎)さん、ノリ、小見川(道大)さん、金原(正徳)さんと濃い練習ができています。ただ、火曜日に通おうと思っているのですが、ビザの面接やらメディカルがその日に入ることが多くて、それほど通えていないんです」

――それだけの陣容だと、ケージ際の攻防もテイクダウン&スクランブルにギロチンも有り、本当に良い練習ができていそうですね。ところで、リベラはガードから極めという寝技は見せますが、ディラショーのようなテイクダウンやバックコントロールはありません。水垣選手の苦手な部分を持つ相手ではなくなりました。

「得意分野が近い……。お互い好きな分野だけで、それも危険なところで戦う──そういう怖さは増えたかと思います」

――5月24日の大会は、UFCにとっても独立記念日、年末、スーパーボウルと並ぶ、メモリアルデー・ウィークエンドのビッグイベントになります。そのような大会で戦うことについてどのように考えていますか。

「ラスベガス、そしてメインカードで試合ができるということで、ある程度は評価してくれているのかと思います。注目度の高い大会に出て、良い勝ち方をすれば名前も評価も上がるわけですし、チャンスだと思っています」

――同大会のメインはヘナン・バラォン×TJ・ディラショー戦について、どのような結果になると予想されていますか。

「あのう……、ディラショーがどんどん仕掛けていく展開になると思いますが、バラォンは全てに対応できるので、有利といえばバラォン有利かと思っています。ただ、こないだのマイク・イーストン戦のようにディラショーが、5Rになってもずっと仕掛け続けることができればチャンスが出てくる可能性があると思っています」

――リベラ戦をクリアした場合、改めてディラショーと戦いたいという気持ちはありますか。

「もちろんあります。ディラショーがチャンピオンになれば、その気持ちはさらに強くなります」

――この試合に勝てば、これからの水垣選手の対戦相手は、とんでもないファイターばかりになってきそうですね。

「ここからの戦いが、本当の意味で日本人ファイターが苦戦し、なかなか越えられない壁になっています。そういう戦いが始まるので、そこを越えていきたいです」

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