【ONE FF29】ADCC二連覇=赤ん坊鮫ヘイスに挑む、石黒翔也。ザキロフ、エンフオルギルにも注目!!
【写真】とにかく楽しみ! (C)SATOSHI NARITA & MMAPLANET
8 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE FN29「Rodrigues vs McManamon」が開催される。
Text Manabu Takashima
23日の日本大会、ONE版THE MATCHのカウントダウンが始まるなか谷間のように感じられるFN大会だが、MMAファンやグラップリングファンにとってはしっかりとチェックしておきたい試合が組まれている。
なんといっても注目は石黒翔也のONE本戦デビュー戦、ジオゴ・ヘイスとのサブミッショングラップリング戦だ。ONE FFで2度の日本人対決を含む3試合を勝ち続け、本戦契約を結んだ石黒は昨年12月にノーギワールズ黒帯ライトフェザー級で3位、また今年の1月にはIBJJFヨーロピアン選手権でもライトフェザー級で準優勝という結果を残している。
まさにここから競技生活のピークを迎えようという時期に、2022年&2024年とADCC66キロ級を制しているベイビーシャークと相対することとなった。
ベイビーシャークも石黒と同様に道着、ノーギを問わずして活躍してきた──が、そのステージは一段上。前述したようにADCC世界大会二連覇、現代柔術界最強の柔術家の1人に挙げられる。石黒のヨーロピアン準優勝は快挙とされるが、彼を破って優勝したのがジオゴだった。
とはいえ、その差はアドバンテージ。より積極性が評価されるONE組み技マッチで、石黒はリベンジと一気のワールドクラス入りを果たしたい。石黒、盟友の竹浦正起の両者のXでベイビーシャークがハイドレーションをパスできず、自然と体重もオーバーという情報が入っているが、試合はキャッチウェイトで実施される模様だ。
ハイドレーションテストがあることで、ギリギリの減量は現実的には無理なONE。正式発表前の現時点では契約体重が何キロになるのかは不明だが、リングに上がった時点でジオゴ・ヘイスは100パーセントに近い状態にあるはず。リミットまで落とすことは当然でルールは絶対ではあっても、無差別級が存在するグラップリングマッチだ。ここは体重云々でなく、両者の攻防を純粋に楽しみたい。
一方MMAに目をやると──。今やその正直すぎるコメントで日本のファンにとってナチュラルヒールとなったサンジャル・ザキロフが、エコ・ロニ・サプトラと140ポンド契約で戦う一戦も興味深い。
キャリア11連勝、本田良介、和田竜光を破り、対戦が流れた箕輪ひろばをこき下ろすザキロフが、インドネシアのレスラーに対して、これからがより楽しみになるパフォーマンスを見せることができるのか。興味はその一点に集中するといっても過言でないキャッチ戦だ。
またエンフオルギル・バートルフーとジェレミー・パカティウのフェザー級戦もエンフオルギル軸で楽しみな一戦だ。Road to ONE Mongoliaを勝ち抜き、ONEと契約もONE FFからのキャリアアップを強いられたエンフオルギルは、実は前回の試合で契約が満了しており、シャンダスMMAの仲間とともに日本に拠点を置くことも相当に考えていたという。
それでも結果、マルチイヤー契約書にサイン。36歳のエンフオルギルにとって、今回の契約延長はONEを終の棲家と決めた結果だろう。となると目指すはタイトルしかない。現状、ONEでの成績は5勝1敗。荒めの打撃と力強いトップゲームで将来を切り開いたモンゴルのキムラこと、エンフオルギルが如何にライオン・ネイションズのパカティウを仕留めるのか。パカティウもチームラカイ時代から、フィリピントップ勢に引っ張られ常に成長してきた存在ではあるが、それでも──いや、それだからこそ今回の興味はエンフオルギルの勝ち方に集約される。
またマット・ブラウン門下で、LFAで2勝を挙げている(0敗)ジョシュア・ペレイラのONE初陣も楽しみだ。対するは中国のバンマードォーチー。フライ級転向もダニエル・ウィリアムスに打ち負けた銀幕のスターとの戦いでペレイラが、何を見せることができるのか。北米らしい穴がなく、動き続けるMMAを披露できれば、若松佑弥が頂点を目指すONEフライ級に新たな風が吹くかもしれない。
■放送予定
3月8日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE FN29対戦カード
<ONEムエタイ女子アトム級選手権試合/3分5R>
[王者] アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
[挑戦者] マリー・マクマニャマン(アイルランド)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョー・アッジャラブーン(タイ)
パルハム・ゲイラティ(イラン)
<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ソー・リン・ウー(ミャンマー)
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)
<ライトヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
シャミル・エルドアン(トルコ)
ジウベルト・ガルバォン(ブラジル)
<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)
ジェレミー・パカティウ(フィリピン)
<ムエタイ女子アトム級/3分3R>
ユー・ヨウプイ(香港)
マルティナ・キエルチェンスカ(ポーランド)
<140ポンド契約/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
サンジャル・ザキロフ(ウズベキスタン)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エリアン・エスパルザ(米国)
ノンタチャム・ジットムアンノン(タイ)
<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
バンマードォーチー(中国)
ジョシュア・ペレイラ(米国)
<サブミッショングラップリング・フライ級(※61.2キロ)/10分1R>
ジオゴ・ヘイス(ブラジル)
石黒翔也(日本)
<148ポンド契約/3分3R>
ステファン・コロディ(アイルランド)
北野克樹(日本)