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【RIZIN50】ルイス・グスタボと激突、野村駿太「これまでの試合は自分のやれることを制限して戦っていた」

【写真】すべてのスキルが解放された時、どのような試合を見せるのか――今後の野村が楽しみだ(C)MMAPLANET

30日(日)に香川県高松市のあなぶきアリーナ香川で開催されるRIZIN50にて、DEEPライト級王者の野村駿太がルイス・グスタボと対戦する。
Text by Manabu Takashima

空手をベースに2021年、MMAでプロデビュー。昨年9月には一度敗れている江藤公洋にリベンジし、DEEPライト級王座を獲得した。そんな野村は愛媛県今治市出身で、地元に近い香川県高松市で開催されるRIZINに出場することに。「組みがデキるストライカー」野村が初の国際戦で見せるのは「本当の野村駿太」だ。


――高松と生まれ故郷の今治、どれぐらい離れているのですか。

「車やったら1時間40分、2時間ぐらいですかね」

──いきなりお国言葉に戻っていますね(笑)。

「アハハハハハ。地元の話になったら、なるっスね」

──昨年9月のDEEPライト級王座奪取以降、RIZIN初の四国大会があるという状況のなかで進路としてはいくつか選択肢があったかと思います。そのなかで今回の試合が決まったのは、いつ頃だったのでしょうか。

「1月の中旬ぐらいですかね(※取材は1月31日に行われた)。このタイミングで、四国でやるんだというのは心にありました。ただ相手が誰になるのか。自分がやりたいと思う選手が相手なら、地元の人たち……祖父や祖母に試合を見てもらうのは最後やなっていう気持ちだったので、出ないと後悔するなという気持ちではいました」

──その相手云々以前に、常々Road to UFCが目標だと野村選手は言われていましたが、RIZIN香川大会とRoad to UFCはリンクしていたのでしょうか。

「しています。最終目標は変わらないので。そこを目指しているなら、今回の試合は遠回りになるかもしれないという意見もありました。でも……好きでやってきて、なんていうのか……全部、取りに行こうって思ったんです。

もちろん3月30日の時点でRoad to UFCの出場選手は決まっているかもしない。でも、ここで置きに行って……ただ待ってもRoad to UFCに選ばれないような状況になると、一番後悔するって思いました。Road to UFCに向けて頑張りたい気持ち、地元で戦うのは最後になるという両方の気持ちに従った形です」

──そして相手がという部分ですが、ルイス・グスタボです。

「ただ単にRIZINの四国大会に出るだけ……出ることだけが目標ではなかったです。そのなかで、グスタボ選手といきなりやらせてもらえるということには『良いんですか?』という気持ちにもなりました。本当にやりたい。そういう相手です。食ってやろうと思っています」

──朝倉未来選手、パトリッキー・フレイレ、ホベルト・サトシにしか負けてないファイターです。

「外国人ならでは体の強さと、格闘技どうこうでなく喧嘩が強い。もちろん格闘技として技術はあります。でも特定のパンチとか動きでなく。喧嘩が強い選手だと思います」

──喧嘩ごしの圧力、過去に経験したことがないタイプかもしれないです。

「試合ではないですね。ただタイでの練習ではNAIZAのライト級タイトル戦に出るような選手に呼ばれて、一対一でケージのなかでやってきたので。あの経験がなかったら、もっと怖いと感じていたかと思います。練習でなく試合だから、殺す気持ちで来るでしょうしね。まぁ、試合の時の自分次第ですけど。そこにビビったら、負けるっスね。

逆に自分はこういう相手と戦いたかった。堀口(恭司)選手がバンバン強い相手を倒したのを見て、MMAをやろうと思ったので。そういう相手とできるところまで来たんだというワクワク感しかないです。なので試合の時の自分が、どう思うのかッスね」

──野村選手に打撃戦を挑んだ選手は、2戦目の宇佐美正パトリック選手以降いなかったかと。

「そうですね。あの頃はお互いに何もできなかったです。パトリック選手に負けた後、彼のような圧をスルーするのではなく、そこを直視してやってきました。ああいう圧力を掛けてくる選手には、『俺はこういう戦いをするよ』ということはやってきたので。

そこを無視して、創り直したわけではないです。圧を掛けてくる選手には、どう戦うのか。もう組み立てられています。3年ぐらい前から創り上げてきた。でも、それからの対戦相手は組みの選手ばかりだったので、創り上げてきたモノを選択する必要がなかったです。今はもう『コレしたい』、『アレしたい』ということばかりで。どれぐらい通用するのか、どれぐらい行けるんやろうって。そこが楽しみです」

──これまで組んでくる相手の対策練習が多かったかと思います。打撃で来るであろうグスタボ戦を前に、特別な対策はしてきましたか。

「BRAVEジムの木村(柊也)とか、一発のある相手に対して自分がやりたいことをやる。これまでの試合では、打撃に関していうと自分のやれることを制限して戦っていました。これをやらない。アレもダメという風に。江藤(公洋)さんとの試合とか。でもグスタボ戦は自分のできることを次々と出していく。自分がやりたいことをやる。それを強い選手にやっていく。それがこれからの作業かと思います」

──現時点において、フルの力を打撃で使うとなると力みが生じたりはしていないですか。

「それはないです。テイクダウン狙いを切って、打撃を入れることが本来のスタイルじゃない。本当の自分のスタイルが、そっちなので。グスタボ選手は僕の空手の感じ、スピード感とかステップとか経験したことはないと思います。きっと面食らうんじゃないかと」

──過去最強といっても過言でない相手に、地元といっても良い場所で、日本最大の舞台で戦う。改めてどのような気持ちで挑もうと思っていますか。

「僕が初めてRIZINを観たのは、たまたま堀口選手が凱旋した大会でした。あの時、堀口選手の試合を見て凄くビックリしました。今回はあの時の堀口選手のように、僕が皆をビックリさせたいです」

■視聴方法(予定)
3月30日(日)
午前11時30分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■対戦カード
<RIZINバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 井上直樹(日本)
[挑戦者] 元谷友貴(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木千裕(日本)
カルシャガ・ダウトベック(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ(ブラジル)
野村駿太(日本)

<ライト級/5分3R>
スパイク・カーライル(米国)
泉武志(日本)

<59キロ契約/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<59キロ契約/5分3R>
前田吉朗(日本)
横内三旺(日本)

<フェザー級/5分3R>
横山武司(日本)
木村柊也(日本)

<ストロー級/5分3R>
越智晴雄(日本)
中務修良(日本)

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
エドポロキング(日本)

<バンタム級/5分3R>
魚井フルスイング(日本)
赤田プレイボイ功輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
萩原京平(日本)
トビー・ミセッチ(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
万智(日本)
パク・ソヨン(韓国)

<キックボクシング67.5キロ契約/3分3R>
稲井良弥(日本)
加古稟虎(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
龍生(日本)
香川刻(日本)

<フライ級/5分2R>
高岡宏気(日本)
飴山聖也(日本)

<キックボクシング63.5キロ契約/3分3R>
吉岡龍輝(日本)
切詰大貴(日本)

<キックボクシング63.0キロ契約/3分3R>
大谷翔司(日本)
足利也真登(日本)

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