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【RIZIN】Fight&Life#111より。ATT入りを決めた野村駿太が、ATTで練習開始10日目に語っていたこと

【写真】ATTであり、堀口恭司組の一員という風でもある野村のフロリダでの競技者生活だ(C)NATSUKI KAWAMURA

23日(木)から発売中のFight&Life#111に、先ごろアメリカン・トップチーム移籍を公とした野村駿太のインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima

同インタビューではATTでの練習開始から10日を過ぎて時点で野村が感じた日本との違い――ファースト・インプレッションが語られた。

「回りを見て強い選手だらけなんですけど、凄く丁寧です。そこを凄く感じました。フィジカルでガンガンいって、繊細ではないという先入観を持っていました。それが打ち込みとかも、強い選手ほど動きが滑らかです。力とフィジカルじゃない。やるべきことを皆が分かっている」(野村駿太)

空港を間違い、ロストバゲージするという波乱のスタートにも動じない。心の強さと日本で積んできたことが、ATTの練習でどのように昇華するのか。ここでは、その第一印象について現地の様子を織り交ぜて説明してくれた野村の言葉を紹介したい。


――第一印象が、凄く丁寧だったと。

「そうですね。技の一つ一つがつながっていて、打撃、テイクダウン、寝技がリンクしています。言い方は難しいですけど、僕がMMAだと思ってやっていたモノとは別物で。MMAって、こういう競技なんだと突きつけられている感じがします。日本もそうですが、練習が終わった後で自分がやられたこととか、尋ねたりするじゃないですか」

――ハイ。一礼をしてから、第二部が始まるというような。

「そこの参加人数が違うというか。もちろんコーチとも話をしますし、巧くいかなかったことの対処方法を教わります。練習で出た課題の答え合わせがすぐにできる。特にトップ選手ほど見つかった課題をクリアーにしてから練習を終えていますね。だからストライカーだとか、グラップラーという括りがない。全員がMMAファイターです」

――疑問が生じると、すぐに解決方法が明示されると。

「ハイ。しかも皆が強いから、疑問がどんどん出てきて。色々なトップ選手に色々なやられ方をします。そこに対して、解決方法を教えてもらえる。でも、それも組み技でいえば日本で岩本(健汰)さんや青木(真也)さんにやられてきたことがあったから、その疑問も解決方法も頭に入るというか。日本でやってきたことは間違っていないんです。それをATTでは、もっと煮詰ることができると思います」

――情報は整理できますか。そこまで大量に入ってくることに対して。

「できます。自分だけで考えていると分からなくなることに対し、堀口選手の言葉で整理がついたり。凄く頭に入ってきます、言葉が適切なんですよね。で、堀口選手と話していると、他の選手も加わってきて。さらに色々なことを知ることができる。

例えば、トップを取って腰を切るって……僕のなかではパスがしやすくなるという理解でした。でもATTに来て、腰を切ると下の選手がどのように嫌がるのか。下の選手の思考を教えてもらいました。すると、次の行動が読めて、僕もどう動くのか連動できる。全てつながっているというのは、そういうことなんです」

――納得できました。

「それが毎日繰り返されているから、MMAが自分のなかで滞りなく流れている。『腰が強い』とか『極められない』ということではないんですよね。それはMMAの流れのなかの一つのピースであって、全てじゃないよって。

それに倒せなかったら他にやりようがある。極まらなくても、別の手段がある。それがMMAなので。僕がライト級として速いとか、打撃ができるというのも一つのピースにすぎないんです」

――この短期間でまさに、意識として覚醒していますね。

「だから凄く良いタイミングでATTに来ることができたなって思います。日本で積んでいたことが、より生きるというか。このまま日本にいると、成長がATTで練習をしていることと比べると遅くなる。でも、ここまで日本でやっていなかったら、ATTで学んでいることが消化できていなかった」

MMAのすべて揃っているといっても過言でないATTにあって、堀口恭司が求めていた最後のピース=空手が野村の加入によって揃った。そして大晦日、ホベルト・サトシ・ソウザへの挑戦等、野村の偽ることのない現在の心境が語られたインタビューが掲載されたFight&Life#111は現在発売中です。

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