【UFC307】オクタゴン2戦目、圧巻のリカバリー11キロ!! ケイラ・ハリソン「UFCタイトル戦はすぐに」
【写真】確かに柔道時代とはまるで輪郭も変わっている。これがMMAバージョンのケイラ・ハリソンだ (C)MMAPLANET
5日(土・現地時間)、ユタ州ソルトレイクシティのデルタ・センターでUFC307「Pereira vs Rountree」が開催され、ケイラ・ハリソンがオクタゴン2戦目をケトレン・ヴィエイラと戦う。
Text by Manabu Takashima
2度の柔道金メダリストからMMAに転向し、PFL女子ライト級を連覇。3連覇を逃し、PFLが女子フェザー級を新設するも参戦せず、UFCへ。そしてフェザー級を通り越し、バンタム級に落とすことを決めた。3月のUFC初戦で元世界王者のホーリー・ホルムを相手に圧巻のパフォーマンスを魅せたケイラはUFC世界女子バンタム級王者ではなく、王座をロックオンしている。
オクタゴンで戦った時は、きっと160ポンドに戻っていたはず
――今週末、UFC第2戦が控えています。今の気持ちを聞かせてください。
「最高ね。しっかり段階を踏んで、夢であるUFCチャンピオンに近づいているわ」
――UFC300という歴史的なショーでデビュー戦を戦い元世界王者のホーリー・ホルムを払い腰で投げ、マウントを取って強烈なパウンドからパームトゥパームで勝利しました。UFCでの勝利は、これまで主戦場してきたPFLでの勝利とはファンの反応が違うような感じはありましたか。
「そこは確実にあるわね。UFCは世界最大の団体で、MMA界の五輪よ。UFCに合流してからファンの反応は、跳ねあがったわ。子供たちとビーチにいると、高校生が『ケイラ・ハリソンでしょ?』って話しかけてきて、『すっごい勝ち方だったね』なんて言っているの。そんなこと以前はなかった。UFCは別世界ね。それで浮かれることはないし、自分の目的を達成するために戦うだけだけどエンジョイしているわ」
――元UFC世界王者からの勝利は、これまでの16勝とは違う自信を得ることができたでしょうか。
「そうね……ホーリーとの試合はUFC初戦で、あのビッグカードだし凄くプレッシャーを感じていたの。しかもバンタム級で戦うことも始めてだったし。そんなプレッシャーにさらされると、自分ができるのかって疑問を感じるようになるのが人間じゃない? 自分で口にしてきたことを達成できるのか……だからこそ、これまで以上に自分自身、自分のやってきたこと、チーム、コーチ達の言葉を信じて戦った。その結果の勝利で得られたモノは大きいわ」
――体重を落とせても、リカバリー後のパフォーマンスが重要になってきますが、試合を見る限りそこも問題なかったように見えました。
「リカバリーも完璧だったわ。バンタム級でも以前のように動けるか、正直をいえば自分でも疑問を感じていたの。でもスピードはあるし、圧力も力強さも感じることができた。オクタゴンで戦った時は、きっと160ポンドに戻っていたはずよ」
――えぇ、25ポンド(約11.3キロ)も戻せたのですか!!
「そうよ。最高のコンディションだったわ。チームのおかげよ。コンディショニングコーチ、栄養士、それにマイク・ブラウン、スティーブ・モッコ、柔道時代からずっと支えてくれているジミー・ペドロ。チームの皆を尊敬している。それに母もね。子供たちの面倒を見て、私を支えてくれた。本当に素晴らしいチームが、私を支えてくれている。チームがあったからこそ、あの勝利が実現したのよ」
――そして今回はケトレン・ヴィエイラと対戦します。ランク2位ですが、どのような印象を持っていますか。
「彼女は元世界王者やタイトルコンテンダーに何度も勝っている素晴らしいファイターよ。打撃もできて、レスリングも、柔術もできる。柔道も柔術も黒帯で、本当の意味でウェルラウンダーね。
経験豊かで、タフな試合もやってきている。でも全局面において、私の方が上回っている。打撃もテイクダウンも、グラウンドゲームも、もちろん柔道もね」
――過去の試合では彼女の柔道はゲームを支配するうえで大きな効力を持っていましたが、相手がケイラとなると……。
「私は6歳の時に柔道を始めて20年間、涙と汗、血を流してきた。彼女と私の柔道はレベルが違う、それは断言させてもらうわ。そして、彼女だって分かっているはず。彼女は私のようなレベルのファイターと戦う準備はできない。土曜日の夜は、UFCタイトル戦はすぐにやってくることを皆に証明するつもりよ」
――この一戦は事実上の次期挑戦者決定戦です。そしてラケル・ペニントンとジュリアナ・ペニャのUFC世界女子バンタム級選手権試合が、同じ日に行われます。挑戦するなら、どちらの選手が良いかを含めて試合の行方を予想をしてもらえないでしょうか。
「私はどっちが勝とうが構わない。なんなら一晩で2人と戦っても良いから(笑)」
――WOW。
「問題ないわ。ジュリアナはグラップラーに転じて、凄く良くなっている。従来の力を出せればジュリアナが勝つんじゃないかと思うけど、2年も試合をしていないと実際のところは分からない。負傷明けのファイトだしね。それにラケルはチャンピオンになったことが自信になり、力にもなっているはず。どっちが勝つかは分からない……し、別に気にしない。私はベルトを持っている選手と戦うだけだから。
私のゴールはUFCで戦うことでも、お金を稼ぐことでもない。それは私がUFCのチャンピオンになることも一部でしかないわ。土曜日の夜、そのゴールにまた一歩近づくことになる」
――ケイラは強者の印象が強すぎて、ファンは対戦相手の応援に回るような傾向があるかと。そんな会場の空気が感じられることはありますか。
「そこも楽しんでいるわ。私は輝きを消す存在なのよ(笑)。だからプレッシャーも感じているけど、ファンが私のことをどう見ていようが、自分が好きで1日、1日全力で取り組んできていることの成果を出すために、自分を全うするだけよ」
もうATTではなくてJTT
――気持ちが良い言葉です。ケイラ、最後に日本のファンにメッセージをお願いできますか。
「今、ATTは凄くたくさんの日本人ファイターが練習していて、もうAmerican Top TeamではなくてJTT、Japan Top Team……Japanese Top Teamよ(笑)。私は凄く日本が恋しいわ。すぐにでも、また日本に戻りたい。アリガトゴザイマシタ。オヤスミナサイ」
■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時30分~UFC Fight Pass
午前11時00分~PPV
午前7時00分~U-NEXT