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【Lemino Shooto08】PFC王者=ザ・タイガー石井、友利幸汰と対戦「自分のスタイルを貫いて戦いたい」

【写真】いつもと同じ構図でお届けします(C)SHOJIRO KAMEIKE

24日(木)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるLemino Shooto08でザ・タイガー石井が友利幸汰と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2023年6月に田上こゆるにKO負けを喫した石井だが、2024年以降ここまで3連勝中。北海道PFCのストロー級王座も獲得し、昨年12月には早坂優瑠を左ハイで倒し初防衛を果たしている。1979年生まれ、47歳となった石井が次に対戦するのは18歳の友利だ。4勝1敗の若きKOファイターを相手に、今回も石井らしい試合を貫くことはできるか。変わることも必要だが、変わらないことも大切――そんな石井のファイター人生が、ここにある。



2階級とも不戦勝で制覇するというのは、世界的に見ても前代未聞じゃないですか(苦笑)

――試合を9日後に控えている石井選手です(※取材は9月15日に行われた)。今回も同じ構図でお届けすることができ、嬉しいです。

2025年11月のザ・タイガー石井

「アハハハ、よろしくお願いします。きっと今後も同じ構図になると思います」

――なるほど(笑)。石井選手は現在3連勝中で、2017年から2018年にかけて6連勝をマークしていますが、それ以来の実績になるかと思います。

「まぁ、運が良かったところはあるかもしれないですね」

――運が良いだけで3連勝できますか。

2023年6月のザ・タイガー石井

「だから次が怖いですね。次の試合が勝負というか、気が抜けないです。怪我もあって試合間隔も10カ月ぐらい空いてしまっていますし、どうなるか怖い部分はあります」

――怪我というのは、昨年12月の早坂戦以降に?

「いや、前回の試合直前――10日前に、とある箇所を骨折してしまって、結構大変でした(苦笑)」

――試合10日前に骨折! にも関わらず試合では、蹴りで攻め込んだ末に左ハイでKOして……。

2023年4月のザ・タイガー石井

「動くだけでも辛くて、試合では骨折したところを隠して戦っていました。試合前で手術はできないし――5分2Rだったら逃げ切れるかもしれないけど、タイトルマッチで5分5Rだから『どうしよう……』と絶望していましたね。そんななかで勝つことができなのは大きかったです」

――動くだけでも辛いとなると、まず北海道まで飛行機の移動は大丈夫だったのでしょうか。

「痛み止めを打って移動することできましたけど、骨折した部分にはだいぶ負担をかけてしまいました。でも骨折しているところを包帯とか何とかで覆って、北海道まで行くわけにはいかないですし」

――どこを怪我しているのか完全に分かってしまいますからね。

「そうなんです。だから計量の前後も痛み止めを打っていて、試合直前まで骨折した箇所を冷やしながら……なんとかバレないように試合をしまいました。試合が終わっても仕事は休めないし、治療しながら何とかここまで来ています。

それとチャンピオンになったことで、燃え尽きるというか『ひとまず試合の話もないので休んでいいかな』と考えていました。練習はしていましたけど、何となくそういう気持ちが出てきて。よくオリンピックでメダルを獲得した人が『もう引退してもいいか』と思うようになるじゃないですか。その気持ちが何となく分かりました」

――石井選手の場合、もうMMAを50試合以上戦っています。

「実際は、もっと試合数は多いです。海外の戦績サイトでは、入っていないものが10試合ぐらいあって。キックボクシングとかシュートボクシングの試合を入れたら、もっと増えますね。アマ修斗の試合も入れると確実に120試合は戦っていると思います。

自分としては格闘技を始めた時、特にゴールは決めていなかったんですよ。何でもいいから漠然とした目標があれば、また違っていたのかもしれないですね。最初にキックボクシングを始めたのが25歳ぐらいの時で、タイ人と対戦して限界を迎えるのかな――とか考えたりはしていました。でもそこから修斗にシフトチェンジして、また新たな道が開けて今に至る、と」

――しかも新たにベルトも獲得しました。

「今までベルトを巻いたことはあっても、それは不戦勝とかで。ちゃんとした形で勝ってベルトを巻くのは、去年の12月が初めてでした」

――そうなると引退するかどうかはともかく、達成感も大きかったかと思います。昨年7月、当初はPFCストロー級王座に挑戦する予定でしたが、王者の木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅選手が計量をクリアできず。石井選手が新王者に認定されていました。それでは「ベルトを巻くことができたから……」とは思えなかった、と。

「自分の力で勝ってベルトを巻きたかったです。PFCのフライ級王者になった時も、そうだったんですよ。王者決定トーナメント決勝に勝ち進んだら、当時はコロナ禍で対戦相手が欠場になって。2階級制覇しましたけど、2階級とも不戦勝で制覇するというのは、世界的に見ても前代未聞じゃないですか(苦笑)。

去年の7月は写真撮影のためにベルトを巻きましたけど、それ以降は家に置いていても巻けなくて……。だから12月に初めて、ちゃんと胸を張ってベルトを巻くことができた。自分の声で『チャンピオンに慣れました』と言えました」

僕は基本、怪我以外で試合を断ったことがないんです。キック時代なんて――

――その達成感を味わった12月から、再び試合をしようと思ったキッカケはあったのですか。

「単純に、オファーが来たからですね。どんな状態でも練習は、無理しない形で続けていきます。そんななか、Lemino修斗は前々からずっと『出てほしい』という熱心な声を貰っていて。今まではスケジュールが合わずに出ることができていなかったけど、今回はタイミングが合って――だからあまり深い意味はないです」

――もし今回、Lemino修斗からオファーがなければ、2026年は試合をお休みする可能性もあったということですか。

「どこかでPFCストロー級王座の防衛戦があったかもしれないです。ただ、何にしてもタイミングですよね。Lemino修斗のオファーを貰ったあと、PFCに防衛戦のスケジュールを確認すると、まだ先になりそうで。だからこのタイミングでLemino修斗のオファーを受けることにしました。もうこれは逃げ切れないな、と(苦笑)」

――アハハハ。「逃げ切れない」というのは語弊が生じますよ。そもそも試合のオファーを断る、断らないも自分次第であって。

「確かにそうですね(笑)。僕は基本、怪我以外で試合を断ったことがないんですよ。怪我していても戦える状態だったら、やります。キック時代なんて、勝手に試合が決まっていてジムの張り紙で自分の試合を知るぐらいでしたから」

――それも時代、と言っていいのかどうか……。

「そもそも僕のリングネームも、ジムの張り紙を見て『あぁタイガー石井っていう選手がいて、試合が決まったんだ』と思っていたら、自分のことだったんですよね」

――アハハハ!

「試合もリングネームも勝手に決まっていましたから(笑)」

――とはいえキック時代につけられたタイガー石井というリングネームを、修斗を始めて以降も使い続けているのですね。

「修斗の場合は佐山聡先生がタイガーマスクだから、タイガーを名乗るのは――ということも言われていましたけど、何とか大丈夫でした」

――しかもタイガーマスクの変化に合わせて、自身も「ザ・タイガー石井」になっていますし。

「佐山先生とはお会いしたことはありますけど、ちゃんとお話しさせていただいたことはなくて。だからご存じなのか、どう思っていらっしゃるかは分からないですね(苦笑)」

スピードが違うからには、何か違うもので戦うしかない

――試合の話に戻ると、3連勝していることは「まだまだやれる」という自信には繋がらないですか。

「何とも言えないですね。次の試合をやってみないと――やっぱり年齢も違いますし」

――石井選手が79年生まれで、相手が2008年生まれ。ちなみに生まれた年は違いますが、自分と息子の年齢差とほぼ同じです。

「そうなっちゃいますよね……。練習でも、その年齢の選手と絡んだことも、あまりないです。だから今回の試合に向けて、なるべく若い選手と組むようにしてきました。若い選手って経験はないけど、やっぱり動きが速いですよね。次の相手はもっと速いでしょうし」

――4勝のうち3試合がKO勝ちで、速いうえに思いきりも良いファイターです。

「試合映像を視ると、やっぱり強いですよ。僕の盟友であるサイダーさんと牧ヶ谷君と対戦しているので、ちょっと……(※友利は2025年5月に牧ヶ谷篤に判定勝ち。同年10月には金内サイダー祐哉をKOしている)」

――その若くてベテランキラーである友利選手を超えるためには?

「頑張るしかないです。自分としては、いつもと同じことをやり続けるしかない。もちろん新しい技術は取り入れていますけど、今から全く違うことを取り入れようとしても、うまくいかないと思うので」

――確かに。前回の試合は左ハイで倒したのであれば、同じ左ハイを打ち続けることができるかどうかを確認し、維持あるいは発展させるほうが良い場合もあるでしょう。

「はい。ただ、たとえば同じ左ハイを打つことができているかどうか、何か変わってしまっているかどうかも自分じゃ気づきにくいですよね。周りから言われて、ハッと気づくこともありますし」

――最近、何か変わってきてしまっていると指摘されたことはありますか。

「それはないかもしれないです」

――であれば、ずっと変わらず戦うことができていることこそ、石井選手の一番の強みではないのでしょうか。

「あぁ、そうかもしれないですね。次の試合は若さでガンガン来る相手で、スピードも違うので厳しい戦いになると思いますけど、自分のスタイルを貫いて戦いたいです。スピードが違うからには、何か違うもので戦うしかない」

――何か違うもの、とは?

「今、それ見つけつつあります。試合まであと数日しかないけど、見つけたものの精度を高めていきたいですね。自分にできることを一生懸命やります。あとは全力を尽くすだけです」

■視聴方法(予定)
9月24日(木)
午後6時~ Lemino

■Lemino Shooto08 対戦カード

<バンタム級/5分3R>
永井奏多(日本)
ニコラ・リー・キンギ(ニュージーランド)

<フェザー級/5分3R>
河名マスト(日本)
ティオル・タン(ミャンマー)

<フェザー級/5分3R>
飯野雄斗(日本)
エルデム・タハ・ディンチェル(トルコ)

<フェザー級/5分3R>
上原平(日本)
ネイン・ディネッシュ(インド)

<フェザー級/5分3R>
グ・ジユン(日本)
トミー矢野(日本)

<ストロー級/5分2R>
友利幸汰(日本)
ザ・タイガー石井(日本)

<バンタム級/5分2R>
彬大(日本)
松山瑞穂(日本)

<フェザー級/5分2R>
佐藤大知(日本)
小川龍斗(日本)

<フェザー級/5分2R>
久保村ヨシTERU(日本)
井上理久(日本)

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