【Pancrase358】RTU出場を見据えて――リベイロ戦に臨む山崎蒼空「新チャンピオンより強いと証明したい」
【写真】コンディションの良さがうかがえる(C)SHOJIRO KAMEIKE
9日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase358。昼夜興行の昼の部となる当大会で、山崎蒼空がラファエル・リベイロと対戦する。
Text by Shojiro Kameike
2023年のプロデビュー以来、7戦無敗。ネオブラ優勝を経て2025年からBreakthrough Combatで国際戦を経験していた山崎が、1年2カ月振りのパンクラス参戦となる。前回のインタビューで発覚した目の負傷も癒え、UFCを目指して戦う山崎がリベイロ戦への自信を語ってくれた(※取材は10月31日に行われた)。
フィニッシュすることへの意識は高くなりました。そこを求めていかないと格闘技じゃないなと思って
――リベイロ戦の話の前にまず、目の負傷が癒えていて良かったです。
「ありがとうございます(笑)。もう万全で大丈夫です。前回のインタビューが目を負傷した直後でしたよね」
――はい。5月に行われたザヒド・アフメド戦の振り返りインタビューで、取材は6月初旬でした。
「目は意外と早く治って――6月末ぐらいに長谷川賢さんから『8月に試合をしませんか?(※MMAPLANET調べでは、オトゴンバートル・ボルドバートル)』と声をかけてもらい、自分もすぐ『やります』と答えたんですよ。結局は大会が流れちゃいましたけど」
――ここでも幻の8月ハセケン興行の話が……(笑)。ともかく、8月には試合ができる状態にまで回復していたのですね。ただ8月の試合が流れた時点で、年内のスケジュールについては、どのように考えていましたか。
「長谷川さんの大会で試合が決まった1週間後ぐらいに、パンクラスさんから9月大会でリベイロ戦のオファーを頂いたんです。でもが先に決まっていたので、パンクラスさんは11月大会でお願いできないかという話をしました。だからこの11月大会は確実に出る予定で、スケジュールを組んでいましたね」
――そうだったのですね。しかし8月の試合がなくなり、「やはりパンクラスの試合を9月に……」という気持ちになったのではないですか。
「実はパンクラスさんから、そういうお話も頂きました。でも自分のほうが体重を戻してしまっていて……。であれば11月大会に向けて、しっかりとつくり直したほうが良いと思ったんです」
――前回のインタビューは試合後とはいえ、かなり頬もふっくらしていました。目の負傷と同様、体重のほうも気になっていて。
「アハハハ。自分は通常体重が重くて、すぐ体重も戻ってしまうんですよ(苦笑)。
去年はネオブラのトーナメントで試合スケジュールが決まっていたので、普段から節制していました。試合が終わって1週間後ぐらいから、また減量——という生活で。でも今年はそういう間隔で試合をしていないから、普段は練習して食べていたら体重も結構増えちゃいますよね。だから通常体重も重くなってしまいました」
――フライ級リミットまで落とすのは、かなりキツイですか。
「キツイというわけではないですね。ただ、減量幅は大きいと思います」
――しかし試合10日前で顔の周りもスッキリしている。減量幅は大きいけれども、順調に落とすことができているのですね。
「すごく順調です。問題なく」
――山崎選手は毎回、試合であれだけパワーを発揮できる。それは試合直前にガッと落とすのではなく、減量幅が大きい分パワーを残しながら、ゆっくりと落としているからでしょうか。
「そうかもしれないです。急激に落としすぎると、やっぱりパワーもスタミナも落ちてしまいますから。今の時点で残り6キロ、最後に水抜きで4キロ落とすぐらいです。
実際、前回のアフメド戦は試合中にガス欠してしまいましたからね(苦笑)。あの時は直前で対戦相手も試合の契約体重も変更になって、試合直前にバッと落としたんですよ。さらにリカバリーにも失敗して、計量後に戻しすぎてしまって。だから体もむくんじゃっていましたし」
――それだけ減量幅があっても順調に落とすことができるので、やはりバンタム級よりフライ級で戦うほうが良いと。
「正直、バンタム級でも試合できます。国内で試合をするうえではバンタム級でも全然問題ないですよ。でも世界を見た時に――UFCを目指しているので、そのためにはフライ級だなって思います」
――UFCの話でいえば、来年のRoad to UFCを目指すなか、8月の試合が流れた時点で軌道修正は考えたでしょうか。
「11月に試合があることは分かっていたので、軌道修正は考えていなかったです。普通に試合で良いパフォーマンスを見せて、フィニッシュすれば評価してもらえると思っています。次の試合では勝ち方が重要になりますよね」
――前回のインタビューでも、フィニッシュに繋がるように意識して動くという言葉がありました。
「去年からフィニッシュすることへの意識は高くなりました。RTUに限らず、そこを求めていかないと格闘技じゃないなと思って」
ここで良い勝ち方ができれば、RTUの話もあると自分の中では考えています
――意識は変わった。では実際の動きや技術面はいかがですか。
「組み技でも打撃でも、どの選手とやっても負けないです。自分より階級が重い選手が相手でも問題ないので。今すごく自信があるんですよ」
――そういえば目を負傷したのは、岡野選手のパンチを受けた時でしたよね。
「そうですね。岡野さんの右ストレートがタイミング良く入っちゃって」
――練習に復帰してから、岡野選手にやり返したのではないですか。
「やり返しているかどうかといえば……やり返しているかもしれないです(笑)」
――アハハハ! 岡野選手はライト級からウェルター級で戦っているファイターです。その岡野選手を相手に、やり返すわけですね。
「はい。自分の場合、一番驚かれるのはフィジカルです。組み力もフライ級の選手ではない、ってよく言われます。技術面も向上していますけど、自分のフィジカルは軽量級の中では抜けていると思うので」
――なるほど。今回は同じ大会で、仕切り直しのフライ級KOP決定戦が行われます。
「今回の試合で、自分のほうが強いかどうか分かると思っています。以前、濱田選手はリベイロと試合をしているじゃないですか(昨年7月、濱田が判定勝ち)。新しいフライ級のチャンピオンが決まっても、勝ち方で自分のほうが強いと証明したいですね。ここで良い勝ち方ができれば、RTUの話もあると自分の中では考えています」
――RTU出場の向けて大きなポイントになるであろう、対戦相手のリベイロ選手の印象を教えてください。
「良い選手だとは思いますけど、スピードも自分のほうが上だと思うし、組技も絶対負けない。問題ないと思っています」
――リベイロのようなタイプは得意ですか。
「得意ですね。相手のほうから出てきてくれるから良い、と思っています。カウンターも併せやすいし、テイクダウンもしやすくなって。展開をつくってきてくれるほうが、自分もやりやすいですね。しっかり体重もつくって、最高のパフォーマンスを見せます。ぜひ楽しみにしてください!」
■視聴方法(予定)
11月9日(日)
Pancrase358=午後0時15分~U-NEXT
Pancrase359=午後4時55分~U-NEXT
■Pancrase358 対戦カード
<フライ級KOP決定戦/5分5R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)
<フライ級/5分3R>
ラファエル・リベイロ(ブラジル)
山崎蒼空(日本)
<バンタム級/5分3R>
合島大樹(日本)
神部篤坊(日本)
<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
清水博人(日本)
<2025年ネオブラッドTバンタム級決勝/5分3R>
佐藤ゆうじ(日本)
白井誠司(日本)
<2025年ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
柴山鷹成(日本)
本川ハルアキ(日本)
<2025年ネオブラッドTストロー級決勝/5分3R>
渋井宏行(日本)
氏原魁星(日本)
<フライ級/5分3R>
平賀丈一郎(日本)
大鹿烈毅(日本)
■Pancrase359 対戦カード
<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
カリベク・アルジクル ウルル(キルギス)
<ストロー級/5分3R>
飯野タテオ(日本)
宮澤雄大(日本)
<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
小林了平(日本)
<ストロー級/5分3R>
野田遼介(日本)
佐々木瞬真(日本)
<フライ級/5分3R>
織部修也(日本)
稲垣祐司(日本)
<フライ級/5分3R>
天坂匡孝(日本)
平野洋太郎(日本)
<バンタム級/5分3R>
小間駿史(日本)
近藤悠真(日本)
<ミドル級/5分3R>
岡村寿紀(日本)
北英将(日本)
















