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【Pancrase350】中央アジア壁=ラジャポフ越えへ、田嶋椋「色々思いつきすぎて、中途半端になるのが怖い」

【写真】集中力を切らさない。そのために最大限のダメージ回避しつつ、スタミナのロスを考えながら攻める。相当に難しい試合になりそうだが、田嶋はそんなタフな戦いを求めている(C)TAKUMI NAKAMURA

15日(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるパンクラス師走の大一番=PANCRASE350 & 351の昼夜大会。昼の部350では田嶋椋がオタベク・ラジャボフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月の立川ステージガーデン大会で井村塁に激闘の末に敗れた田嶋だが、年内最終戦でIMMAF世界王者ラジャボフとの一戦がマッチメイクされた。田嶋にとっては初の国際戦であり、プロ戦績だけからでは計り知れないポテンシャルを持つ中央アジア勢に挑む戦いでもある。田嶋は「ラジャボフのような相手だからこそやるべき試合」と語った。


――今大会では2022&2023年IMMAF世界大会優勝の実績を持つオタベク・ラジャボフと対戦することになりました。最初にオファーを受けた時の心境から聞かせてください。

「アマチュアMMA(IMMAF)の世界チャンピオンということで、パンクラスは容赦なく強い相手を連れてくるなと思いました(笑)。でも僕はそういう選手と試合をして、自分の強さをぶつけてどうやって戦えるんだろうという楽しみがありますね。ラジャボフのような相手だからこそやるべき試合だと思っています」

――田嶋選手にとっては初の国際戦ですが、キャリア的にも外国人選手とやる時期だと思っていましたか。

「そうですね。僕も10戦以上やってきて、そろそろ(外国人とやる)かなと思っていたので、タイミング的には良かったです」

――アマチュアでの実績も含めて、ラジャボフにはどんな印象を持っていますか。

「しっかりIMMAFで勝って優勝もしていて、試合映像を見ても全部できる、本当強い選手だなと思っています。今年7月がプロデビュー戦でしたが(高城光弘に一本勝ち)『こいつ、これでプロデビューかよ?』みたいな試合をしていましたよね。でも強いやつはそんなもんだろうなと思っていて、キャリア・経験関係なく、強いやつは強いよなっていう。そう思って準備しています」

――そのラジャボフに対して、どんなことを意識して練習を続けていますか。

「自分の感覚では外国人選手は荒い・爆発力がすごい分、細かい技術がちょっと足りないイメージだったのですが、試合映像を見ると意外と丁寧に戦っていて、いきなりドカーン!とくる感じはないのかな、と。だからいざ試合なっても、そんなに驚くことはないんじゃないかなと思います」

――では初の×外国人選手ではありますが、そこまで普段の準備とは変わらないですか。

「実際に組んでみたり、パンチをもらったりしないと分からないですが、比較的イメージしやすい、組み立てやすい相手かなと思います。相手は打撃も組みも丁寧にやってくるんで、自分もしっかり丁寧にやる部分もあるし、逆に派手にやる部分も考えているので、そこのバランスを考えながら試合をしたいと思います」

――丁寧にやりつつも、どこかで爆発力を見せる。そういう試合をしないと勝てない相手だと思っていますか。

「お互い丁寧にやりあったら、そこの技術力でやられてしまう可能性もあるんで、そこは気持ちやパワーを出してやりたいです」

――そこのバランスは非常に難しい部分だと思います。

「まさにそうですね。頭は冷静なんだけど、心は熱くというか。毎試合そのバランスが難しいのですが、そこをバランスよくどうやるかも、自分の中の目標ではあります。向こうも最初からガンガン来るだろうし、俺も行くつもりでいるので、おそらくバッチバチになると思います」

――そこはご自身でも楽しみですか。

「そうですね。熱くなる中で、自分の技術を無意識のうちに出せるように、と考えています」

――ここ最近の練習で新たに始めたこと、取り入れたことはありますか。

「レスリングは結構多めにやっているし、×外国人ということでトレーナーと話し合いながら、外国人選手に勝てるフィジカルを作ってきています。打撃に関しては一年以上前からK-1ジム大宮に行かせてもらっていて、稲垣澪くんや稲垣柊くんたちとスパーリングしたり、ミットも持ってもらっています」

――稲垣兄弟はK-1とKrushのトップ戦線で活躍している選手なので、彼らと肌を合わせていると打撃で面食らうことはないですよね。

「はい。打撃には免疫がついてきた感じがあります。だだ打撃を覚えて、できることが増えたからこそ、余計なことをしないように、変なことをしないように、自分の中で落ち着かせている部分はあります」

――技を覚えて出来ることが増えると、それで戦い方が崩れかねないですよね。

「色んなことが思いつきすぎて、全部中途半端になってしまうのが1番怖いので、そこはもう自分のやるべきことを考えてやりたいです」

――やはり自分の強みや一番の武器は組み部分ですか。

「そのしつこさが自分の持ち味なので、そこを忘れないように。そこを忘れて打撃でいけるぜ!みたいにイケイケで行くと多分やられると思うので、そうならないように気を付けます」

――例えば試合前はいつも「組んできついことをやって勝つ」という覚悟を作って戦っていますか。

「はい。そういう気持ちを作ってやっている感じです。ただ試合になると殴り合ってしまう時があるので、そこはちゃんと落ち着かせます」

――今回は国際戦ということもあり、今後のキャリアを左右する一戦になるという捉え方はしていますか。

「本当にその通りですね、この試合はIMMAFの世界チャンピオンとの試合で、IMMAFで勝っている選手はUFCに行ったり、海外の団体で活躍したりしているので、ここで自分が勝てば自分も海外でやっていける証明の1つになると思うんで、 そういう大事な試合だと思っています」

――まずは今回の試合に集中しないといけないですが、そこを踏まえて来年の展望、今後の目標を聞かせてもらえますか。

「パンクラスのベルトを狙いつつ、来年のRoad to UFC(RTU)を目指していきたいですね。どうせやるなら1番強い団体でやりたいので」

――今年は透暉鷹選手がパンクラス王者のままRoad to UFCに参戦しています。

「パンクラスは選手ファーストの団体で、選手のやりたいことを後押ししてくれるし、こうやって海外の選手と戦うチャンスを作ってくれるので、すごくありがたいなと思います。僕は国内ではパンクラスのベルトしか狙っていないので、パンクラスのベルトを狙いつつ、RTUのように海外でチャンスも視野にいれていきたいです」

――前回3月の井村塁戦はダウンを奪われたあとに反撃する激闘の末に判定負けという結果でした。今回は激しい試合だけでなく、勝つ姿を見せたいですか。

「前回から約9カ月空いてしまいましたが、前回の試合でダウンしているので、一度試合間隔をあけて、体もしっかり作り直してきました。今までとは身体も仕上がりも全然違うので、楽しみにしていてください。×外国人仕様、今までとは一段階違う自分を見せます。今年最後を締めくくれるように熱い試合をするので、しっかり見てほしいです」


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12月15日(土)
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