【ONE FN25】箕輪ひろば戦へ、怖いモノ無しの20歳ザキロフ「彼は僕とファンが喜ぶような試合はできない」
【写真】 溢れる自信というか、自信しかなかったザキロフ(C)ONE
5日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Fight Night25で、箕輪ひろばと対戦するサンザール・ザキロフを初インタビュー。
Text by Manabu Takashima
キャリア10戦10勝、フィニッシュ率90パーセントの脅威の20歳は3月に対戦した本田良介、今回戦う箕輪ひろば、そしてONE世界ストロー級王者ジョシュ・パシオを弱いと一刀両断した。
――サンザール、ONE FFでの試合を見ても輝かしい将来が待ち受けているであろう20歳のファイターが、初めてONE本戦といえるFight Nightショーで戦います。今の気持ちを教えてください。
「これまでの試合を振り返って、どうこういうつもりはない。まだ序の口だよ。全てはここから始まると思っている。今週末のビッグショーが、待ちきれないよ」
――過去の試合を振り返って何かいうつもりはないということですが、申し訳ないです。3月の本田良介選手との試合を振り返っていただけないでしょうか、あの試合は日本のファンに大きな衝撃を与えました。
「まぁ、ぶっちゃけていうと3月の試合は本当にイージーだったよ。そして、今週末の試合も同じだ。イージーファイトになる。それは言っておくよ」
――何と!! 自信満々のサンザールですが、いつ頃から格闘技を始めたのでしょうか。
「両親が5歳の時に僕をテコンドーのクラスに連れて行った。それからハマって、僕が成長するのと時を合わせてウズベキスタンでファイト・ビジネスが成長をしたことは、とても幸運だったと思う」
――テコンドーがベースなのですね。大会での優勝経験などもありますか。
「ここまでに獲得したタイトルは多すぎて、全てを話すにはインタビュー時間が足らないよ。そのなかで、伝えるべきなのはウズベキスタンにあるユニバーサル・ファイティングのナショナル選手権で5度優勝していることかな」
――ユニバーサル・ファイティング? 大会名なのですか。
「ノー。そういうルールの戦いだよ。ハンド・トゥ・ハンドコンバットでコンバットサンボに似ているけど、道着は上下とも長袖で……半パンではない。ただ本当にコンバットサンボに似ている」
――それはプロMMAファイターになるために、ユニバーサル・ファイティングを戦っていたということですか。
「ウズベキスタンでMMAが公に開催されるようになったのは、2020年なんだ。それまでMMAの練習をしていても、戦えるのはハンド・トゥ・ハンドのユニバーサル・ファイティングだけだった。だから僕はロシアに移り、MMAの練習をして試合にも出ていた時期がある。
そしてウズベキスタンでMMAが認められるようになり、母国に戻ってキャリアを積むようになったんだよ」
――なるほど、20歳のサンザールにはそのような格闘技歴があったのですね。つまりMMAは10戦でもハンド・トゥ・ハンド・コンバットの経験は豊富だったと。ところで今もウズベキスタンで練習を続けているのですが。
「ウズベキスタンとダゲスタンを行き来している。試合前になるとダゲスタンで練習をすることが多いかな」
――サンザールは打撃とテイクダウンにタイムラグがなく、一つの動きになっていることがとても印象に残っています。特にミドルから着地した直後にダブルレッグに入ったのは驚きでした。
「それが可能になったのはテコンドー時代から、柔道、グラップリング、サンボ、ハンド・トゥ・ハントと自分を律してコンバットスポーツに向き合ってきたからだろうね。それらの技術をスピードに乗ったまま合体させることができる。
そういう風に印象に残る動きをするのも、僕の仕事だ。と同時に対戦相手次第だよ。どういう動きができるのかも。直近の3試合で、まともに僕と打撃の攻防ができた相手は1人だけだった。他の2人は1発か2発しか、僕を殴ることができなかった。つまり、対戦相手が強くないと自分の攻撃を仕掛けることが可能になる。でも、ファンが驚くような動きをこれから見てもらえるようになるに違いないよ」
――では今週末の試合ですが、相手は日本の箕輪ひろば選手です。イージーファイトになるという言葉が既に聞かれていますが……。
「僕らは同じレベルにはない。現実的に彼は僕と互角の攻防を繰り広げ、ファンが喜ぶような試合はできない。すぐにフィニッシュして、5万ドルのボーナスを手にする。作戦的にはプレッシャーを掛けて、そこからより戦略的な動きを見せつつ、最後はボコボコにしてフィニッシュだよ」
――この試合はタイトルショットに近づくためには欠かせないトップ5入りが掛かった試合といえます。
「う~ん、現ストロー級王者のジョシュア・パシオと僕を比べることはできない。アイツは弱すぎる。ジャレッド・ブルックスは対戦相手として考えても、楽しみな相手だ。ブルックスこそトップで、僕が戦いたいと思うファイターだ。彼との試合はタフで、それだけリスクの高い戦いになるだろうね」
――サンザールはウズベキスタンでも特別な存在だと、ホッとします。逆にウズベキスタン人選手は皆がサンザールのようにポテンシャルが高いのであればゾッとします。
「ウズベキスタンには本当に多くのグッドファイターがいる。ただ、僕はウズベキスタンで最強の1人だと思う。皆が僕のレベルに至ってはいない」
――それは良かったです(苦笑)。では最後に改めて土曜日の試合に向けて、意気込みをお願いします。
「打撃を見せたい。ボーナスを取る可能性が高くなるからね。作戦に則して戦いつつ、ファンが喜ぶ華麗にファイトを見せたい」
■視聴方法(予定)
10月5日(土)
午後8時45分~U-NEXT