【Lemino Shooto08】ティオル・タン戦へ、河名マスト「MMAを続ける理由を探す旅にも、出ていない」
【写真】ちょっと良い空気感のカフェ、あるいはバーのカウンターの中にいそうな人に……(C)MMAPLANET
24日(木)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるLemino Shooto08に河名マストが初参戦を果たす。
Text by Manabu Takashima
U23世界選手権、グレコ59キロ優勝。輝かしいレスリングを引っ提げMMAに転じた河名は、一昨年のRoad to UFCに出場したが、準決勝で中国のシェ・ビンに敗れた。その後は韓国のZFNで再起を図ったが、3試合して1勝2敗と負け越してしまう。
後がないといっても過言でない河名が、2年7カ月振りの国内でのファイトに臨む。対戦相手は元ONEファイターだが、「ヒリヒリもせずにやっつけないといけない」と断言した。
全ては僕の責任で、負けてしまった僕が悪い
――河名選手、その髪型は……。
「いや、これに関しては……。スパイキーアフロにしたかったんですよ」
――篠塚辰樹選手のような!!
「その予定だったんですけど、いつも行っている床屋さんに経験がなかったようで、葉加瀬太郎になってしまいました(笑)」
――そもそも、長髪にしようと思ったのは気分転換で?
「スパイキーアフロにしたくて髪の毛を伸ばしていたのですが、夢破れました。具志堅用高さんのように頭を殴られても大丈夫なように守っていこうと思って(笑)」
――逆に心配になってしまいますが……。試合の時も、その目にかかったままの髪の毛で戦うのですか。
「いえ、恐らく編み込むことになると思います。そうしないとクレイ・グィダみたいになってしまうので(笑)」
――でも正直、似合っていると思います。
「ハハハハ。ありがとうございます。まぁ言われたように気分転換です。切るのはすぐにできるけど、伸ばすのは時間が掛かるので」
――それよりも、顎鬚の方が気になります。
「アハハハハ。髭の方は諦めています。たまに横を整えるぐらいで」
――奥様はなんと?
「気持ち悪いって言われています(笑)」
――ハハハハハ。容姿の話題はそれぐらいにして、そろそろMMAとさせてください(笑)。去年の11月、パク・チャンス戦以来の実戦となります。2024年のRoad to UFC準決勝敗退後、ZFNからUFCを目指しましたが、3戦して1勝2敗。K-MMAに実績狩りをされた形となります。それから、10カ月を経て、Lemino修斗出場です。
「ZFNは向こうのトップどころと試合を組んでくれて、結果として僕が勝てなかった。全ては僕の責任で、負けてしまった僕が悪い。結果、ZFNで僕の対戦相手候補はユン・チャンミンぐらいしかいないなかで、彼との試合が流れた。韓国……ZFNではユン・チャンミン以外に相手がいないなら、どうすれば良いのか迷っていました。
そのなかで6月……7月ぐらいから岡田さんに話をもらっていて、とにかく試合がしたかったのでLemino修斗に出ようと思っていました」
――この間、河名選手に関して練習仲間から「スパーを続けない」、「練習量が足りていない」というような厳しい意見を聞くこともしばしばありました。
「MMAを始めた頃に比べると、そこがブレているのは認めざるを得ない。スパーリングの量が落ちていたのは事実です。ミットとか、MMAの形にフォーカスして練習をしていた。良くも悪くもMMAが上手くなっていたと思います」
――上手……でもMMAを巧く戦わないと。河名選手はパンチを被弾することを怖がらないという長所を持つ反面、パンチを被弾しながら戦うことが多くなっていたように見えました。
「本来はレスリングのための打撃。それが組んでも切られたから、打撃に行くようになっていましたね」
――奇しくも本日のUFCで、ユ・ジュサンの最初のスピニングバックキックが空振りに終わりました。
「今の僕だったら、アレはかわせるはずです(笑)」
――その言葉が聞かれるということは、河名選手のMMAが変化したということを意味しているのでしょうか。
「もちろん打撃をやらないといけないので、打撃の間合い。組んだあともフィニッシュにいかないといけない。そこに向かうパターンは、確実に以前より増えていると思います。
だからこそ、この間はレスリングを続けるためにちゃんと殴れるようになる練習をしてきました。レスリングが続けられないから殴り合うのではなくて、殴り合う距離のなかで緩急をつけながらアタックを続け、最後はレスリングで勝負する。そのための打撃ですね。10カ月空いたことで、ここは間違いなく変わりました」
とにかく殴る、蹴る、組む。で、殴る。極める。
――UFCを目指すファイターで、契約が難しくなっていくのは実力低下ではなく、年齢の増加とレコードの悪化だと自分が考えています。力は疑っていない。だからこそ、今回のティオル・タン戦はこの間に積んできたモノを見せて欲しいです。
「この相手に勝ったからって、Road to UFCとか言える相手ではないです。そこは弁えています。今回の試合は勝つのは当たり前というか、ヒリヒリもせずにやっつけないといけないと思っています」
――当初の予定ではカイル・マヨッキと戦う予定が、マヨッキが負傷し対戦相手が代わったと聞いています。その後、マヨッキは1カ月後にバンタム級で吉野光選手と戦うことが決まりましたが。
「試合まで1カ月半ぐらい前に、マヨッキ戦がなくなりました。実際、マヨッキと戦うと決めたのは――オファーが来たからです。とにかく試合がしたかったから、断ることなかった。同時にマヨッキは次のRoad to UFCに出て然りの選手なので、Road to UFCベテランと戦うのは好都合。だから僕が選ばれたという受け取り方はしました。
マヨッキは相当に強いですけど、もちろん勝つつもりで受けました。組んで何かを起こせるようには、確実になっているので」
――ではティオル・タンに代わった時は、どのような気持ちに?
「特に大きな感情の変化はなかったですけど、恐怖心が良くも悪くも薄れたというのはあります。ティオル・タンは8勝5敗、判定勝ちも多い。マヨッキと戦うより、殺される確率はぐっと下がります。致死率が下がったことに対して、素直に恐怖心が薄れました。
とにかく殴る、蹴る、組む。で、殴る。極める。一連のMMAのフロー的なモノを今回は出せるかなと思っています」
――今もケージのなかにオアシスはありますか。
「ハイ、遠くの方に(笑)。でも、それはこれまで砂漠に一つしかなかったオアシスで。今の僕はもう少し、点在しているオアシスを見つけることができるようになったと思います」
――押忍。では今後に関してですが、また海外に挑むのか、国際戦を戦えるLemino修斗に継続参戦するのか。どのように考えていますか。
「そこに関しては、何も先が見えていないです」
――中村倫也選手のようにMMAでトップになるという夢を持っていたわけでなく、レスリングの実績を引っ提げてMMAに転じた河名選手です。そこで最高峰を目指す目標を掲げ、躓きました。そうなるとMMAを続けるモチベーションを維持できるのかと危惧をしていたというのはあります。
「そこも……なんですかね……、自分のなかでMMAを究めるための手段がUFCでなく、MMAをやる目的がUFCだったと気付かされました。そして自分が目指しているところに辿り着くのは、かなり厳しい。その状態で『お前はどうするんだ?』と問われているのが、今です。MMAを続ける理由を探す旅にも、まだ出ていない。まだ玄関にいる感じで。今は短期でしか見ることができていないので、今回しっかりと勝って目の前を明るく灯したいです」
――「〇〇に行きたい」。「〇〇で戦いたい」という発言は、もう当たり前過ぎて。〇〇から必要とされる試合をしないといけない。そういう部分において、今回はどのような試合を見せたいですか。
「そこは変わらず、レスリングと暴力です。ちゃんと殴って、決着をつける。殴って、組んで、倒して。殴る。そういう感じですね」
■視聴方法(予定)
9月24日(木)
午後6時~ Lemino
■Lemino Shooto08 対戦カード
<バンタム級/5分3R>
永井奏多(日本)
ニコラ・リー・キンギ(ニュージーランド)
<フェザー級/5分3R>
河名マスト(日本)
ティル・タン(ミャンマー)
<フェザー級/5分3R>
飯野雄斗(日本)
エルデム・タハ・ディンチェル(トルコ)
<フェザー級/5分3R>
上原平(日本)
ネイン・ディネッシュ(インド)
<フェザー級/5分3R>
グ・ジユン(日本)
トミー矢野(日本)
<ストロー級/5分2R>
友利幸汰(日本)
ザ・タイガー石井(日本)
<バンタム級/5分2R>
彬大(日本)
松山瑞穂(日本)
<フェザー級/5分2R>
佐藤大知(日本)
小川龍斗(日本)
<フェザー級/5分2R>
久保村ヨシTERU(日本)
井上理久(日本)



















