【Breakthrough Combat03】アナコンダ×足関節!? 須藤拓真とプログレス王座を争う竹内稔「すぐに終わる」
【写真】淡々と語り、極める。まさに職人タイプの竹内(C)SHOJIRO KAMEIKE
26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03で、竹内稔と須藤拓真が空位のProgressフェザー級王座決定戦を争う。
Text Shojiro Kameike
竹内=首系×須藤=足関節という、互いに必殺技を持つファイターの対決だ。同階級で戦い、これまで同じトーナメントに出場することがありながらも対戦経験がなかった両者。まさに満を持しての対決となる。昨年7月、上久保周哉に敗れて失ったプログレス王座を取り戻すチャンスを得た竹内は「今回は2Rめに行くことはないんじゃないですか」と言う。そんな竹内に、「やりたくなかった相手」須藤との一戦について訊いた。
――昨年7月の上久保戦の翌月、米国ラスベガスで開催されたADCC Worlds Openの65キロ級は1回戦から準決勝まで3試合すべてアナコンダ・チョークで一本勝ちしています。
「まだまだアナコンダは使えるな、と思いました。開催地が米国で出場選手も僕のことは知らないでしょうし、初見の相手なら掛かりますね。プログレスの試合で上久保選手に負けましたけどADCCの大会で、決勝までアナコンダで勝ち進むことができたのは自信になりました」
――対して上久保戦とADCC Worlds Openの米倉大貴戦は、アナコンダについて知られている=掛からないという感覚はありましたか。
「米倉戦選手は対戦が2回目で、前回は僕がアナコンダで勝っていました。彼も対策してきていましたね」
――グラップラーの場合、どうしても国内では練習場所が被ってしまうことが多いです。今回対戦する須藤選手と練習したことはあるのですか。
「須藤選手は週に何回か、カルペディエム三田で石黒翔也君と練習していて。その時に僕も須藤選手と一回だけ組んだことがあります」
――やはり練習経験はあるのですね。その時は須藤選手のスタイルについて、どのような印象を持ちましたか。
「練習したのは半年ぐらい前で。印象といえば――やっぱり足関節に気をつけてスパーリングしました。僕は足関節が苦手なほうで、正直言えば今回も試合をしたくはないですよ(笑)」
――アハハハ。練習した際、須藤選手からはアナコンダに注意している雰囲気はあったのでしょうか。
「どうなんですかね? スパーリングは一本しかやっていなくて、その時は須藤選手も様子見だったと思います。だから僕のアナコンダを警戒しているような感じはなかったですね」
――グラップリングマッチで、互いにここまでスペシャルなフィニッシュホールドを持っている選手の対決は珍しいと思います。
「僕自身、ここまで一本勝ちが多い選手との対戦は、そんなに経験していないです。須藤選手とは同じトーナメントに出たこともあったし、戦うかもしれないとは以前から思っていました。だから楽しみといえば楽しみではあるけど、本音を言えば『試合したくないなぁ』って(苦笑)。それは相手も同じだと思いますよ。須藤選手もSNSで僕のことを『やりたくない相手』と書いていて――自分と同じことを考えていました」
――互いに「やりたくないタイプ」である選手同士の試合は、視る側からすれば楽しみです。どのような試合内容と結果になるか、予想できないので。
「アハハハ、そうですね。試合が一瞬で終わってしまう可能性は十分にあります。僕としては、須藤選手のように足を取りに来る相手のほうが、アナコンダを取りやすい面もあって。ただ、その分僕も足を取られる可能性が高い。お互い、相性は良くないです。
須藤選手はネクサスで、河村泰博選手にダースチョークで一本負けしているんですよね(※2022年8月、Nexusバンタム級タイトルマッチで河村がベルトを防衛)。須藤選手が一本負けする可能性があるのは首系の技で、僕もそこを狙っていくことができます」
――一方、須藤選手について足関節以外で気をつける動きはありましたか。
「う~ん、前回の試合は僕も中島太一のセコンドについていたんですよ。最後のブルドックニーバーにしてもそうですけど、足関節だけでなく未知数な部分が多くて――まず僕たちが知らない動きをしてくる可能性がありますよね。
ブルドックニーバーにしても、どういう動きをしているかは分かるんです。でも『あれっ!? これで極まるんだ……』と。あの技が極まるって、相当な実力差がないと難しいと思います。そんな技を極めることができる須藤選手の実力にビックリしました。
今成正和さんとの試合でも『それほど足が深く入っていなさそうなのに極めちゃうんだ』と驚きましたよね。いつどういう極め方をしてくるか分からない、という怖さはあります」
――すると対策は……。
「何をしてくるか分からないので、対策はしようがないです(笑)。だからこそ自分のゲームプランで戦うことが大切になってきますね。自分の首系が、相手の足関節に対するディフェンスにもなるし、カウンターにもなりますから。だから先ほども言ったとおり、すぐに試合が終わる可能性もあると思うんですよ。今回、2Rには行かないんじゃないですか」
――ポイント勝負にはなりませんか。
「僕はポイントを狙えるなら狙っていく姿勢です。相手がテイクダウンを狙ってくるかどうかは分からないけど、僕が下になった時もプログレスのプリンシパルに則った試合はします。もし1Rで決着がつかなければ判定争いになるかもしれないので、ポジショニングのポイントで勝負できる準備はしています。
とはいえ、どっちも必殺技を持っている選手なので、スリリングな試合になると思います。おそらく1Rで決着すると思うので、楽しみにしていてください」
■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル
■Breakthrough Combat03対戦カード
<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)
<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)
<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)
<バンタム級/5分3R>
チェ・ハンギ(韓国)
寒天マン(日本)
<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)
<Progress60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)
<Progressフェザー級/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)
<Progress87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二宮寛斗(日本)