【KNOCK OUT59】展望 K-1系 軍司泰斗&大沢文也がMMAグローブ・ムエタイルールでタイの強豪に挑む
【写真】キャリアのほとんどをK-1ルールで戦ってきた軍司と大沢がムエタイルールにチャレンジする(C)KNOCK OUT
15日(土)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるKNOCK OUT59。今大会ではREDルールで軍司泰斗×セーンサックグン・オー.カムイン、大沢文也×ゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッーが組まれている。
Text by Takumi Nakamura
12月30日に国立競技場代々木第二体育館でのビッグマッチKNOCK OUT60「K.O CLIMAX 2025」を控えるなか、2025年ラストの後楽園大会となるKNOCK OUT59。
今大会はUNLIMITEDルールでの試合はなく、REDルール(MMAグローブ/ヒジ・首相撲あり)とBLACKルール(ボクシンググローブ/ヒジ・首相撲なし)が主軸の純立ち技のみのラインナップとなった。メインイベントとセミファイナルにはK-1ルールで戦ってきた大沢文也と軍司泰斗がREDルール=MMAグローブ・ムエタイでタイの強豪に挑むカードが並んでいる。
軍司はアマチュア時代からK-1で戦い、K-1アマチュア、K-1甲子園、Krush、K-1王座、K-1のワンデートーナメントを全て制覇した最初のファイターとなった。
そんなK-1ルールの申し子とも言える軍司が2025年からKNOCK OUTに参戦し、REDルールにチャレンジ。6月の代々木大会でいきなり元ラジャダムナンスタジアム王者のペットルンルアン・ソーチャールワンと対戦すると、K-1時代から得意にしていた左ボディ一発でペットルンルアンをマットに沈めた。
ムエタイファイターは様々なスタイルの選手がいるが、ペットルンルアンは左ミドル+ヒジ・首相撲からのヒザを得意にしており、パンチ主体+首相撲がないルールで戦ってきたK-1系ファイターにとっては天敵と言えるタイプ。軍司が左ボディ一発で倒したことはもちろん、ムエタイ初挑戦でペットルンルアンのようなタイプに勝利したことの方がインパクトが強かった試合だ。
しかし続く8月後楽園大会でのゲーオガンワーン・ソー.アムヌワイデッー戦では、ペットルンルアンと同タイプでスーパーレック・キアットモー9にムエタイで勝利している元ルンピニースタジアム王者ゲーオガンワーンのヒジをもらって轟沈。軍司にとってキャリア初のKO負けであると同時に、ムエタイルールの洗礼を浴びる結果となった。
今大会で軍司はセーンサックグン・オー.カムインと対戦することになったが、これはゲーオガンワーンへのリベンジを目指す軍司がゲーオガンワーンと同タイプの相手を希望し、KNOCK OUTがそれに応えてヒジ・ヒザを得意とするセーンサックグンを用意した形だ。
勝敗のポイントは軍司がどれだけヒジ・ヒザの近距離の攻防で、自分のパンチを当てることが出来るか。ペットルンルアン戦での軍司はいい意味でプレッシャーをかけすぎずサークリングを使いながら、顔面にパンチをまとめてからの左ボディでペットルンルアンをKOした。
逆にゲーオガンワーン戦ではゲーオガンワーンに左ミドル・左ストレートで距離を取られる時間が長く、軍司が左フックを効かせる場面があったものの、最後はゲーオガンワーンに飛び込むような左ヒジをもらってしまった。
過去の2戦は短期決着で倒すか倒されるかの試合になった軍司だが、ヒジ・ヒザを被弾するリスクを避けるべく、インローや三日月蹴りなどヒジ・ヒザをもらわない位置からの蹴りでセーンサックグンにダメージを与えた状態で近距離でのパンチで仕留める。ゲーオガンワーンへのリベンジを見据えて、焦らず時間をかけて仮想ゲーオガンワーン=セーンサックグンに勝利する姿を見せたい。
そのゲーオガンワーンはメインイベントで大沢と対戦する。大沢は軍司と同じくKrush・K-1を中心に活躍し、2024年12月30日にKNOCK OUTに初参戦。UNLIMITEDルールでバズーカ巧樹を下すと、2025年5月には大谷翔司に判定して第3代KNOCK OUT-BLACKライト級王座となり、現在はKNOCK OUTを主戦場に戦っている。
大沢がMMAグローブ・ムエタイで試合をするのは今回が初めてだが、大沢のファイトスタイルそのものがやや遠めの距離設定から、自分の間合いとタイミングで攻撃を当ててポイントを取るタイプだ。対戦相手と近い距離で打ち合ったり、コンタクトする時間を長く持つスタイルではない。また大沢はUNLIMITEDルールで組み・ヒジありの試合そのものは経験しており、自分の本来のファイトスタイルにヒジ・ヒザの対策を付け加えることが、ゲーオガンワーン攻略の糸口になるだろう。
これまで立ち技においてムエタイファイターが新たな道としてヒジ・ヒザなしのキックルールにチャレンジすることが多かったが、ONEにおけるMMAグローブ・ムエタイの盛り上がりにより、逆転現象が起きつつある。K-1系のトップ選手だった軍司と大沢のMMAグローブ・ムエタイルールへの挑戦は立ち技における新たな潮流としても注目したい。
■放送予定
11月15日(土)
午後5時35分~U-NEXT


















