【RIZIN54】大晦日出場に向け、ガジャマトフと激突。伊藤裕樹「好きな人のことは真似したくなる現象」
【写真】取材は7月31日、合同公開練習の翌日に行われた。果たして伊藤の言う「好きな人」とは――(C)SHOJIRO KAMEIKE
11日(火・祝)に東京都江東区のTOYOTA ARENA TOKYOで開催されるRIZIN54で、伊藤裕樹がアリベク・ガジャマトフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
昨年のGP開催に続き、今年もRIZINフライ級が大きく動いた。6月の仙台大会でチャンピオンの扇久保博正から神龍誠がベルトを奪取。さらに元谷友貴がトニー・ララミーに敗れるなど、波乱が起こっている。
そんななか伊藤はフライ級GPでは1回戦を突破し、続くリザーブマッチで山本アーセンに敗れるも、今年3月にカルロス・モタをKOして再起を果たした。ベルトを巡る戦いが大きく動いた今だからこそ、改めて王座挑戦をアピールするチャンスに――GPベスト4のガジャマトフとの対戦は、まさに絶好の機会だ。7月30日に行われた合同公開練習で、伊藤はガジャマトフ戦で「覚悟」を見せると語った。今年は名古屋バンテリンドームで開催される大晦日大会を目指して――。
名古屋でタイトルマッチをやりたいという気持ちはあります
――ガジャマトフ戦に関するお話の前に……6月の仙台大会で、神龍誠選手が扇久保博正選手からフライ級王座を奪取しました。この戴冠劇はどのように捉えていますか。
「神龍の成長度合いが凄いと思いました。神龍って結構、自分から試合をつくろうとするじゃないですか。アグレッシブに自分から試合をつくって、扇久保さんのやりたいことをやらせなかった。そのアグレッシブさが良い感じに出た試合だったと思いますね」
――では、扇久保選手というチャンピオンの牙城を崩したのが自分ではなく、神龍選手だったという点については?
「これは失礼な言い方になるかもしれんけど――自分の中では、別に扇久保さんが絶対的な感じでもなかったんですよ。やりようによっては勝てる、という算段もありました。だから神龍が勝ったのはシンプルに凄い、と思っています」
――なるほど。では仙台大会でもう一つの意外な結果と言いますか、トニー・ララミーが元谷友貴選手を下した試合については、いかがですか。元谷選手は同じフライ級のライバルであるとともに、名古屋の寒天練=ナゴヤ・トップチームの練習仲間でもあります。
「ヤバかったですね。個人的にもあの試合のほうが……『元谷さんを完封するのか!』とビックリしました。ララミーの覚醒した感じが凄いです」
――自身が昨年3月に対戦した時よりも、ララミーは強くなっていますか。
「いや、僕が戦った時もララミーは強かったですよ(笑)」
――アハハハ、もちろんです。
「ファイトIQを正常に戻したというか、ちゃんとMMAをさせたら強いですよね」
――日本でキャリアを積むことで、RIZINという舞台やルールに慣れてきたという印象はあります。
「分かります。確実に慣れてきていますよね。だから怖い存在であることは変わらないですけど」
――ララミーは元谷選手に勝ち、フライ級王座挑戦をアピールしています。そのララミーを伊藤選手は下している。ここでララミーが神龍選手に挑戦するとなると、伊藤選手としては複雑な気持ちが生まれませんか。
「まぁ普通に考えたら次の挑戦者はララミーってことになりますよね。それこそ元谷さんって、フライ級で負ける印象はなかったじゃないですか。ララミーは元谷さんを完封しているわけなので」
――「たられば」の話をしても仕方ないですが、伊藤選手の前戦は今年3月のカルロス・モタ戦でした。モタにKO勝ちしてから5カ月の間に、もっと早く次の試合が組まれていれば、伊藤選手がその順番に入ってきた可能性もなくはないと思います。
「RIZINにはランキングがないから何とも言えないですけど、自分はモタ戦の前にも負けていますし(山本アーセンに判定負け)。それで今年の大晦日は名古屋で開催されるじゃないですか。だから名古屋でタイトルマッチをやりたいという気持ちはあります。もし10月あたりに神龍とララミーのタイトルマッチがあったとしたら、勝者は怪我をせずに大晦日、自分とタイトルマッチをやってほしい。個人的にはそう考えていますね」
僕は扇久保さんっぽくない組技ができるので。それを上手くアジャストできたら、と思っていますね
――実際のところ伊藤選手はそれだけのポジションを獲得し、モタにKO勝ちして以降も試合出場や大会自体をアピールしています。しかし試合間隔が5カ月空いた、というのは意外でした。
「怪我もなかったのですぐ試合をしたかったけど、『ここで勝ったら次はこの選手が来そう』というのも、だいたい分かるじゃないですか。久しぶりにこれだけ試合間隔が空いた分、いろいろと次のために、しっかりとつくり上げてきました」
――それは「次の試合はガジャマトフ戦になるだろう」と想定していたのですか。
「もともと僕のほうから『ガジャマトフと試合したい』って伝えていたんですよ。今のRIZINフライ級の主力メンバーといえば、ガジャマトフやホセ・トーレスがいて。バーサス世界ということであれば、そういう海外選手と対戦したいとは言っていました」
――確かにガジャマトフはフライ級GPのベスト4選手であり、そのガジャマトフに勝てば一気にベルト挑戦は近づくでしょう。
「そういう流れではありますよね」
――ガジャマトフと対戦したいと伝えて以降は、ガジャマトフ対策を講じてきたのですか。それとも他に何か新しいことに取り組んできたのでしょうか。
「扇久保さんと僕はタイプが全然違うので、扇久保さんがガジャマトフに勝った試合も、あまり参考にはならないですよね。それより自分の引き出し、バリエーションの幅を増やしてきました」
――扇久保選手はガジャマトフを組み潰しました。まるっきり扇久保選手と同じ戦いをすることはないとしても、組みの展開で参考になる部分はあったのではないですか。
「その点については自分の中でも良いイメージができています。全部が全部、扇久保さんと同じことができるわけじゃないけど、逆に僕は扇久保さんっぽくない組技ができるので。それを上手くアジャストできたら、と思っていますね」
――ちなみに「自分の引き出し、バリエーションの幅を増やしてきた」というのは、具体的に……。
「フフフ、そこは試合当日のお楽しみで」
好きな人のエッセンスを加えたら、ガジャマトフは焦れてくると思う
――何かヒントはありませんか。
「まぁ試合を見てもらえれば分かりますけど、『好きな人のことは真似したくなる』現象ってあるじゃないですか。好きな人に憧れてファッションを真似した、とか。そういうものを試合中に感じ取ってもらえるかもしれないです(笑)」
――好きな人ということは神龍選手の真似をする、と。
「アハハハ! それは何とも言えないですね」
――再以後には、最近YouTube等でも大人気な「考察」が行われるかもしれません。「果たして伊藤裕樹の好きな人とは誰だったのか」とか。
「それはぜひやってほしいです(笑)」
――ただし試合後の考察を楽しむことができるのは、自分が勝った時だけかと思います。好きな人の真似をすることで、余計に負けられない。そんなプレッシャーを自分自身に与えているのでしょうか。
「あまり気負い過ぎると良くないので、良い意味でフラットに取り入れています。『ここまでやって負けたら仕方ない』という気持ちで練習しているし、試合では気負い過ぎずにそれを出したいですね」
――今回のガジャマトフ戦をクリアして大晦日の名古屋大会へ、と愛知県の選手たちは盛り上がっていますか。
「やっぱり地元で開催される限りは出たいですよね。僕もまだ大晦日大会に出たことがなくて。このタイミングで、ベルトに近づくための試合がある。ガジャマトフに勝って初の大晦日、しかも地元でタイトルに挑戦するというイメージを持っています。それは次の試合に向けて良いモチベーションになっていますよ。ガジャマトフを倒したら、もう誰も文句はないでしょう」
――大晦日でタイトルマッチをやるためにも重要な一戦となるガジャマトフ戦。危険な打撃を持つ相手ですが、打撃戦になっても自分は食らわない自信はありますか。
「どちらかというとガジャマトフは中間距離、遠い距離のほうが強いじゃないですか。そこは自分の出入りと至近距離のパンチで負ける気はしないですね。一発もらったら危ない打撃を持っているで、そこは警戒しながら。
さらに好きな人のエッセンスを加えたら、ガジャマトフは焦れてくると思うんです。焦れて出てきたところに、バシッと愛の一撃を叩き込みます!」
■視聴方法(予定)
8月11日(火・祝)
午後1時~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN54対戦カード
<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ(ブラジル)
秋元強真(日本)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
パッチー・ミックス(米国)
<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<ジャパンGP2026ヘビー級T準決勝/5分3R>
上田幹雄(日本)
エドポロキング(日本)
<ジャパンGP2026ヘビー級T準決勝/5分3R>
スダリオ剛(日本)
酒井リョウ(日本)
<バンタム級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
武田光司(日本)
<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
アジスベク・テミロフ(ウズベキスタン)
<フライ級/5分3R>
平本丈(日本)
ジョリー(日本)
<69キロ契約/5分3R>
直樹(日本)
細川一颯(日本)
<フェザー級/5分3R>
水野新太(日本)
リー・カイウェン(中国)



















