【ROMAN05】道着MMA王座決定Tに出場、エリック・メネギン「自分の柔術を信じて全員を極める」
【写真】軽快なトークとともに「自分が信じるもの」について語ってくれたメネギン(C)SHOJIRO KAMEIKE
12日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるROMAN05から、道着MMA=ROMAN COMBATフェザー級王座決定トーナメントがスタート。その1回戦で、エリック・メネギンが勝呂駿と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
ブラジル人の両親のもと、茨城県で生まれたメネギン。幼少期に長野県に移り住んだあと父親が柔術を始めたことをキッカケに、彼も大人のクラスに混ざって柔術を学ぶようになった。一度は柔術から離れたが、父親がブラジルに帰国したあと自身は茨城に戻り、常総市のチェックマットジャパンで再び柔術の練習を始めたという。さらに上京して柔術を続け、昨年からROMANに参戦し、道着MMAとバーリトゥードを戦っている。
初戦は道着MMAで、清水俊一に三角絞めで勝利。続く素手VTの松本大輔戦でも三角絞めを極め、再び道着MMAの試合に出場すると、竹本啓哉を判定で下した。
メネギンは言う。「僕は柔術のために生きている。夢を追いかけるために会社を辞めて茨城から上京し、東京で働きながら柔術を続けてきた。今まで僕がやってきたことは、他の誰もやってきていない。だから自信がある」――そんな彼が、道着MMAとVTに挑むことになった理由とは。
裸のMMAであれば、迷っていたかもしれないです。でも道着があるかぎり、どんな相手が来ても自分は負けないと思っていました
――メネギン選手は現在ROMANにおいて道着MMAで2勝、VTで1勝を収めています。ずっと柔術あるいはグラップリングの試合に出続けていたメネギン選手ですが、以前からMMAを戦おうと考えていたのですか。
「いつかはMMAを戦う時期が来るだろうな、とは思っていましたね。でもそれは『自分がMMAをやりたい時に出る』のではなく、何かの機会にMMAを戦うのが一番良いと考えていたんですよ。それまではずっと柔術を頑張っていく。そしてROMANから道着MMAのオファーが来たのでMMAの練習を始めました」
――以前、日系ブラジル人の柔術家にとってVTあるいはMMAというものは、柔術家としての強さを証明するために挑むものだと考えていると聞きました。メネギン選手にも、そうした考えはありましたか。
「あぁ、なるほど。僕が思うのは、MMAをやるためには何かの競技で上手くなっていないといけない。自分の場合はまだ柔術も中途半端なのに、MMAを頑張ろうと考えても、どちらも中途半端になってしまうので。柔術をやっていた僕のお父さんも、ずっと僕にMMAを戦うように言っていました。でも僕は柔術が上手くなってからMMAをやりたいと思っていましたね。周りの人からもちゃんと『メネギンは柔術が上手い』と認められて、大会でも成績を残してからMMAを戦ったほうがいい、と」
――MMAを戦うことを意識して柔術を始める選手も多いなか、メネギン選手はまず純粋な柔術家としてスタートしたのですね。
「そうです。MMAを戦うことは考えず、今までは楽しく柔術をやっていました。小さい頃に柔術を始めて、楽しかったし、世界を狙いたくて柔術を続けてきたんです。ただ、柔術家の多くがそうですけど、最終的にはMMAに行きますよね。僕もそうでした。
今も柔術は続けています。ROMANは道着MMAなので、柔術家としてMMAに入るために良い機会だと思いました」
――ROMANから道着MMAのオファーが来てから、打撃も練習し始めたのですか。
「はい。それまでは全く――ストリートぐらいですね(笑)」
――アハハハ。
「柔術の黒帯になると、いつMMAに行くのかと考え始める人は多いと思います。でも先ほど言ったとおり、良いオファーが来るまでMMAはやらないと決めていましたから。
ROMANで戦うことが決まってから、今回同じ大会で試合をするトミー矢野選手と一緒に練習し始めました。トミーは僕が東京に出て来てからずっと一緒に柔術を頑張ってきた仲間で、彼のほうが先にMMAを始めていて。ROMANに出る時もトミーに相談して、マンツーマンで練習をお願いすることになりました」
――イコール練習は柔術のみで、打撃のトレーニングも始めていなかった。ただ、そのMMAのオファーが来た時、MMAのベテランである清水俊一選手が相手ということで驚かなかったでしょうか。
「正直言っていいですか。全く驚きませんでした。もちろん裸のMMAであれば、迷っていたかもしれないです。でも道着があるかぎり、どんな相手が来ても自分は負けないと思っていましたね。周りの人に訊いたら、80パーセント以上は『(清水とは)やらないほうが良い』と言われましたけど(笑)」
――周囲の人たちが心配するのも分かるほど、MMAとしての経験値の差はあったと思います。対してメネギン選手としては『道着ありで自分と勝負するなんて、甘く見ているのではないか』という気持ちはありましたか。それは柔術家のプライドとして。
「その気持ちはありました。きっと裸のMMAだったら、僕がナメていると思われても仕方ないです。清水選手は80戦以上もMMAの経験があって、僕も『そんな選手と戦っていいの?』という気持ちになっていたかもしれないですし」
柔術をもっと強化する。特にROMANルールに合わせたポジション、殴り方とかいろんな技を生み出しながらやっていきたい
――その清水戦は開始早々、メネギン選手が引き込み三角で捉えてパンチとヒジで攻め立ててTKO勝ち。引き込んで三角というのは、メネギン選手の柔術のスタイルだと思います。MMAを戦うために、別のスタイルを選ぼうとは考えなかったですか。
「今はそう思っています。でもROMANの3試合は、僕の柔術を信じて戦おうと決めていました。特に1試合目と3試合目(※竹本啓哉に判定勝ち)は道着MMAだったので、MMAとか打撃ということではなく、これは柔術だと思って挑んだ試合でしたね」
――メネギン選手の道着MMAを見て、昔々ブラジルの柔術家やルタリーブリのファイターがVTで戦っている試合映像を思い出しました。
「アハハハ。SNSをチェックすると、ホイス・グレイシーの試合に似ていると書かれていました。お父さんは格闘技が大好きだったので、子供の頃にPRIDEを視ていた記憶はあります。でも初期のUFCを視たことはなかったですね。ROMANに出るようになってから、昔のヒクソンやホイスの試合を視たぐらいで。
今のMMAはガードポジションをやる選手が少ないですよね。僕もまだROMANで3試合しかしていないので、そこまで偉そうなことは言えないです。それでも、ガードポジションを信じることができる選手が減っているとは思います。テイクダウンに行く、ダメだったら引き込んで足を狙ったり、スイープしてトップを狙う。もちろんスイープできなくても下から極める技は、数えきれないぐらいありますから。僕は上になっても下になっても、自分の柔術を信じて戦う気持ちでMMAに臨みます」
――道着MMAを1試合経験したあと、次のオファーが素手のVTでした。
「あの試合は自分からお願いしました。僕が清水選手に勝ったあと、『道着があるから勝てたんでしょ?』という意見を多く見たんですよ。それでVTルールの試合があると聞いて、『僕は自分の柔術を信じているし、道着がなくても戦えるところを見せたい』とROMANにお願いしましたね」
――VT戦ではいきなり松本選手が、ルールで認められている金的蹴りを狙ったシーンにシビレました。これが今あえてVT戦を行う醍醐味であり、またその金的蹴りをメネギン選手も咄嗟にかわすという。
「あれはヤバかったですね。そのあとはガンガン頭突きを入れてくるし(笑)。でも、金的蹴りと頭突きがあったから試合が盛り上がったと思うので、松本さんには感謝しています。僕も『いきなり金的蹴り!?』と思って、変なテンションになったんですよ。それで跳び蹴りを狙って、足を滑らせてたので引き込むとか。アハハハ。あの試合は面白かったです。
松本さんのことは尊敬しています。ちゃんとファイターとしてVTのために、金的蹴りも頭突きも練習してきたんですからね。僕も今回、道着MMAのベルトを獲ったら、またVTに出るかもしれないです」
――それは楽しみです! 続く3戦目の竹本戦は道着MMAで、それまでと戦い方を変えたように感じられました。
「練習は何も変えていないですね。道着MMAでは、僕の柔術のレベルに達している選手はいないと思うので。他の選手は、これから柔術を強化してくると考えています。逆に僕が打撃の練習をしても、他のMMAファイターのような打撃のレベルにはならない。だから柔術をもっと強化する。特にROMANルールに合わせたポジション、殴り方とかいろんな技を生み出しながらやっていきたいですよね」
勝呂選手はそんなに極めて勝っているわけではない。だから僕が極めて勝つます。そう信じて戦いに臨むということです
――竹本戦では、まさにそのROMANルール……ケージの道着MMAに合わせた戦いを見せていたのではないでしょうか。ケージ際の道着の使い方、相手の体とケージの間にある狭い隙間をぬって奥襟を掴んだり、と。
「練習では相手を思いっきり殴ることはできないです。だから良いポジションを取っても極めに行かず、そこから相手を逃がさないようにすることを意識して練習していました。それは90パーセント以上が柔術の練習で。竹本選手も柔術をやっているし、MMAの中でも柔術家と言われるスタイルじゃないですか。僕の中で竹本戦は、柔術の試合だったと思っています。柔術の試合をしながら、殴れる場面があったら殴るという意識を持っていましたね。
でもポジションを取ってから殴るという練習をしていなかったので、僕はずっと極めることを狙っていて。最初から良いポジションを取ったらすぐ殴っていったほうが良かったです。それに気づいたのは試合の後半だったので、遅かったです」
――今回は道着MMA=ROMAN COMBATフェザー級の王座決定トーナメントに出場します。他のトーナメント出場者を見ると、ROMANで下している清水選手、松本選手、竹本選手がエントリーしています。このメンバーを見ると、自身が優勝候補だと考えていますか。
「僕は、そうは思いたくないです。優勝候補とか言われると嫌ですね。その3選手と対戦した時も僕が負けるんじゃないかと言われていて、そのほうがやりやすかったんですよ。優勝候補と言われて、調子に乗るようなことがあってはいけない。『次の試合は勝てるだろう』とか、ほんの少しでも気を緩めたくない。だから期待されていない試合のほうが、気持ちの状態も良いかもしれないです」
――なるほど。トーナメント1回戦の相手、勝呂選手の印象を教えてください。
「MMAのキャリアでいえば僕と同じぐらいの戦績で、そういう相手のほうが試合も盛り上がると思います。勝呂選手はバックボーンが柔道で、柔術でも茶帯を取得してMMAも頑張っている。ただ試合を視ると、そんなに極めて勝っているわけではないですよね。だから僕が極めて勝ちます。
これは相手のことをナメているわけじゃなく、そう信じて戦いに臨むということです。今回のトーナメントで、たとえば他の7人の誰と戦うことになっても、僕は全員を極めますよ!」
■視聴方法(予定)
7月12日(日)
午後12時45分~ U-NEXT
■ROMAN05 対戦カード
<ROMAN CONBAT 無差別級/15分1R>
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)
大場慎之助(日本)
<ROMAN CONBAT ライト級/15分1R>
ソ・ジェヒョン(韓国)
トミー矢野(日本)
<R.O.M.A. RULES 無差別級/30分1R>
ウー・ドンシン(台湾)
ダニエル・シウバ(ブラジル)
<ROMAN CONBAT バンタム級/15分1R>
渡部修斗(日本)
杉本寛樹(日本)
<ROMAN CONBAT フェザー級王座決定T一回戦/15分1R>
エリック・メネギン(ブラジル)
勝呂駿(日本)
<ROMAN CONBAT フェザー級王座決定T一回戦/15分1R>
清水俊一(日本)
橋本圭右(日本)
<ROMAN CONBAT フェザー級王座決定T一回戦/15分1R>
竹本啓哉(日本)
寺本雄輝(日本)
<ROMAN CONBAT フェザー級王座決定T一回戦/15分1R>
谷井翔太(日本)
松本大輔(日本)
<ROMAN柔術 85キロ契約/7分1R>
濱岸正幸(日本)
ダシルバ英樹(ブラジル)
<ROMAN柔術 ライト級/7分1R>
北田俊亮(日本)
安齋アーロン(日本)
<ROMAN CONBAT 無差別級/10分1R>
マルロン・ゴドイ(ブラジル)
佐竹アレックス(日本)
<ROMAN CONBAT ミドル級/10分1R>
西村刀(日本)
ムリーロ・タケシ・ソウザ(ブラジル)
<ROMAN CONBAT バンタム級/15分1R>
市川剛希(日本)
ハネッキン・シウバ(ブラジル)






















