【Pancrase366】SARAMI、2年振りの実戦で二階級制覇へ。「パンチで勝つイメージなんてないですよね?」
【写真】会見もインタビューも苦手というSARAMI。話下手でも、伝わってくる言葉がある (C)MMAPLANET
23日(水・祝)、東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPancrase366のメインでアトム級QOPのSARAMIが、ストロー級QOP本野美樹に挑む。
Text by Manabu Takashima
JEWELS、修斗アトム級のトップ戦線で活躍し、後者ではSアトム級王座を獲得。ONE WS、RIZINでも勝ち星を挙げてきたSARAMIは2024年3月にアトム級クィーン・オブ・パンクラス王者に輝いた。
その年の9月にホン・イェリンに勝利を収めると、今回のタイトル戦まで2年間ブランクが空いた。本人も意図しなかった足踏みと、二階級制覇がかかった試合に関して――その複雑な心境を尋ねた。
そして――一言ひとこと、懸命に心の打ちを話すSARAMIからは、人生最大のビッグショットの裏にあるMMAファイターの矜持が感じられた。
全く納得していないですよ。してないですけど……
――SARAMI選手、いつだったか恵比寿駅周辺でばったりと会って「試合がない。海外でもしたい。どこか聞いてもらえないですか」という立ち話をして。
「あれ、いつでしたっけ? 韓国で戦えないかとか話した時ですよね」
――ハイ、そうでした。自分も韓国の知人を通して幾ばくのルートを探ってもらったのですが、色よい返事が戻ってこなかったです。SARAMI選手自身は、なぜここまで試合が組まれないのかと自問自答したことはなかったですか。
「一つはアトム級と言うのもあるかな……というのは、ありました。マネージャーもいないし、自分から積極的に動かないし。パンクラスでアトム級チャンピオンになって、『外国人選手と戦いたいです』ということは伝えていて、それなのに色々なところと話すのは違うと思いますし。話が来るのを待っているような状態でした」
――そして2年間のブランクが……。この間に引退を考えたことは?
「本当は……2年空く前に外国人選手と2試合ぐらい戦って辞めようかと思っていたんです。もう、良い想いはしたかなって感じて。自分が思ってもいなかった勝ち方もできたし、いい加減次の人生を始めないと、手遅れになるという気持ちもありました。そうしたら、なかなか試合が決まらなくて。万智が『SARAMIさんは格闘技の神様が、まだまだ辞めちゃダメだって言っているんですよ』なんて言ってきて。アハハハハ」
――無邪気です。
「でも、私も『あっ、そっか。そうね』みたいな(笑)」
――ハハハハ。そっちの方が問題ありですよ(笑)。
「でも、試合が決まらないのは業界として、私は必要ないのかとか色々と考えました。そうなると練習も試合の時が120パーセントだとすると、この間は70パーセントぐらいになっていたと思います。試合がないと、どうしてもそうなってしまっていましたね」
――今回のストロー級でのタイトル挑戦が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。
「7月……6月末ぐらいかな。ずっとパンクラスは本野さんには声を掛けてくれていたと思います。でもRoad to UFCのリザーバーになって、結果、代役での試合は回ってこなかったことで決まったみたいな感じかと」
――4キロ増えることに関して、SARAMI選手は納得のうえだったのですね。
「ハハハハ。全く納得していないですよ。してないですけど……、パンクラスもアトム級で外国人選手を探そうとしてくれていたけど見つからなくて。でも、私的にこのままフェードアウトすることは考えられなかったです。だからと言って、この試合後がどうなるかも今は分からないですけど」
――通常体重はどれぐらいなのですか。
「53、54キロです。汗をかけばストロー級のリミットです。ただ、本野さんも10キロとかリカバリーする選手じゃないでしょうし」
――ともあれ1階級上の試合です。練習内容など、アジャストしたことは?
「特に変えていないです。別に私の強いところを出せれば、階級差はあまり関係ないかなって思っています。私と本野さんの試合で言えば――ですよ。万智とか藤野さんと戦えと言われると、嫌ですけど(笑)。万智はデカいし、藤野さんは普通のパワーじゃないです。あの2人を普段から味わっているから、ここまでじゃないとは思っています。
実際に試合をした藤野さんからは『言うほど力は強くないよ』って言っていました。けど、そりゃあ藤野さんと組んだから誰でもそうなりますよ(笑)。だからアテにならない。きっと本野選手だって、組み力は強いはずです」
――女子選手は今も人数が限られていますが、本野選手と練習で触れたことは?
「彼女が始めた頃にAACCで1回組んでいるっぽいですけど、記憶にないです」
――SARAMI選手はやはり万智&藤野選手グループで。
「ハイ。津田さんのところで週に2、3回一緒にやっています。それ以外はFight Baseに行かせてもらって、あとは茅ヶ崎のリアクト・ジム湘南という日菜太選手のやっているジムで打撃をしています。今、職場が茅ヶ崎で湘南に引っ越したので」
――万智&藤野選手と八丁堀で練習する一方で、Fight Baseでも練習するということですが、その辺りはグループ分けのようなモノはあまりないのでしょうか。
「私は戦うことがあるかもしれないから、そこで練習しないというのはないです。そんなこと言っていたら、良い練習ができないですよ。今は本野選手は渡辺彩華選手、伊澤星花選手の所の選手たちと一緒に、澤田チィちゃん(千優)とこよみ君のところでやっていると思いますけど、私は別にチィちゃんとも練習していたし。藤野さんも、きっとそこに行っている。そこは関係ないですよね、私たちのグループは」
――藤野選手は今大会のコメインで、親友といえる杉山しずか選手の引退試合の相手を務めるわけですし。
「ああ、そういえば私は杉山選手とは津田さんのところで会いますけど、Me,Weとの交流はないかもです。藤野さんと杉山選手の試合は、向こうがメインで良いかなぐらいの試合ですし」
――いえいえ、同時二階級制覇がかかった試合です。
「そこは私だけにあるチャンスですよね。他の女子選手に、こんなことは起きない。富山から出てきたこと。パンクラスイズムに所属していたこと。Jewels、修斗、パンクラスと戦ってきた全ての選択が正しかったんだと思っています」
別に人を殴るのが気持ち良いとか、倒すのが楽しいっていうんじゃないんですよ。でも、あそこまで持っていくパズルを組み立てて当たることが楽しい
――集大成ということを感じることはありますか。
「個人的には感じないけど、周りはそう思いますよね(笑)。私は……総合力がかなりある方なので、どの局面でもちゃんと引き出しを出せる。そのなかで、アトム級のベルトをとった時のああいうパンチだったり、修斗のタイトルマッチで黒部さんと戦った時のヒジだったりっていう攻撃をガンガンと出していきたいです」
――SARAMI選手は受けて頑張るという印象だったので、沙弥子戦の一発は正直、驚かされました。
「なんか、あのパンチってあまり評価されていないような気がして。ラッキーパンチだと思われているんじゃないかって。でも、アレをラッキーパンチだと思う人は格闘技を見る目がないですよ」
――いやいや、正直、本人があれだけ驚いたような表情をしていると周囲はラッキーだったと思いますよ(笑)。
「アハハハハ。まぁ、そうですよね。今回、当たっても一緒だと思います。でも、あれを当てるために練習をしているので。高島さんにしても、私がパンチで勝つイメージなんてないですよね?」
――失礼ながら、ないです。スミマセン。あのワンパンKOがあったことで、狙って力みが生じないかと。
「力まないように、その次のホン・イェリン戦で……狙わないように、最初から塩漬けするつもりで戦いました。だから今回の試合も、力まずにあの一発を当てます。
別に人を殴るのが気持ち良いとか、倒すのが楽しいっていうんじゃないんですよ。でも、あそこまで持っていくパズルを組み立てて当たることが楽しい。向かい合っている時に、色々と崩し合いをするわけじゃないですか。それが凄く楽しいです、MMAって」
――その言葉で少なくともMMAPLANETの読者の皆さんは、あの一発は出会い頭でなかったと皆理解してくれると思います。
「そうだと、良いですね(笑)」
――インタビューが苦手ななか、今日は頑張ってくれてありがとうございました。最後に一言意気込みのほどをお願いできますか。
「……。……。……。……。23日、頑張ります!! 会場で私が勝つところを見てほしいです」
■視聴方法(予定)
9月23日(水・祝)
午後14時45分~U-NEXT
■Pancrase366 対戦カード
<ストロー級QOPC/5分5R>
[王者] 本野美樹(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)
<女子54キロ契約/5分3R>
杉山しずか(日本)
藤野恵実(日本)
<女子ストロー級/5分3R>
KAREN(日本)
キアラ・ペンコ(イタリア)
<ライト級/5分3R>
鈴木慈也(日本)
藤村健悟(日本)
<64キロ契約/5分3R>
髙木徳三(日本)
ジョン・ダウン(韓国)
<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
嶋田大輝(日本)
<フライ級/5分3R>
嶺大基(日本)
伊藤勇輝(日本)
<バンタム級/5分3R>
小山敬司(日本)
前田壮吉(日本)
<ライト級/5分3R>
畑大晴(日本)
濱地虎男(日本)



















