【Black Combat13】大原が3度のローブローを受けても試合続行。ギボムの判定勝利に場内ブーイング
【写真】1月のユ・スヨンといい、今回の大原といい……ローブロー発生時の対応は改善されていない(C)MMAPLANET
<Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
ムン・ギボム(韓国)
Def.3-0:29-27.29-27.29-27.
大原樹理(日本)
大原がジャブから右ストレート、ギボムはインローを返す。大原はジャブで距離を取り、ここでギボムのインローがローブローとなる。再開後、大原が左ミドルとジャブ、そこから右のパンチを打ち下ろす。さらに大原は右ストレートから返しの左フック、ギボムのジャブに右のヒザ蹴りを狙う。ギボムはそのヒザ蹴りをもらいながらシングルレッグに入って大原をケージに押し込み、シングルレッグでテイクダウンする。
ガードポジションを取った大原は下から蹴り上げ。ギボムは距離を詰めて、大原の右足をまたいでハーフガードでトップキープする。ここからギボムは肩固めの形を作ってマウントポジションへ。大原はケージを蹴って反転して立ち上がる。ギボムはスタンドでバックにつき、大原をテイクダウン。大原は足をフックさせずに四つん這いから立ち上がる。
ギボムはバックについたまま大原を後方に倒し、サイドポジションで抑え込む。大原はここもケージを蹴って脱出し、立ち上がってギボムをケージに押し込む。ケージを背負うギボムは大原の頭をギロチンに捉えてヒザ蹴りを入れるが、これが2度目のローブローとなってしまう。大原はそのままうずくまり、マウスピースを吐き出して動くことが出来ず。長時間のインターバルを経て、何とか立ち上がり、試合は再開される。再開後、大原がワンツーと左ミドル。ギボムが蹴り足をキャッチしてダブルレッグでケージに押し込んだ形でラウンド終了となった。
2R、大原が右カーフ、ジャブと右カーフを当てる。ギボムも右をかぶせて左右のパンチで前に出る。距離を取った大原は右ストレートから左ミドル、距離を詰めるギボムに右ストレートを狙う。一旦間が空くと大原が右ストレート、ジャブとワンツー、右の飛びヒザ蹴りを狙う。パンチのプレッシャーをかけるギボムが大原をケージに押し込んでテイクダウンする。
大原がクローズドガードを取って、後転して亀になって立ち上がる。ギボムはスタンドでバックを取って足を対角にかけるようにフックして後方に倒す。大原も完全にはバックコントロールさせずに立ち上がり、先ほど同じ形でギボンに倒されても右腕をキムラロックにとって亀になる。ここでギボムは大原の顔面の右ヒザ蹴りを入れてサイドポジションへ。ここからマウントに移行すると、大原も反転して上のポジションを取り返す。
3R、一気に距離を詰めるギボム。大原は下がりながらも右ストレートと右のヒザ蹴りを返し、この右ストレートでギボムが尻餅をつく。ギボムもすぐに立ち上がるが、大原は首相撲からヒザ蹴りとヒジを連打。ギボムも何とかダブルレッグで組みついて大原をケージに押し込む。ここは両者の動きが止まってブレイクとなる。
再開後、大原が右ストレート。ここでギボムが蹴ったインローが三度ローブローに入り、大原はその場にうずくまる。1R以上に長時間のインターバルが与えられるが、大原はスタッフの肩を借りなければ立ち上がることが出来ない状況で、まともな状態で試合続行できないのは明らか。それでもインターバルは続き、客席からは韓国語で『やめさせて』という声もあがる。
結局、ギボムが減点されて試合は再開される。再開後、パンチの打ち合いとなり、ギボムが左フックを当てる。大原はヒザ蹴りとワンツー、ギボムは右を振って前進。大原はワンツー、ギボムも右ストレートも当たる。大原がジャブから右アッパー、ギボムが右腕を差して組みつくと足をかけてテイクダウンを狙う。
バックについたギボムが大原を倒すが、大原は袈裟固めのように左腕でギボムの首を抱えてパンチを連打。ここから大原が立ち上がり、ケージを背負って正対するとギボムがテイクダウンする。最後はギボムがトップキープする形で試合終了。試合が終わると大原は立ち上がることが出来ず、膝をついたまま自陣コーナーに戻る。判定を読み上げられる間も大原は立っていられない状況で、ギボムの判定勝ちが告げられると場内からは大ブーイングが起きた。
試合後、ギボムは「自分のローブローで、こんな試合になって申し訳ありません。大原選手のことはずっと試合を見ていて尊敬していました。本当にスミマセン。わざとローブローをしたわけでないですが、アグレッシブな試合でなくてもグラップリングで勝てました。このベルトが欲しかったです。樹理選手、スミマセンでした。尊敬しています」と謝罪。
さらにリングアナはセコンドの肩を借りなければ立っていられない大原にもマイクを向け、大原は「(ローブローを)もらった俺が悪かった。たくさんの人が期待してくれたのに内容も結果もこんなことになって申し訳ありませんでした」とコメント。会場からは樹理コールが起きた。1Rに起きた2度目のローブローの時点で大原のダメージは大きく、3度目のローブローでは自力で立ち上がることすら困難だった。それでも長時間のインターバルを設けて、試合を続行する――この対処はありえないものだ。