この星の格闘技を追いかける

【Shooto2025#08】齋藤奨司と統一戦。暫定王者 永井奏多「僕が目指しているのはUFCのチャンピオン」

【写真】その言葉からも100パーセント無垢な、勢いが感じられる(C)TAKUMI NAKAMURA

21日(日)、東京都港区のニューピアホールで行われる修斗の昼夜二部興行。夜の部=Shooto2025#08のメインで修斗世界バンタム級暫定王者の永井奏多が、正規王者の齋藤奨司と統一戦を戦う。
Text by Takumi Nakamura

プロデビューから7戦無敗・6連勝で2025年を迎えた永井。3月に藤井伸樹を下すと、5月にはダイキライトイヤーをパウンドアウトして暫定王座を獲得。無敗街道を突き進み、齋藤との統一戦まで駒を進めた。

今回の齋藤戦は永井が目指すRoad to UFC出場を現実のものにするためにも落とすことが出来ない一戦。永井は「正直こんなところではつまずいていられない。圧倒的に勝つ」と必勝を誓った。


あれだけ勝ちに徹することができるのは強いなと思います

――5月の大阪大会でダイキライトイヤー選手にTKO勝利して暫定王座を戴冠、今大会では正規チャンピオン齋藤選手との統一戦が決まりました。試合が決まった時はどんな心境でしたか。

「暫定王者になったとは言え、正規王者に齋藤選手がいたので、いつか統一戦をやるだろうと思っていました。実際に統一戦は9月か11月になりそうだと言われていて、9月に決まった形ですね」

――結果的に暫定王座戦を挟む形になりましたが、3月に藤井伸樹戦に勝った後から齋藤選手のことは意識していましたか。

「そうですね。齋藤選手は打撃が上手い選手なんで、しっかりそこに対応できるように斎藤選手を意識した練習をしていました」

――対戦相手として齋藤選手にはどのような印象を持っていますか。

「第一印象はボクシングテクニックの上手さなんですけど、それ以外にもグラウンドのディフェンスもできるし、細かいところでの組際のヒジ・ヒザ蹴りもちゃんとできる。打撃だけじゃなくてMMAファイターとしてしっかり完成されている印象があります。試合運びも相手の強いところは逃げに徹するじゃないですけど、藤井選手や須藤(拓真)選手とやった時は完全に組みと寝技は逃げに徹して、そのうえで勝ち切ることができるファイターという印象ですね。あれだけ勝ちに徹することができるのは強いなと思います」

――齋藤選手も藤井選手と対戦経験があり、藤井選手に勝って世界王座に就いた選手です。齋藤選手と藤井選手の試合はどう見ていましたか。

「しっかり寝かされずに対応して、コツコツ自分の打撃を当てるという意味では、斎藤選手も自分が藤井選手と戦った時と似たようなプランで戦ったんだろうなと思います。その中で完全に寝技をキャンセルして、ディフェンスしきるという動きをやっていて、徹底してそれができるのはすごいなと思いました。

自分が藤井選手とやった時は藤井選手の圧に飲まれて僕の方からテイクダウンに行ったり、打撃と組みを混ぜて戦う方に切り替えたんです。だから余計に齋藤選手は自分の打撃に自信を持って、信頼して戦っているんだなと思いました」

――藤井戦での永井選手はテイクダウンやスクランブルの攻防でも競り勝った姿が印象的でしたが、あれは決して望んでいた試合展開ではなかったのですか。

「そうですね。テイクダウンして上を取ったり、スクランブルの中で競り勝ったりというより、藤井選手のテイクダウンを切ってコツコツ打撃を当てようと思っていました。ただ自分も組みができないわけじゃないんで、藤井選手の圧力を感じた部分もありましたが、流れで組んでいく展開になりましたね」

――完全に藤井選手の組み技には付き合わなかった齋藤選手とそこの勝負でも競り勝った永井選手。技の引き出しや選択肢の多さという意味では自分の方が勝っているという意識はありますか。

「寝技の展開になった時に齋藤選手にものすごく極めの力があるとか、グラウンドですごく上手い印象はないので、そこは間違いなく自分が上回っていると思うし、自分の方が何でもできると思っています。ただやっぱり齋藤選手も1年間試合が空いているので、何ができるようになっているのか分からないところもあると思っています。だから打撃だけの選手とは思わずに、組みの展開になる可能性も0ではないと思って、あらゆる試合展開を想定して全てにおいて対策しています」

――全局面で戦って勝つことをイメージしているようですね。

「はい。全局面を想定して、齋藤選手は打撃だけの選手ではなくて、何でもできるMMAファイター、MMAファイターとしてチャンピオンになった選手として捉えています」

――永井選手自身はどういった部分が最近の練習で伸びていると感じていますか。

「やっぱり齋藤選手とやる上で絶対に打撃のスキルは必要だし、そこで組みだけになってしまうと、齋藤×藤井戦みたいになってしまうと思います。だからしっかり打撃を練習して、色んなディフェンスや攻めるプランをたくさん用意して、打撃でも勝負できるように作っています」

――打撃でも勝負するために取り組んでいる練習はありますか。

「元々TRIBEでボクシングミットを持っていただいていた峯田光さんという元プロボクサーの方がいて、今その方にボクシングのパーソナルトレーニングを受けています」

――ダイキ戦の振り返りのインタビューで萩原京平選手からカーフキックの蹴り方を教わったとお話していましたが、TRIBEでは萩原選手と同じ移籍組の武田光司選手や所属ジムを超えて多くの選手が練習しています。そこで新しい技術やエッセンスを学ぶことはありますか。

「ありますね。例えば今名前を挙げてもらった武田選手はパワーがすごくてフィジカルが強い印象だったんですよ。でも武田選手がTRIBEに入って一緒に練習するようになると、もちろんフィジカルは強いんですけど、細かい技術がすごいんですよね。武田選手は力を抜いているのに、こっちは技術で転がされているみたいな。それで今どうやったんですか?と聞くと、ものすごく丁寧に教えてくれて。武田選手は教え方も上手なので、そういった面では組みでも色んなパターンが増えました。今回は総合力で勝とうと思っています」

TRIBEに新しいベルトを持って帰ってきたい

――この試合は王座統一戦であると同時に国内バンタム級において今の自分がどの位置にいるかが明確になる試合という見方もあると思います。そういった部分も意識はされていますか。

「修斗の世界チャンピオンはすごい肩書きで憧れていた部分もあるんですけど、そこで気負って緊張したりはせず。自分はベルトを奪いに行く立場なんで、チャレンジャーとして楽しんで試合に勝つ。僕が目指しているのはUFCのチャンピオンなんで、ここはそのための第一歩であり、格闘技人生において第一の壁みたいなイメージでいます」

――今は齋藤選手に勝つことが第一だと思いますが、今後はRoad to UFC出場を含めて本格的にUFC参戦を目指す戦いに打って出ていきたいと思っていますか。

「1番はRTUに出て、そこで勝ってUFC契約というのが1番の理想なので、そのためにもまずはここで圧倒的に勝つことですね。正直こんなところではつまずいていられないので、しっかり勝って来年か再来年のRTUでUFCを目指すイメージしています」

――RTUには日本からも多くの選手がチャレンジしていますが、その一方で苦戦も続いています。その状況を永井選手はどう感じていますか。

「やっぱり簡単に勝ち上がることはできない、高い位置にあるものだなというのは感じます。でも別に高い位置にあるからと言って、超えられないものだとは思わないし、自分なら絶対に超えていけると思っているので、すぐにでも挑戦したいです」

――先日TTF CHALLENGE11も開催され、TRIBE自体も活気づいているのではないですか。

「そうですね、プロ練にはそれこそUFCで戦っている朝倉海選手やRIZINで戦っている選手もたくさん来ていて、そういう選手たちからも新しい技術を取り入れることが出来ますし、本当にありがたい環境で練習させてもらっているんだなと思います。今年に入って(若松)佑弥さんがONEでチャンピオンになりましたし、僕も次の試合で正規王者になって、TRIBEに新しいベルトを持って帰ってきたいと思います」

――それでは最後のファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「応援に来てくださる方々や試合を見てくれる方々が熱くなるような、明日からも頑張ろうと思ってもらえるような、すごく熱い試合したいと思います。そのうえで自分が圧倒して勝つことを目標にして戦いたいと思います」


■視聴方法(予定)
9月21日(日)
Shooto2025#08 午後5時30分~~ ABEMA格闘チャンネル
Shooto2025#07 午後12時30分~~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2025#08 対戦カード

<修斗世界バンタム級王座統一戦/5分5R>
[王者]齋藤奨司(日本)
[暫定王者]永井奏多(日本)

<環太平洋フェザー級選手権試合/5分3R>
上原平(日本)
たてお(日本)

<バンタム級/5分3R>
宮口龍鳳(日本)
倉本一真(日本)

<バンタム級/5分3R>
杉野光星(日本)
ザヒド・アフメドフ(インドネシア)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
旭那拳(日本)
友利琉偉(日本)

<ストロー級インフィニティリーグ/5分2R>
マッチョ・ザ・バタフライ(日本)
田口恵大(日本)

<2025年度バンタム級新人王決定T二回戦/5分2R>
飯野雄斗(日本)
齋藤優(日本)

<ストロー級/5分2R>
大城匡史(日本)
漆田直輝(日本)

■Shooto2025#07 対戦カード

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者]田上こゆる(日本)
[挑戦者]山上幹臣(日本)

<ミドル級/5分3R>
岩﨑大河(日本)
ジャン・ボムソク(韓国)

<女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
青野ひかる(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
高本千代(日本)
片山智絵(日本)

<女子スーパーアトム級インフィニティリーグ/5分2R>
村上彩(日本)
嶋屋澪(日本)

<フェザー級/5分2R>
轟轟(日本)
ヨシ・イノウエ(日本)

<バンタム級/5分2R>
関根累(日本)
勝呂駿(日本)

PR
PR

関連記事

Movie