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【Pancrase354】「息の根を止めたい」フェザー級KOP三宅輝砂が挑戦者の中田大貴を嫌いな理由とは

【写真】「周りは僕がこういう性格だと知っている」と笑う三宅。しかしその中にある本音は――(C)SHOJIRO KAMEIKE

6月1日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase354で、フェザー級KOPの三宅輝砂が中田大貴と防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

昨年12月、平田直樹をKOして空位のフェザー級KOPのベルトを巻いた三宅。MMAPLANETでは2月に掲載したインタビューで、次戦の予定について訊くと三宅は○月に××と対戦することになるかもしれません。絶対に殺してやろうと思います。××のことはマジで嫌いなので、絶対に殺してやります」と物騒な言葉が発せられた。

この時点では正式発表がなかったため伏せ字にしていたが、次期こそ6月ではないものの、××とは中田のことだった。なぜ三宅はそこまで中田が嫌いなのか。改めて本人に理由とタイトルマッチについて語ってもらった。


――前回のインタビューでは、三宅選手は次戦について「4月に中田と対戦することになるかもしれません」と言っていました。今回はその続きのような形になりますが、対戦相手は同じでも試合の時期は変更されたのですね。

「理由は分からないけど、あのインタビューのあとに試合時期については二転三転した結果、6月大会になりました」

――では改めて、中田選手のことが嫌いな理由を教えてください。

「一度自分が負けていることもありますし(2023年3月、中田にギロチンで敗れている)、それ以上にSNSで絡んできた内容が気持ち悪かったんです。『何をワケ分からんことを言っているんだ?』と思って」

――そのSNSで絡んできた内容とは……。

「まず僕が『高木凌とRIZINで戦いたい』と投稿したんですよ。そうしたら中田が『同じ団体なんだから、パンクラスで試合をすればいいじゃないか』という感じで絡んできて。でもその時点で高木はもうパンクラスには出ていない。RIZINを主戦場にしているのに、なぜ僕と高木がパンクラスで対戦する必要があるのかと思いましたね。だから『もう高木はパンクラスの選手じゃないから関係ないだろ』というような返事をしています」

【確認と補足】
三宅と中田の上記投稿は今年1月11日から12日にかけて行われている。
一方、高木は2023年10月からRIZINに参戦し、以降の試合出場はRIZINのみ。

――中田選手としては皆パンクラスで戦っている仲間であり、一緒にパンクラスを盛り上げようという意図があったのではないでしょうか。

「それは分かります。でもその時点での状況を考えてから言ってくれよ、って」

――ちなみに以降、試合会場などで中田選手と遭遇することはあったのですか。

「ないですね」

――そんななか三宅選手が昨年末にベルトを獲得し、次の対戦相手が中田選手になるという流れもあったのでしょうか。

「それは分からないです。ただ、これも不満ですけど――なぜアイツはキム・サンウォンに負けたあと、石田陸也に勝っただけでタイトルに挑むことができるのか。それも気に食わないです。タイトルに絡んでくるにしても、もう1試合ぐらいは挟むんじゃないかと思っていました。それこそ平田直樹と中田が対戦して、勝ったほうが挑戦者になる――とか、ランキングを考えると、そんな感じで考えていて。

僕は3連勝したあと、前回たまたまタイトルマッチを組んでもらえた形でした。中田もそれだけ段階を踏んでから上がってこい、という気持ちはあります。以前に僕が負けているので、それも関係しているマッチメイクなのかなって思う部分もありますけど」

――……その前戦ですが、振り返ってみて敗れた要因は何だと思いますか。

「自分が弱かった。普通に負けてしまった――という感想はあります」

――自身と戦った以降の中田選手については?

「まぁ、あんまり興味ないですね(笑)」

――中田選手に限らず、他の選手の試合は視ないほうですか。

「いえ、視ることもあります。ただ中田に対しては何の興味もわかないですね。たまたま試合をしていて、視ることはあっても――『負けろ』と思ってはいます」

――それは視ているということでしょう(笑)。他にそこまでの感情を抱くような選手はいるのでしょうか。

「……、やっぱり自分が負けている選手は気に食わないですよね。僕、田村一聖選手にも負けたじゃないですか。嫌いとまではいかないけど、リベンジしたいという気持ちはありました。中田については『面倒くさいから絡んで来るなよ』っていう感じで。それはちょっと嫌いなだけです」

――なんだか怪しくなってきましたね。

「彼が嫌な人間でないことも分かっています。『絶対に性格が良いんだろうなぁ』と思っていますよ。不器用なタイプなんでしょうね。自分としては『とにかくSNSでワケ分からない絡み方をしてくるなよ』っていうだけで(笑)」

――アハハハ、分かりました。ではファイターとしての印象を教えてください。

「僕が持っていないものを持っている、という感じですね。覚悟を決めて、自分がもらっても打ち返す。その気持ちは凄いし、僕も見習わないといけない部分で」

――対して三宅選手が、前回の中田戦から得た教訓はありますか。

「甘えないことですね。僕、ちょっと甘えが出る時があるんですよ。キツい場面でも『まぁ大丈夫だろう』と考えたりとか。それこそ中田にやられたギロチンは、『ラウンドが残り10秒だから大丈夫だろう』と対処を怠った部分もあって」

――その点、中田選手は絶対に最後まで甘えない。諦めない。

「そうですね。その気持ちの強さが、彼の強さだと思います。ただ、ここ最近の練習で自分もメンタルの面は大きく変わってきました。今回は中田の息の根を止めてやりたいです」

――また最後だけ声のトーンが変わって怖いです(笑)。

「アハハハ。もう二度と上がってこないよう、息の根を止めたいですね」

――どのように中田選手の息の根を止めますか。

「今は全体のクオリティを上げることを考えています。ディフェンスにしてもオフェンスにしても、全体的な質を上げる。完成度を上げていく。すでにスタンド、グラウンドのどちらでも。どちらにも息の根を止める武器は持っています」

――試合を楽しみにしています。このタイトルマッチをクリアした先のことは考えていますか。

「ずっと言っていることで、RIZINに出たいです。でも全然、注目してもらえなくて……。正直、僕より弱いヤツがたくさん出ているのに、なぜ自分が出られないんだろうとは思いますよ。まぁRIZINに出るのは、いろんな要素が必要になってくるんでしょうけど――今年も秋にRIZINが名古屋で開催されるなら出たいですね」

■視聴方法(予定)
6月1日(日)
午後13時05分~ U-NEXT

■Pancrase354 対戦カード

<フェザー級KOPC/5分5R>
[王者] 三宅輝砂(日本)
[挑戦者] 中田大貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
平田直樹(日本)
栁川唯人(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋椋(日本)
山木麻弥(日本)

<ミドル級/5分3R>
長岡弘樹(日本)
平田旭(日本)

<ストロー級/5分3R>
寺岡拓永(日本)
飯野タテオ(日本)

<フェザー級/5分3R>
岡田拓真(日本)
中村晃司(日本)

<ライト級/5分3R>
丸山数馬(日本)
後藤亮(日本)

<女子フライ級/5分3R>
和田綾音(日本)
オノダマン(日本)

<フライ級/5分3R>
萩島answerタクミ(日本)
加藤和也(日本)

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