【SUPER RIZIN04】2年振りの日本。パトリッキー「若い日本人ファイターに、道を譲るわけにはいかない」
【写真】サプライズで合同練習会登場のパトリッキー。取材はリモートで8日に行われた(C)MMAPLANET
27日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで超RIZIN04が開催される。同大会でパトリッキー・ピットブル・フレイレが野村駿太と対戦する。
Text by Manabu Takashima
Bellatorと日本を愛し、キャリア20年目に突入しようというパトリッキーが2年振りに日本で戦う。前回はBellatorのケージでスクランブル出場のホベルト・サトシ・ソウザを倒したパトリッキーだが、昨年はPFLで連敗を喫した。
PFL離脱後、不発に終わったGFLとの契約を経てRIZINに回帰。1年間のロングレイオフで心身共に充実したパトリッキーに、野村戦とRIZIN参戦――そして、これからを尋ねた。
日本で新たな人生を歩み、歴史を創る
「ブラザー、元気かい? 」
――おかげさまで。
「そうか、良かった。2年振りに日本で戦えて、凄くハッピーだよ。俺はニホン(※日本語で)を愛しているし、ニホン・ファンを愛している。本当に日本のことが大好きで、日本のことが恋しかった」
――2年前はRIZINとBellatorのコラボレーション・ショーでしたが、今回は純然たるRIZINの大会です。
「Bellatorが無くなってしまったことは考えたくもないけど、俺の人生を考えるとBellatorが与えてくれたことは本当に大きい。Bellatorとともに生きてこられて良かった。日本で戦えたのも、彼らがいたからだ。だから、Bellatorが無くなったことは残念でならない。でも、RIZINで戦えることは心の底から嬉しい。これからは日本、RIZINで新しい時間を生きる。ニホン・カントリーでもっと蹴り、もっと殴る。本当に嬉しいよ。過去は変えられない、これからはRIZINでベストを尽くし、対戦相手を眠らせる(笑)」
――Bellatorへの想いが強く、昨年のPFLでのパフォーマンスはそのあたりの精神面が影響したことがあったのでしょうか。
「う~ん、何かしら影響はあったのかもしれない。Bellatorは俺にとってホームだった。PFLに関しては、どう表現したら良いか分からないけど違和感があった。そうだな、居心地が良くなかった。なんか、疎外感があって。でも、そんなことは負けた言い訳にはできない。それよりも、試合のインターバルが短いスケジュールなのに、トーナメント開始前に既にケガをしていたことが大きく影響した。初戦でさらにケガをして、回復する時間的猶予がなかった。ただ、それがトーナメントだ。十分に理解して戦っていたよ」
――PFLを離れた後、1度はGFLとサインしました。ただし、旗揚げ戦すら行われずにキャンセルに。パトリッキーはここを経てRIZINとサインを果たしました。
「PFL後のキャリアは、どうなるかと思った。でも、その時に日本で新たな人生を歩み、歴史を創る。ベルトを獲ろうと思えたんだ。RIZINでベルトを獲って歴史に名を刻む。これこそパーフェクト・ストーリーだと。
この1年、しっかりとケガを治してトレーニングに向き合ってきた。最高の状態でRIZINのリングに上がることができるから、次の試合が楽しみでならないんだ。とにかくRIZINで戦うことが決まった今は、次の試合に集中している。タイトルを取るとか、歴史を創るとか。全てはこの試合が終わってからだ」
――2011年からパトリッキーの試合を追わせてもらっていました。そしてファイターはいつも「年齢は数字に過ぎない」と言います。ただし、それを口にした時点で年齢を意識していると思うのですが、39歳のパトリッキーにとってRIZINがファイター人生の新時代であり、最終章になるという想いでしょうか。
「年齢よりも、どれだけ練習中に動くことができるかが重要だ。俺は今もジムでヤングライオンたちとガンガンとやり合えている。つまり、俺はまだまだ若い。若い選手とスパーをしていても、向うから『もう勘弁してくれ。ストップだ』と言ってくることもある(笑)。ただ、ケガや体調を崩してから回復に費やす時間は、長くなった。これは認めないといけない。
若い頃はハードな練習しても、次の日には同じようなトレーニングができた。今はそうじゃない。だから、年齢を感じるかというと半々だな(笑)。とにかく戦うことを第一に暴飲暴食などしたこともないし、アルコールは試合に勝った時に少しワインを嗜む程度だ。早寝早起きでジャンクフードも食べない。まだ、何年間は最高の状態で戦えるはずだ。ピットブルをヤングファイターに味わわせるよ(笑)」
あの独特の動きをカットして大きな一発を頭にぶち込んでやる
――次戦の相手、野村駿太選手こそ日本のヤングライオンです。そして既にルイス・グスタボに勝利しています。
「空手のような良い動きをするファイターだ。若いのに自信を持って戦っている。そうだな、距離のコントロールに長けている。ただ、俺もジムでルイス・ビクトー・ホシャという空手の猛者と練習をしている。彼はカラテ・コンバットの元ライト級(※68キロ)チャンピオンだ。19日に再びタイトルに挑戦する(※KO負けでタイトル奪取ならず)。ルイスはノムラのように長い距離で戦えるし、近い距離でも打ち合えてテイクダウンもできる。
他にも空手ファイターがジムにいるし、ルイスの空手コーチから、距離について助言ももらっている。徹底的にノムラ対策ができている。だから、俺は別に戸惑うことなく普段のように戦うことができる。逆にノムラは俺を前にすると、これまでに経験したことがない事態に陥るだろう。彼の戦い方を理解した上で戦略も考えたし、あの独特の動きをカットして大きな一発を頭にぶち込んでやるよ(笑)」
――野村選手は少しでも強いファイターと戦いたくて、パトリッキーとの試合を受けたそうです。
「良い心構えだ。強い相手を求めているなら、俺が相手をしてやる。きっと、そういう選手が歴史を創る。でも、今回じゃない(笑)。俺がノムラを止める。夢を持ってほしいけど、それは俺との試合が終わってからだな。今回は俺の試合だ。若い日本人ファイターに、まだ道を譲るわけにはいかない。日本のファンに以前と同じ戦いを見せる。殴って倒し、サッカーボールキックでフィニッシュするよ」
■視聴方法(予定)
7月27日(日)
午後1時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!