【PFL CS03】2度目のPFL出場でセンシと対戦「PFLライト級のベルトを巻いて発言権を得て……」
【写真】すでにドバイ入りしていた泉を火曜日にインタビューした (C)MMAPLANET
3日(金・現地時間)、UAEはドバイのコカ・コーラ・アリーナで開催されるPFL Champion Series03「Nurmagomedov vs Hughes2」に泉武志が出場し、ヴィニシウス・センシと戦う。
text by Manabu Takashima
泉は7月にPFL初出場を果たし、力強い戦いを見せたもののダゲスタン戦士マカシャリプ・ゼニュコフに敗れた。それでもPFLが届いたセカンドチャンスを前に、ゼニュコフ戦の試合内容を含め南アフリカで戦った経験が如何に泉を強化したかを尋ねた。そして、泉が抱くPFLライト級王座奪取らのキャリアアップ・プランとは。
──3日後にヴィニシウス・センシ戦を控えている泉選手です。今年は3月のRIZINでスパイル・カーライルに勝ち、7月にPFLに初出場。マカシャリブ・セニュコフ戦で惜しくも勝利を逃した。あの時点で2025年の下半期をどのように過ごそうと思っていましたか。
「もうPFLで戦うことは厳しいと思って、積極的に試合に出てく方向でなく課題を見つめ直し、強化する期間に当てようと考えていました」
――ではRIZINで戦うことも頭になかった。
「オファーをいただければ、もちろん戦うつもりでした。でも試合に負けて、ここからどう強化するのかを第一に考えていました。そうしたら、ケープタウンでの試合から3週間ぐらいで、今回の試合を話を貰いました。もう1カ月少ししかない状態でしたね」
――10月にPFLで戦う。つまりは9月と11月のRIZINはない。そうなると大晦日の可能性も低くなり、次にRIZINで戦うのは2026年の春になるかもしれない。そういうことを考えることはなかったでしょうか。
「RIZINに出たいという気持ちは当然にあります。と同時に海外で試合をしたい。世界に挑戦したいという気持ちが一番強かったです。PFLからオファーがあるなら、もうそこを第一に考えていました。
僕は知名度が高くないし、RIZINに出るとそこが上がることも理解しています。それよりも世界で強いヤツらと戦いたいという気持ちがあります。PFLで戦えるのであれば、PFLのベルトを狙って行きたいです」
――なるほどです。そんななか前回の試合は南アフリカで戦いました。日本とはまるで違う文化圏での試合で、何か戸惑うことはなかったですか。
「レスリングでは色々と遠征はしていましたが、MMAでは初めてで。とにかく調整面は大変だと実感しました。だから海外で活躍する日本人選手、同時に日本に来て活躍する外国人選手の凄さがより理解できたかと思います。
食事面もそうだし、ホテルにバスタブがない。日本とは違う状況で、いかに万全に持っていくか。そこの苦労は日本で戦っているだけでは、分からなかったことですね。カーライルが計量を失敗しましたけど、そうなるのもしょうがないというわけじゃないですが、そういう風になってしまうのも分かるというか……。
ただ大会としては、本当に盛り上がっていました。お客のリアクションが日本と違います。ノリが凄かった。シーンとなっている時間がほぼなかったです」
――そもそもケープタウンには、めちゃくちゃ危険だというイメージがありますし。
「夜は外に出ないようにしていました。(中村)K太郎さんは冒険者なので1人で出歩いていましたけど(笑)」
――いや、あぶないです。
「皆から危ないと聞いていたので、僕はビビッていましたね。それこそK太郎さんと一緒にスーパーに行こうとしたとき、『これは危ない。引き返しましょう』とホテルに戻ったこともありました。
だからケープタウンと比較すると、ドバイは全く何も怖くないですね。今もK太郎さんは外に行っていますし(笑)。何より飛行機に乗っている時間が全く違ったので、ドバイは楽です。今回は13時間、南アフリカに行った時は25時間とか掛かっていました。そこと比べると、本当楽でしたね。試合の5日前に現地入りですし、今回は前回とは違います」
――前回の対戦相手セニュコフは、泉選手相手にレスリングでも真っ向勝負を仕掛けてきました。そして見ごたえのある攻防が見られたと思います。
「細かい技術とか、自分が劣っている部分がありました。スタンドバックが上手くいかないなど課題も見つかって。この間に、そこもしっかりつ積んできました。技術的にもそうだし、精神的なことも大きいですね。実は初回に思いもしない事態に陥って。そこで焦ってしまって、頭と気持ちを切り替えることができなかったです。
ここもチャンピオンになる選手は、ラウンドを挟むと切り替えることができるのだろうなと思いました。そういうことも経験できたので、仮に今回同じようなことがあっても、もう動揺することはないはずです」
――さきほどスタンドバックを追求してきたということですが、そこはセコンドを務める中村K太郎選手との練習で積んできたということでしょうか。
「ハイ、K太郎さんと大嶋(聡承)選手に色々とアドバイスを貰ってやってきました。あと打撃はドバイにも来てもらっている堀川龍トレーナーとやってきました。特別変わったことをするとかでなく、これまでの延長戦上にある練習を続けてきた形です」
――では対戦相手のセンシの印象を教えてください。
「三角絞めが得意ですよね。それと打撃もガンガンきます。だからこそ、自分のやるべきことを通そうと思っています」
――以前、極めにこだわるという話もされていました。下から得意の相手にも、そこは変わりないでしょうか。
「そうですね。ただテイクダウンから寝技よりも、スタンドバックで制する。そこで固めて殴る。その流れで極めるという形を創ってきました」
――スタンドバックに入るために、ウィザーを無効化したいですね。
「そこは大丈夫です。それにテイクダウンをしたらしたで、グラウンドでも勝負をしていきます。それもできないと、サトシに勝てないので」
――PFLライト級王座がゴールと思いきや、ここでサトシ選手の名前が出てきました。
「今はまずPFLのベルトを獲ること。ベルトを巻いて発言権を得てから、サトシに挑戦したいです。そのためにもPFLで結果を残します」
――押忍。そこを踏まえてセンシ戦、どのような試合をしたいと考えていますか。
「まず日本人の強さを見せたいです。そのためにも自分の力を出し切る。僕のレスリングは世界で通用することを証明したい。そして練り上げてきたモノを出して勝ちます。必ず結果を残します。勝ちます」
■視聴方法(予定)
10月4日(土)
午前0時~U-NEXT
■PFL CS03対戦カード
<PFL世界ライト級王座決定戦/5分5R>
ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
ポール・ヒューズ(アイルランド)
<PFL世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
コーリー・アンダーソン(米国)
ドブレジャン・ヤギュシュムラドフ(トルクメニスタン)
<バンタム級/5分3R>
マゴメド・マゴメドフ(ロシア)
セルジオ・ペティス(米国)
<ライト級/5分3R>
アーチー・コーガン(米国)
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)
<140ポンド契約/5分3R>
ジャック・カートライト(英国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)
<ヘビー級/5分3R>
プーヤ・ラウマニ(UAE)
スリム・トラベルシ(チュニジア)
<ウェルター級/5分3R>
オマール・エル・ダフラウイ(エジプト)
フロリン・ゼンデリ(アルバニア)
<ライト級/5分3R>
ルーアン・サルジーニャ(ブラジル)
ニラフザル・アクタモフ(ウズベキスタン)
<ライト級/5分3R>
泉武志(日本)
ヴィニシウス・センシ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
マカシャリプ・ザイヌコフ(ロシア)
ジョン・ミッチェル(アイルランド)
<ミドル級/5分3R>
ジャラ・フセイン・アルシラウィ(ヨルダン)
グレゴリー・バベン(フランス)