【UAEW62】藤田大和が蹴って殴るエジプト人と対戦。そして、1年9カ月振りのファイト=村田夏南子が初出場
【写真】蹴りで距離をコントロールし、左ストレート狙い。そんな相手に藤田が如何に、近い距離に持ち込むのか非常に楽しみ(C)UAEW & MMAPLANET
24日(木・現地時間)、UAEはアブダビのスペース42アリーナで開催されるUAE Warriors62に藤田大和――、そして村田夏南子が出場する。
Text by Manabu Takashima
今年1月以来、6度目のUAEW参戦の藤田はエジプトのメイサラ・ムハメッドと。
実に1年9カ月振りの実戦復帰となる村田は、ブラジルのマリア・シウバと対戦する。
昨年5月のUAEWフライ級タイトル戦の敗北後も、9月にダゲスタンのボトゥカン・バイスエフ、今年の1月には元Titan FC王者フアン・プエルタを連破している藤田。前者には競り勝ち、後者はギロチンで一本勝ちしている。
藤田を破ってチャンピオンになったイゴール・ヒベイロは、この間ステップアップがなかったばかりか、UAEWでも試合をしていない。ここに勝てば藤田にタイトル戦、せめて暫定王座を争う場を与えてもらいたいところだ。
そんな藤田の相手は、エジプト在住エジプト人ファイターのムハメッドだ。レコード的に9勝1敗1分、エジプトのローカル大会アラビック・アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップのフライ級王者から、UAEWと並ぶ砂漠のMMAメインストリーム=BRAVE CFに進出。中東系ファイター、インド、フィリピン人に勝利もウクライナのヴィタリー・ヤキメンコにはRNCで一本負けを喫している。
この敗戦後、UAEWに転じて現在2連勝中のムハメッドはボクシング・ベースという発表があるが、サイドキックやスピニングバックキックなどの蹴りをキャリア序盤から使ってきた。と同時に左ストレートはKOパワーを誇り、近い距離の打ち合いも得意としている。組みに疲弊するシーンも見られたが、最近では組まれると首相撲を駆使しヒザ蹴りも多用している。
バンタム級で戦っていたこともあり、ムハメッドはフィジカルも強い。過去に藤田レベルのファイターと戦ったことはないものの、遠距離での回転系を含めた変則的な蹴り技で翻弄させての左ストレートは絶対的に警戒が必要となろう。
一方、村田と戦うシウバは2021年のコンテンダーシリーズで勝利も契約できず、2022年の再挑戦でプロ初黒星を喫しているが、その黒星が唯一の敗北というブラジリアンだ。コンテンダーシリーズの合間にフランスのAres FC、その後はポーランドのKSWと欧州で戦い現在3連勝中、通算11勝1敗というレコードを持つ。
鋭い打撃の持ち主のシウバだが、その真骨頂といえるのがグラップリング――それもポジショニングよりもサブミッションにある。11勝のうち一本勝ちは4試合と決して、極め業師とはいえない。
それでもポイントメイクや15分戦い抜くという観点でみれば、ここまで積極的に極めを狙うスタイルは珍しいだろう。村田としては打撃をかわすテイクダウンは有りだが、打撃を嫌がるテイクダウン狙いは禁物。シウバは待っていましたとばかり、ギロチンや下になりつつサブミッションを仕掛けてくるはずだ。とはいえポジショニングは決して強くないシウバだけに、村田は一足飛びでなく丁寧な寝技を仕掛けることで、勝機が広がるに違いない。