【Pancrase357】4戦目でロシア人=チェルバエフ戦。松井涼「試合は常にキツイ方を選び続ける」
【写真】初の国際戦、楽しみでならない様子の松井だった(C)MANABU TAKASHIMA
本日23日(火・祝)に東京都港区のニューピアホールで昼夜興行として開催されるPancrase356&Pancrase357。夜の部=Pancrase357で松井涼が初の国際戦となるアンドレイ・チェルバエフと対戦する。
text by Manab Takashima
中村倫也&河名マストの専修大レスリング部1年後輩。中村に影響を受け、格闘DREAMERSからプロへ。パンクラスとPOUNDOUTで3連勝中、つまり4戦目でロシア人と国際戦を戦うことになった。
とはいっても既に30歳を迎えたオールドルーキーにとって、目標とするUFCで戦うチャンスを得る時間は余り残っていない。その事実を自覚しているからこそ、松井はこの国際戦を最良のファイトと捉えていた。
時間がない。だから、最短で来年のRoad to UFCを狙っています
――会見の様子からも、今回の国際戦が楽しみでしょうがないという雰囲気が伝わってきました(※取材は5日に行われた)。
「いや、もうその通りです。このチャンスが来るのを待っていたというか、ずっと準備をしていたので。これに勝てばランキングも見えてくるし、ベルトも取るつもりです。その先もあると思っています」
――キャリア4戦目でタイガームエタイ所属のロシア人と戦う。リスクが高いことは確かだと思います。
「格上ではあると思っています。でも、全然戦えない相手ではないと自分では思っていて。打撃の選手ですけど、ロシア人だから絶対にレスリングもやっているだろうし。そういう意味では、僕がMMAをやっていくなかで一つ、何か分かるモノがある試合です。
これで全然歯が立たなかったら、それはその時だし。『俺、いけるじゃん』って戦えたら、この先もあるだろうし。そんな感じですね。だからこのタイミングで良かったと思っています」
――本来、MMAはフィニッシュが絶対とは思っていないのですが、3戦目を肩固めで勝てたことはどのように感じていますか。
「めちゃくちゃ嬉しかったですね。打撃の選手だったら倒したい欲。僕は極めたい欲があって。ただ、あれも淡々とやるべきことをやった先にあったフィニッシュで。ある意味、ご褒美みたいなものだと思っています。そこまでの戦い方があったから、アレが取れたと思っています」
――打撃の選手であれば倒したい欲と言われていましたが、松井選手は元々レスリングをやっていました。MMAに転じてテイクダウン欲や抑える欲でなく、極めたい欲なのですか。
「極めたいッスね。テイクダウンやコントロールができるから、極めがあって」
――パウンドアウト欲でもなく?
「パウンドアウトは、自分がやっているところが想像がつかないんですよ。パウンドも練習をしているのですが、極めるほうが近い。シンプルに極めが好きで。だから極めたい。ただ、パウンドも今回の試合では練習の成果を出したいです」
――対戦相手のチェルバエフは、松井選手も言われていたように打撃ベースです。外国人選手特有のプレッシャーもあるかと思います。
「確かにあるでしょうし、怖いです。でも(中村)京一郎とやっているので、ケージの中で特別ビックリすることはないと思います。やりようによっては打撃をもらうことなくテイクダウンをして、そのまま抑えてパウンドアウトもあるかと」
――中村選手の名前が出ましたが、今の練習環境というのは?
「EX FIGHTとFIGHT FARMでさせてもらっています。あとはグラップリングはロータス世田谷で」
――ロータスでも練習を。
「ハイ。やっぱりグラップリングでいえば日本の最高峰だと思いますし。30歳を過ぎて、力が全く及ばない場所に行って虐められる。それって余りないことですよね(笑)。でも毎回、成長が感じられます。戦えるところの発見もあって。凄く良い練習ができていると思います。
岡見(勇信)さんや髙谷(裕之)さんに指導してもらったことが軸になって、そこにロータスで身に着けたことを加えていく形ですね」
――EX FIGHTでの練習仲間はUFC志向で、すでに海外に出ている選手もいます。だからこそ、この国際戦を期していたというのはありますか。
「いや、もう本当にその通りです。倫也先輩(同い年で1学年上)はUFCに行って、京一郎もRoad to UFCに出ている。どっちかというと気分的には『俺はまだか』という風になっていました。でも、3試合しかやっていないですしね。羨ましいというか、もっと俺はできると思ってきたので今回は本当に楽しみです」
5勝目、6勝目を狙って強い相手と戦っていきたい
――ここからのキャリアアップはどのように?
「パンクラスで戦っている限り、チャンピオンになって世界に行こうと思っていました。ただ今回、国際戦のチャンスを貰って別のルートが出てくる。そんな期待もしています」
――同時に30歳の壁というものは意識せずにはいられないかと。
「時間がない。だから、最短で来年のRoad to UFCを狙っています。そのためにベルトを獲らないといけないと思っていました。でも逆算すると、全然時間がない。それが、ここでロシア人選手と戦えることになりました。勝って、年内にもう1試合勝つ。そして来年の最初にもう1回やれば可能性はある――というのを今は凄く感じています。
そのためにどんどん攻めの姿勢でいきます。今回勝って4勝0敗。でも、そこで綺麗なレコードとかとらわれずに5勝目、6勝目を狙って強い相手と戦っていきたいです。ここはもう攻めるしかない。ただ、ケガだけは気をつけないといけないです。
僕はケガが多いタイプなので、皆がそこを見究めてくれていて。だから行くべきだけど、そういう声には従ってケガをしないよう試合数を重ねていきたいと思っています」
――次にもっと強い選手と戦うには、周囲からそう思われるのが一番です。そういう意味で、チェルバエフ戦はどのような試合を見せたいと思っていますか。
「ちゃんと勝つ。テイクダウンをしてコントロールをする。その繰り返しです。面白いかと言われると、違うかもしれないですけど、アレをやり続けることは簡単じゃないです。でもUFCのトップ選手でも、そうやって勝つ選手は少なくない。あれが一つのMMAの形だから、今のアレを貫く。やり続けようと思います。
打撃を練習して、パンチが当たると気持ちが良いです。でも、打ちに行くと僕でなくなる。そうしたくなる自分に勝つことが、勝利への近道だと思って自制しています。試合は常にキツイ方を選び続ける。自分も削れますけど、相手をそれ以上に削り抜く。それができれば、行けると僕は信じています。それしか考えていないです(笑)」
■視聴方法(予定)
9月23日(火・祝)
Pancrase356 午後12時15分~U-NEXT
Pancrase357 午後4時55分~U-NEXT
■Pancrase357対戦カード
<フェザー級/5分3R>
平田旭(日本)
コシム・サルドロフ(タジキスタン)
<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋(日本)
スパイク・カーライル(米国)
<フェザー級/5分3R>
石田陸也(日本)
岡田拓真(日本)
<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
畑大晴(日本)
<バンタム級/5分3R>
松井涼(日本)
アンドレイ・チェルバエフ(ロシア)
<ライト級/5分3R>
張豊(日本)
斎藤主己(日本)
<バンタム級/5分3R>
梅原規祥(日本)
宮城成歩滝(日本)
<フライ級/5分3R>
小原統哉(日本)
嶺大基(日本)
■Pancrase357対戦カード
<バンタム級/5分3R>
遠藤来生(日本)
オタベク・ラジャボフ(タジキスタン)
<バンタム級/5分3R>
松井斗輝(日本)
山口怜臣(日本)
<フェザー級/5分3R>
貫井義規(日本)
大谷啓元(日本)
<フェザー級/5分3R>
星野柊哉(日本)
関翔渚(日本)
<バンタム級/5分3R>
増田怜央(日本)
水島和磨(日本)
<フライ級/5分3R>
齋藤楼貴(日本)
土谷 wisdom 勇斗(日本)