【UAEW61】村田夏南子、エジアナ・シウバにギリギリの勝負。積み上げてきたモノにトライし、競り勝つ
【写真】競り勝てた。この勝利は大きい。井上魅津希と山﨑代表とまさにMe,Weな勝利(C)UAEW
<53.4キロ契約/5分3R>
村田夏南子(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
エジアナ・シウバ(ブラジル)
52.5キロの村田に対し、シウバは計量失敗でキャッチ戦に。ピットブルのニックネームを持つシウバは肩回り、二の腕が大きい。村田は前手を潰して左ハイ&スピニングバックフィストを狙う。軽めのテイクダウンを見せた村田が、右を振ってダブルレッグでテイクダウン。シウバはハーフでギロチンを仕掛ける。ケージに押し込み、パスからギロチンを無力化させる村田に対し、シウバはそのままブリッジでリバーサルを狙う。村田はトップをキープし、マウントへ。頭を抱えたシウバが強烈なブリッジを続ける。
村田は頭を抜くと同時に、ハーフに戻されると腰をあげてパンチを落とす。シウバが立ち上がるが、村田はがぶって大内刈りで再び倒す。ここも即立ち上がったシウバにヒザをいれる村田は、ワキを潜られそうになりウィザー、さらにアンクルピックからレッグリフトと組みで攻勢に。残り1分強で村田は離れて、左を打って距離を詰める。続くダブルレッグは遠く、切ったシウバがトップ奪取。村田が外掛けからヒールを仕掛けたところで、初回が終わった。
ケージを掴んだシウバに注意が入り2Rがスタート。村田は左ハイを蹴り、踏み込んで左ストレート。シウバは蹴りにワンツーを合わせていく。ステップインから左を見せる村田が、レベルチェンジでダブルをうかがわせる。シウバは基本、待ちの姿勢で蹴りにカウンターを狙いローを蹴る。村田はシングルレッグからボディロック、ややリフトぎみにテイクダウンを決める。
シウバはキムラを仕掛け、村田はワキ腹にパンチを落とす。腕を抜いた村田が、腰をあげてパウンドへ。シウバは村田が抑えに行ったタイミングで頭を押して立ち上がった。村田はステップを踏み、前蹴り。シウバは左アウトローを繰り出す。さらに鋭い右インローを蹴ったシウバが距離を詰め右の相打ち。続いて左の蹴りに右を当てる。村田はシングルを切られ、打撃を圧を受けた形でラウンドを終えた。ダメージのない打撃と、村田のコントロール。前者が取ってもおかしくない5分となった。
さらにシウバに注意が入り、最終回が始まる。ここも左ハイから入った村田は、ガードの上から力のある蹴りを繰り出す。直後のシングルを切られた村田は、ワンツーの右を受ける。シウバは右ローを蹴り圧をかけていく。近い距離では蹴りよりテイクダウンにつなぐパンチが欲しい村田。大きく息を吐いた村田は左を伸ばす。シウバはカウンター狙いで待つ。村田はワンツーを空振りし、シウバのワンツーにヒザを合わせようとする。
右クロス、左ジャブを入れたシウバだがレフェリーが指を水平に伸ばさないようにと注意を与える。再開後、ジリジリと下がった村田はテイクダウン狙いを切られ、左を被弾する。さらにワンツーで前に出るシウバに対し、村田は左を変える。直後にダブルは間が悪く、仕掛けきれない。残り30秒、左リードフックを振るったシウバは、右ハイを2発繰り出す。最後のテイクダウン狙いを受け止められ、シウバがボディロックに。投げが決まらなかった村田は、打撃とテイクダウンのコンビネーションを最終回は決めることができずタイムアップに。
2Rをジャッジがどのように見たか。また度重なるシウバへの注意は影響を及ぼすか――結果、村田は29-28を三票集め、辛くの判定勝ちを手にした。
何はともあれ試合前から色々とあったUAEW初参戦で体重オーバーの相手に手にした勝利。村田が試合前に公言していた「圧倒できなくても、競り合いで勝ち切る」という勝利は、UFC最終戦の判定負けを払拭できるモノ。最高峰への道は閉ざれない。今後は何とか試合間隔を短くして、調子を上げていってほしい――という展開に持ち込めた貴重な中東での判定勝ちだ。